獣医師が解説

【獣医師が解説】「お口ピカピカ デンタルクリーン」

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。

愛犬の口腔内の健康維持や口臭にお勧めの帝塚山ハウンドカムのお口ピカピカ デンタルクリーンを解説していきます。
口臭の発生の原因とデンタルクリーンのパパイン酵素の働きをお伝えいたします。

口臭と舌苔

口臭の発生と原因物質

ペットにおける口臭の発生背景としてはいろいろありますが、大きく次の4つがあげられます。

【1】口腔内 …歯周病、歯垢、舌苔 など
【2】全身疾患 …糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患 など
【3】フード …ウエットタイプのフード、飲み水の不足 など
【4】その他 …歯磨きの頻度、加齢による唾液の減少 など

これらの中で最も一般的なものは【1】口腔内を発生源とするものです。
口臭特有のにおいは共通して硫黄(イオウ)を含む化学物質に由来しています。

具体的には硫化水素(卵が腐ったようなにおい)やメチルメルカプタン(生ごみが腐ったようなにおい)などでまとめて揮発性硫黄化合物と呼ばれています。

口臭発生のしくみ

揮発性硫黄化合物はどのようなしくみで発生するのでしょうか?
まず硫黄の供給源はフード成分であるタンパク質です。
タンパク質はおよそ20種類のアミノ酸からできていますが、この中で硫黄を含んでいるものがあります。

これを含硫アミノ酸といい、メチオニンやシステインがその代表です。

口腔内には様々な種類の細菌が存在しており、その中には含硫アミノ酸を栄養分として生きている細菌がいます。
この細菌が食物残渣(フードの食べカス)を分解することにより硫化水素などの揮発性硫黄化合物が産生されて口臭になります。

口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物を産生している主役は、フソバクテリウムやベイロネラという名前の細菌で共に「嫌気性菌」です。嫌気性菌とは酸素を嫌う性質の菌のことで、歯垢や歯周ポケット、舌苔などの空気(酸素)に触れないところに存在しています。

舌苔(ぜったい)とは?

舌の表面を被う白っぽいコケ様のものを舌苔といいます。
舌苔の本体は舌表面の細胞に新陳代謝で剥がれた粘膜やフードの食べカス、さらに様々な口内細菌が付着したものでタンパク質が主体となっています。構成内容が歯垢に類似しているため舌苔は「舌のプラーク」とも呼ばれています。

舌苔は歯垢と同様に成長すると厚みを増し、その深部は空気に触れないために嫌気状態になります。この結果、前出のフソバクテリウムなどの揮発性硫黄化合物を産生する嫌気性菌にとっては絶好の増殖環境となり、口臭が継続的に発生することになります。
 
日本歯科大学 新潟歯学部の大森みさき 氏が舌の清掃と口臭の関係について調査した報告があります(2005年)。

○調査対象は舌苔の付着を認める男女26名
○舌の清掃は専用の舌ブラシを用いたブラッシングを実施
○舌の清掃の結果、口臭は揮発性硫黄化合物全体として約75%減少した
(硫化水素は約70%減少、メチルメルカプタンは約79%減少)
 
このように舌苔の付着が口臭発生の主原因であることが確認されています。

舌苔に着目した口臭対策

ペットにおいて舌苔の清掃ブラッシングは困難です。そこで次のまったく新しい2つの方向から口臭対策にアプローチします。

(1)消化酵素の活用 …舌苔を構成するタンパク質を分解する
(2)プロバイオティクスの活用 …舌苔を構成する菌を良性菌に置き換える

パパイヤ酵素(パパイン)

酵素とは?

最近テレビCMで「酵素パワーでがんこな襟汚れが真っ白」とか「酵素の力でお肉やわらか」などよく耳にします。この酵素とはいろいろな反応を手助けするタンパク質のことです。

酵素は手助けをする反応により大きく2つの種類に分類されます。
消化酵素 …摂取した栄養素を分解する反応に関与するもの
代謝酵素 …エネルギーの産生と消費に関係する反応に関与するもの
 

消化酵素

ここでは消化酵素について説明します。3大栄養素を消化する酵素として次のものがあります。

①アミラーゼ(デンプン分解酵素)

②プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
・生体だけでなく果物など食品内にも含まれる
・パパイン(パパイヤ)、アクチニジン(キウイ)、ブロメライン(パイ
ナップル)など
・ナットウキナーゼ(納豆:これは血栓を溶解する)

③リパーゼ(脂肪分解酵素)

前出のパパインとはトロピカルフルーツであるパパイヤの青い果実に存在する植物プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)です。
パパインは食品添加物の酵素に指定されており、硬い肉を軟らかくする軟化剤や小麦タンパク質を適度に分解してクラッカーのサクサク感を出すのに利用されています。

また近頃では高齢者向けの柔らかい食肉加工食品の開発などにも活用されています。

江崎グリコの吉松大介 氏らは植物プロテアーゼの舌苔除去効果について研究報告をしています(2007年)。
アクチニジン(キウイ由来のプロテアーゼ)を配合したタブレットを舌苔を保有する成人男性11名に給与しました。
対照群と比較した結果、給与群では約2~3.7倍の舌苔の付着減少効果が確認されたとのことでした。

同氏はパパインにおいても同様に舌苔を分解除去する作用があると考えられるとも述べています。

植物プロテアーゼは舌上のタンパク質を消化分解し、口内細菌の住処(すみか)である舌苔の除去作用をもつことが明らかになりました。
これにより舌表面は深部まで空気(酸素)と触れることができ、嫌気性菌である口臭原因菌は増殖することが難しくなります。

プロバイオティクス

口内細菌をゼロにはできない

口の中にはどのくらいの数の細菌がいるのでしょうか?
たいへん難しい問題ですが、ヒトの歯垢や舌苔1mgあたり1~2億個程度といわれています。

したがってオーラルケアとして口内細菌をゼロにすることは不可能ですが、歯周病菌や口臭原因菌などの悪玉菌だけでも少なくすることは可能です。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは体に良い生きた細菌(善玉菌、良性菌)やこれを含む食品のことをいいます。

「共に生きるもの」という意味で、積極的に細菌を叩くアンチバイオティクス(=抗生物質)に対抗することばです。

代表的な細菌として乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などが知られています。
これらの良性菌を含む様々な食品やサプリメントが販売されており、そのほとんどが整腸作用を目的とするものです。

お腹の中の良性菌の比率を上げることにより、悪玉菌を直接叩かず自然に減らしてゆくという作戦です。

ではこのプロバイオティクスを口腔内に応用するとどうなるでしょうか?

乳酸菌などの良性菌を積極的に口の中に送り込むことにより、悪玉の嫌気性菌が減少してゆきます。
歯垢や舌苔を構成する菌は口臭原因菌から良性菌へ置き換えられ、結果的に口臭の抑制につながると考えられます。

まとめ

舌苔

  • 放置され成長すると深部は嫌気環境になる
  • 歯垢と同様に嫌気性菌である口臭原因菌の住処(すみか)になる

パパイン

  • パパイヤ由来のタンパク質分解酵素
  • 舌苔を分解することにより口臭減少効果が期待される

プロバイオティクス

  • 乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌などを代表とする良性菌
  • 口腔内で口臭原因菌と置き換わることにより口臭抑制につながる

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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート

獣医師 北島 崇

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。

本町獣医科サポートホームページ

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