
圧力鍋を使った手作りフードの話をしています。圧力鍋では加熱温度が100℃以上になるため短時間で調理ができ、加えて熱に強い食中毒菌の殺菌も可能です。今回は業務用の圧力鍋ともいえる「レトルト釜」で殺菌処理されたレトルト食品がテーマです。
目次
【ペットのための防災グッズ】
しっかりと加熱殺菌された食品は長期保管が可能であり、普段の食事はもちろん防災用の備蓄食料としても利用できます。では、皆さんは日頃から家族用/ペット用の防災食品を準備していますか?
備蓄している食品
災害時に最も大切なものは食料です。食料品の備蓄に対する意識を調べる目的で全国の20歳以上の男女合計3,500人を対象にしたアンケートが実施されています(農林中央金庫 2024年)。
「災害に備え食料品の備蓄を行っているか?」という問いに対し、「備蓄している(十分に7.3%+不十分ながら55.2%)」と回答した割合は62.5%でした。そして具体的な品目としては第1位が飲料水79.4%、第2位レトルト食品63.4%、第3位缶詰58.4%となっており、どれも保存期間が長く日持ちのするものでした。

日常使いできるグッズ
ペットの防災対策に関するアンケート報告があります(SBIプリズム少額短期保険株式会社 2021年 プレスリリース)。547人の防災対策実施者に対して「災害に備えて準備しているペットの防災グッズは何ですか?」という質問に対して、もっとも多かった回答は「フード・飲み水」が83.9%、次いで移動用の「ケージ・キャリー」65.4%、「トイレ用品」57.8%となりました。
また「ペットの防災グッズにかけてもいいと思う費⽤は︖」という問いでは2,000円台~9,000円台まではそれぞれ17%前後と同じですが、10,000円以上で20.7%とやや高くなっています。
オーナーが考えるペットの防災グッズは災害時のみではなく、普段の生活でも使用できる実用なものといえそうです。

【ローリングストック】
ドライフードや缶詰のウエットフードは保存が効きますが、やはり賞味期限は設定されています。使う場面が来ないのを祈りながらも、もしもの時用に備蓄しておいた食料やペットフードが期限切れとなり、廃棄するのは食品ロス/フードロスにつながります。
期限切れの備蓄食品
前出の全国3,500人へのアンケートの続きで「災害備蓄用の食料品が賞味(消費)期限を過ぎてしまったことがあるか?」という質問があります。これにはよくある(15.5%)、たまにある(49.3%)合わせて全体のおよそ65%があると回答しています。
ではこの期限切れの備蓄食料品は1年間にどれくらい発生しているのでしょうか。これについては5品未満が最も多く69.4%、5品から10品未満21.6%、10品から15品未満4.4%、全体平均では年間に4.8品もが期限切れになっています。これは大変もったいないことです。

ローリングストックとは?
皆さんは「ローリングストック」という言葉をご存じでしょうか。これは
普段から賞味(消費)期限が長めの食料品を買い置きして、期限が近いものから少しずつ消費してまた新しいものを入れ替えるという考えで、近年農林水産省から推奨されています。
これにより期限切れで廃棄することなく、常に一定量の食料品を備蓄することができます。ローリングストックの考えは「買い置き+日常使い」をセットにしたもので、ペットの防災品アンケートで紹介した「防災グッズの普段使い」に通ずるものです。

ストックしている食料品
ローリングストックという考えを知っている人の割合を見てみましょう。「内容を知っている+言葉を聞いたことはある」の合計は42%と残念ながら全体の半分以下の結果でした。
続いて実際にローリングストックをしている食料品について質問したところ、レトルト食品70.2%、缶詰60.6%、飲料水58.7%がトップ3、続いて主食(ご飯・パンなど)51.5%、菓子類45.3%となりました。ここで保存が効き、毎日の料理でも利用できるレトルト食品と缶詰が登場しました。

【レトルトフード】
レトルト食品とは「レトルト釜で殺菌処理された食品」という意味です。このレトルト釜は食品工場にある大型の圧力鍋といったイメージの殺菌装置です。レトルト食品の特徴と保存方法を押さえておきましょう。
耐熱性の食中毒菌
家庭でできる簡単な殺菌・消毒法として煮沸消毒(ボイル殺菌)があります。ふきんや赤ちゃんの哺乳瓶を鍋で煮込んで殺菌するものであり、沸騰したお湯をまな板にかけるのもこれの応用版です。100℃に加熱することで菌を構成するタンパク質を変性・失活させています。
しかし細菌の中には熱が加わると「芽胞(がほう)」というものに姿を変え、100℃の熱でも生き延びるものがいます。これを芽胞形成菌/耐熱性細菌などとよび、食中毒菌ではボツリヌス菌、食料としては納豆菌などが有名です。
レトルト殺菌
納豆菌はさておき食中毒菌を殺菌したい時、100℃のボイル殺菌では効果がありません。そこで考え出されたのが加圧加熱殺菌です。圧力鍋のように蓋を密閉することで中の温度が100℃以上に上がり、芽胞形成菌も加熱殺菌できるという作戦でこれがレトルト殺菌です。
一般的にレトルト殺菌の条件は「120℃(または121℃)、4分間以上の加熱」となっています。温度が100℃を超えるため食品の包装はスチール缶やアルミ袋など破裂しないものが使われています。食品を缶の中に入れしっかり巻締め、またはアルミ袋に充填・密閉した後にレトルト釜で加圧加熱される缶詰やレトルト食品は加熱調理と加熱殺菌が同時に行われているわけです。

保存条件の確認
レトルト食品に見た目が似ているものに真空パック食品があります。具体的にはハム・ウインナー・ベーコンなどの加工食品や一部のサラダチキンなどです。この真空パック食品で食中毒が発生した事例があります。
防災用の備蓄食料とされるレトルト食品や缶詰は、常温で1年間くらい保存が効きます。これは先ほど紹介したレトルト殺菌により、一般細菌はもちろん芽胞を形成する耐熱性細菌も殺菌されているためです。
これに対し真空パック食品の中には必ずしもレトルト殺菌されていないものがあります。この場合、ボツリヌス菌などの芽胞形成食中毒菌が生存している可能性があり、これを「常温保存」すると袋の中で少しずつ増殖し、食べた後に食中毒を引き起こすことが考えられます。
ここでレトルト食品か真空パック食品かを見分けるポイントを紹介しましょう。それは裏面表示にある保存方法欄です。レトルト食品では「常温で保存してください」、真空パック食品では「要冷蔵/10℃以下保存」と記載されています。保管/備蓄時には必ず表示の保存条件を確認するように心掛けましょう。

シリーズで圧力鍋を使った手作りフードについて話をしてきました。今回はそのスピンオフとして加圧加熱殺菌されているレトルト食品の活用情報でした。レトルト食品は保存が効くと同時に内容の食材が軟らかく調理されているため、病中病後の高齢者/高齢ペットの食事にも利用されています。
あると安心なレトルトフードですが、災害対策の備蓄用食料としてだけでなく、ローリングストックの考えから上手に日常使いするのが良いでしょう。
(以上)
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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート
獣医師 北島 崇
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。































