DOG FOOD & HEALTH
犬の低脂肪食を
正しく、やさしく。
脂肪をただ減らすのではなく、
愛犬の体調に合う「量・質・続け方」を考えよう。
「低脂肪のフードなら、どの犬にも体によい」と思っていませんか。低脂肪食は、膵炎や高脂血症などで食事管理が必要な犬に選ばれることがある一方、健康な犬が極端な脂肪制限を長く続けると、必要なエネルギーや必須脂肪酸が不足するおそれがあります。
大切なのは、低脂肪という言葉だけで選ばず、愛犬の病気・体重・年齢・活動量に合わせて食事全体を見ること。メリットとデメリットを整理しながら、良質なたんぱく質と脂質の選び方までわかりやすく解説します。
THE BASICS
なぜ、犬に低脂肪食が選ばれるの?
低脂肪食は、目的を決めて使う「食事管理の選択肢」です。
脂肪は、たんぱく質や炭水化物よりも高いエネルギーを持つ栄養素です。そのため脂肪量を調整すると、食事全体のエネルギー密度を下げやすく、体重管理に役立つことがあります。
また、犬の膵炎の初期管理では低脂肪で消化しやすい食事が選ばれることがあります。ただし、膵炎は原因や併発疾患がさまざまで、脂肪だけを減らせばよいとは限りません。長期的な脂肪制限が必要かどうかも犬ごとに異なります。

図解|脂肪が消化・吸収されるまで
※実際の消化は複数の臓器・酵素が関わる複雑なしくみです。この図は概要を簡略化しています。
BENEFITS
低脂肪食に期待できる4つのメリット
必要な犬に、適切な内容と量で取り入れた場合のメリットです。
膵炎の食事管理を支える
犬の膵炎の初期管理では、消化しやすい低脂肪食が選ばれることがあります。再発を繰り返す犬では長期管理に用いる場合もあります。
高脂血症の管理に役立つ
血中の中性脂肪が高い犬では、原因疾患の治療と合わせて食事中の脂肪量を調整する場合があります。
摂取カロリーを調整しやすい
脂肪は1gあたり約9kcal。(たんぱく質の約2倍)給与量と食事全体を整えることで、減量中のエネルギー管理に役立ちます。
食事内容を一定に保ちやすい
主食・おやつ・トッピングを含めてルールを決めると、体重、便、食欲などの変化を確認しやすくなります。

