獣医師北島先生のQ&A

【獣医師北島先生のQ&A】シニア犬・猫の筋肉維持には何が必要?

獣医師北島先生のQ&A

藤目さん

スタッフ藤目
シニア犬・猫の筋肉維持には何が必要ですか?


北島先生

北島先生
筋肉量を落とさず維持するためには十分な栄養摂取が必要ですが、加齢に伴いペットの食事量は減少します。このため少しの量でも効率よく筋肉をつくる栄養成分が求められます。
この点で研究報告されているものとして
①タンパク質(特にアミノ酸のロイシン)
②炭水化物(デンプン)
③亜鉛(ミネラル)

の3つが重要とされています。


藤目さん

スタッフ藤目
重要なものが3つもあるんですね!?
まずは①のタンパク質について教えてください!


北島先生

北島先生
シニアペットの筋肉維持にはまず材料となる①タンパク質/肉を摂取する必要があります。タンパク質は体内で消化分解されてアミノ酸になり、再びタンパク質に合成されるわけですが、この時に筋肉のタンパク質合成を促進するのがBCAA(分岐鎖アミノ酸)です。具体的にはバリン・ロイシン・イソロイシンの3つをまとめてBCAAと呼んでおり、中でもロイシンはタンパク質合成のスイッチを入れる役目をするアミノ酸とされています。


藤目さん

スタッフ藤目
よく耳にするBCAAってアミノ酸のことだったんですね!タンパク質がアミノ酸になり再合成されているとは知らなかったのでとても勉強になります!


北島先生

北島先生
アミノ酸はタンパク質(筋肉)の材料ですが、炭水化物のように体のエネルギー源でもあります。タンパク質のみを摂取した場合とタンパク質と糖質を同時に摂取した場合とでは、後者の方が筋肉量が多くなるという研究報告があります。これは糖質/炭水化物があると血糖値が上昇、するとエネルギー源は十分に満たされていると体が判断し、大部分のアミノ酸がタンパク質合成に使用できるためです。一見関係なさそうですが援護射撃的のように②筋肉づくりには炭水化物(デンプン)が必要ということです。


藤目さん

スタッフ藤目
炭水化物で血糖値が上昇することでエネルギーが十分と判断するとアミノ酸がタンパク質合成に力を入れてくれるんですね!3つ目の亜鉛はなにが関係しているんですか?


北島先生

北島先生
食後上昇した血糖値はインスリンというホルモンの分泌により、間もなく元の値まで低下します。この血糖値の低下とは血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれエネルギー源として利用されることを意味します。すなわち体が「エネルギー源が十分満たされている」と判断する指標はインスリンの分泌量です。インスリンは亜鉛を材料として膵臓で作られるため亜鉛不足はインスリンの分泌低下を招き、結果的に筋タンパク質の再合成に影響します。やや遠回りをしましたがこれが③筋肉づくりに亜鉛(ミネラル)が重要ということです。


藤目さん

スタッフ藤目
そういうことなんですね!亜鉛がそんな役割を果たしているのはとても勉強になりました!


執筆獣医師のご紹介

獣医師 北島 崇

本町獣医科サポート

獣医師 北島 崇

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。

本町獣医科サポートホームページ

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