「シャンプーするときの悩みなんですが、肛門しぼりが上手く出来なくて困っています。時計の4時と8時あたりを絞っているんですが、出てこないし痛がるし…で、なかなかできません。何かコツがあれば教えてください」 北海道 A.M様
肛門嚢の構造
犬の肛門周辺には肛門腺と呼ばれる分泌器官があります。健康な犬や大型犬なら分泌液が自然に分泌されて問題ありませんが、運動不足の犬や室内犬、小型犬などは分泌物が「肛門嚢」(こうもんのう)にたまりやすく、肛門嚢炎(こうもんのうえん)になりやすいので飼い主によるケアが必要です。
肛門嚢は肛門を中心に4時と8時の場所にあります。
尻尾を上げると少しプクッとしてる部分がよく分かります。それが肛門嚢です。
尻尾を上げると肛門がよく見えるので、ギュッと持ってしまいがちですが、そうすると余計犬が身構えてしまい、肛門に力を入れてしまいます。そんな状態で肛門腺を絞っても犬は痛いし嫌がるだけです。尻尾の付け根を優しく持てば肛門はよく見えるので、付け根を優しく持ってあげましょう。
肛門絞りのポイント
ポイントは「自分の手を揉んでもらって気持ち良いくらいの力で、絞るよりも撫でて押すような感じ」です。
肛門を中心に、8時と4時の場所のプクッとしている部分をそっと優しく押すような感じで、写真の1~3のように絞ってあげましょう。
力を入れすぎると肛門嚢が破裂する場合があるので、要注意です。そして、ギュッとつまんで絞ってしまうとクサイ分泌物が勢いよく飛んで来るので気を付けましょう。
出ないからと、力を込めるのではなく、軽いマッサージをするくらいの優しい力で、そっと撫でるように押してあげて下さい。優しく押すと、分泌物がジュワ~と出てくるので、ティッシュなどで拭き取リ安いです。
肛門嚢の中の分泌物を一度で全部出す必要性は全然ありません。ある程度残っていても大丈夫です。月に1度くらいの間隔で絞ってあげて下さい。
わんちゃんがリラックス時が絞りやすいですよ。
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。