THINGS TO KNOW
知っておきたいデメリットと注意点
「脂肪=悪いもの」と考え、極端に減らしすぎないことが大切です。
目的のある低脂肪食
- 必要なカロリーと栄養素を確保する
- 体重・便・食欲・血液検査を確認する
- 治療計画に合わせて量や期間を調整する
極端な脂肪制限
- 必要なエネルギーが不足しやすい
- 必須脂肪酸や脂溶性ビタミンへの配慮が必要
- 食いつき低下や体重減少につながる場合がある
脂肪は重要なエネルギー源
食べられる量が少ない犬や活動量が多い犬では、脂肪を減らしすぎると必要なエネルギーを満たしにくくなります。身体の維持は内臓や骨が優先されるので脂質の不足は毛並みや皮膚に現れやすい。
必須脂肪酸は食事から
オメガ6脂肪酸やオメガ3脂肪酸は、皮膚・被毛や体の機能を支えます。量だけでなく食事全体のバランスが重要です。近年の最新の獣医栄養学や脂質研究においては、慢性炎症を抑え細胞の健康を最適化するためにオメガ6が1~4に対してオメガ3が1と言われています。
現状、ほとんどの愛犬がオメガ6の摂り過ぎでオメガ3を意識して摂取が望まれます。
「低脂肪」と「減量食」は同じではない
減量ではカロリーと給与量の管理が欠かせません。低脂肪フードでも食べすぎれば減量につながらないことがあります。愛犬がストレスを溜めないように植物繊維などのかさ増しはいいのですが低脂質を続けると弊害が出ます。
トッピングで設計が崩れることも
療法食に肉・魚・オイル・おやつを足すと、主食の脂肪量や栄養バランスが変わります。追加前に確認しましょう。
ASK YOUR VET
低脂肪食を検討することがある犬
当てはまるからといって、すべて同じ脂肪量になるわけではありません。
CONSULTATION CHECK
動物病院で相談したいケース
- 膵炎と診断された、または再発を繰り返している
- 高脂血症・高トリグリセリド血症を指摘された
- 脂肪の消化吸収に関わる消化器疾患がある
- 胆嚢や肝臓の病気があり、食事指示を受けている
- 肥満があり、獣医師の指導で減量を進めている
- 現在の療法食におやつや食材を追加したい
長期の低脂肪食のデメリットは大きい
一度、膵炎になったり肝臓の数値がわるかったりすると低脂肪食を継続する方が多いですが、愛犬が高齢になると腎臓ケアもかなり大事になります。
一般的には小型犬で8歳 大型犬では6歳ぐらいから腎臓ケアも考えないと低脂肪食で腎臓を悪くしてしまう愛犬が増えています。
そこで大事になるのが脂肪(脂質)とたんぱく質の品質です。
膵炎を経験した愛犬でもオメガ3脂肪酸を中心とした新鮮でできるだけ熱を加えていない脂質とたんぱく質を摂るのが愛犬にとってベストです。
ドライフードでオイルコーティングしているものなど酸化しやすいので注意が必要です。
新鮮でできるだけ熱を加えていない脂質とたんぱく質は腎臓にも優しいことを覚えておいてください。
PROTEIN & FAT
良質なたんぱく質と脂質をどう選ぶ?
主原料の印象だけでなく、消化性・栄養バランス・衛生管理まで確認します。
肉や魚を選ぶだけで、食事が「総合栄養食」になるわけではありません。主食として与える場合は、カルシウム、ビタミン、ミネラルなどを含めた栄養設計が必要です。
たんぱく源
馬肉・鹿肉・鶏むね肉・白身魚など、比較的脂肪の少ない食材があります。ただし部位や商品で脂肪量は変わります。
必要な脂質
脂肪制限が必要でも、必須脂肪酸を含めた栄養バランスは大切です。オイル類の追加は自己判断で行わず、量を確認しましょう。
鮮度と衛生
表示どおりに保存し、開封後は早めに使います。生肉を扱う場合は、手指・器具・保存温度などの衛生管理にも注意が必要です。



LABEL CHECK
「低脂肪」の表示だけで決めない4つの確認
フードの比較では、パッケージ表面よりも成分表示と給与設計が重要です。
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脂質の表示基準をそろえるドライとウェットは水分量が違うため、現物の%だけでは単純比較できません。必要に応じて乾物換算や1,000kcal当たりの脂肪量を確認します。
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カロリーと1日の給与量を見る低脂肪でも給与量が多ければ摂取カロリーは増えます。現在の体重、目標体重、活動量に合う1日量を確認します。
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主食として栄養が完結するか確認する総合栄養食、療法食、一般食、副食、トッピングでは役割が異なります。肉や魚だけを長期の主食にしないよう注意します。
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おやつ・サプリ・オイルも合計する主食が低脂肪でも、脂の多いおやつやオイルの追加で1日全体の脂肪量が増えます。口にするものをまとめて記録すると整理しやすくなります。
SUMMARY
愛犬に必要なのは、
「いちばん低い脂肪量」ではなく
「いちばん合う食事」。
低脂肪食は、必要な犬にとって大切な食事管理です。一方で、健康な犬まで一律に脂肪を減らす必要はありません。主食・おやつ・トッピングを含めた1日全体で考えましょう。
また、摂取カロリーは手作り食や生食では消化吸収性に優れているのでドライフードほどカロリーを摂取しないため、さらに胃腸、内臓に優しい食事となります。
PRODUCT GUIDE
食事を見直すときの選択肢
食材や商品を選ぶ前に、愛犬に脂肪制限が必要か、主食として使うかトッピングにするかを確認しましょう。治療中は、商品を購入する前に主治医へ相談してください。
※ 商品は病気の診断・治療を目的とするものではありません。療法食を利用中の犬、膵炎・高脂血症・胆嚢疾患・肝疾患などがある犬は、商品やトッピングを追加する前にかかりつけの獣医師へご相談ください。



























