愛犬の結石を繰り返さないために大事な事
目次
愛犬の結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が多い
愛犬の結石は尿に溶けているミネラルが結晶化してできるものです。
カルシウム、マグネシウム、リンが結石に係わる主なミネラルです。
一般的に結石は飼い主さんが尿などの異常を発見し治療することになります。
シュウ酸カルシウム結石は難しいですがストルバイト結石の場合は療法食などで1か月程度で改善が見込まれる事があります。
療法食を食べ続けていいの?
ただし、一度結石になったからといって療法食を食べ続けるのは疑問に思う飼い主さんがほとんどです。
療法食はミネラルバランスが整ってはいないので偏った食事をする事になりかねません。
またシュウ酸カルシウム結石とストルバイト結石では改善する食事が違うのでストルバイト結石になった愛犬が今度はシュウ酸カルシウム結石になるといった事例が多いのです。
特にストルバイト結石は若い愛犬でもなりやすいので療法食に頼るよりも普段の生活を見直して対処することが望まれます。
結石に関してはまだまだ分かっていない事も多くホルモンバランスや遺伝なども関係しているといわれていますが普段の食生活などの見直しで改善は見込まれます。
結石を繰り返さないために一番大事な2つの事
1つめ 水分の多い食事
結石は尿がアルカリ性に傾いたり酸性に傾くことで形成されるので中性に保つことが再発を防止する一番の対策です。
傾いたpHは水分をしっかり補給することで自然と中性に近寄っていきます。
水分補給は逆のpHには傾かない安全で最も効果的な結石対策なのです。
また、中性に傾けるのと同時に危険因子となるミネラルや菌、結石のもとになる核なども洗い流せるようになります。
ドライフードが主食の場合もスープや薄目のヤギミルクなどで浸して与えるだけで1日の水分不足はかなり軽減できます。
添加されたミネラルを含まない新鮮で質の良い手作り食が理想ではありますが食事で水分を摂ることをおすすめいたします。
愛犬も冬になると動くことが面倒になるので水飲み場も複数、用意できればいいですね。
2つめ いつでもできる排泄環境と清潔なトイレ
水分の次に大事なのはいつでもできる排泄環境です。
せっかく水分補給を充分しても膀胱に貯めこんでいては結晶ができるかもしれません。
そしてトイレでの陰部への菌(糞便に関連した大腸菌、ブドウ球菌、レンサ球菌、パスツレラ菌など)が入ることで膀胱炎の原因となります。
清潔なペットシーツなどのトイレ環境が非常に大事になります。
結石にならない食事とは?
それでは普段の食事では何に気をつければよいのでしょうか?
先にも書いた通り、対策のしすぎには注意が必要です。
特にミネラルに関しては摂り過ぎには注意が必要ですがミネラルの偏った食事を長く継続しないことも大事になります。
カルシウムなどはむしろ適正量(日本では1日600-800mg)の摂取が再発予防になると考えられています。
バランスの取れた質の高い食事は免疫力を保ち尿路感染症による尿石症を起こしにくくします。
質の高い食事とはたんぱく質でいえば熱で変成していない消化に優しいもの、脂質なら、膀胱炎の抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸。
オメガ3脂肪酸も酸化しやすいので新鮮なものを摂取してください。
オメガ3脂肪酸や結石に良いとされるクランベリーのプロアントシアニンは抗酸化作用があり細胞壁が剥がれ結石の核の形成を抑えることができます。
ミネラルについて
ミネラルの調整は非常に難しいものがあります。
有機ミネラルや無機ミネラルなどの吸収力の違いだけをとっても個人的に上手く計算するのは難易度が高すぎます。
一時的なミネラルの制限ではなく長期のミネラルの制限は愛犬の健康にとって有益であるとは思えません。
新鮮で質の高い自然な食事ならば足りないミネラルは吸収し余分なものは体外に排出される仕組みになっています。
免疫力を維持するためにも質の高い食事が結石の予防となります。
まとめ
- 水分補給
- いつでも排泄できる環境
- 清潔なトイレ、住環境
- バランスの取れた質の高い食事
- 水飲み場を増やす
- ストレスは万病のもと
- 免疫力の維持
一度結石になると、同じ結石を繰り返したり、別の結石になってしまうことがあります。
結石予防は水分補給と排泄、この2つを改善することが最優先です。
そして、消化の良い質の高い食事をすることで高い効果を得ることが必ずできます。