
8月に入りました。昼も夜も気温が高いままで、体温調節が苦手なペットには厳しい毎日です。散歩を除く一日の大部分を室内で過ごすペットにとって、部屋の温度・湿度は夏場の健康に大きな影響を与えます。最近の夏の室温管理の現状を一緒に確認しましょう。
目次
【夏のペットの健康管理】
あるハウスメーカーが「犬・猫との暮らしに関するアンケート」を行っています。対象者は全国の20~70代以上の男女合計460人です(一条工務店HP 2025年)。
夏場の注意点
この中で「犬や猫の健康について、どのようなことに気を付けていますか?」という質問があり、回答のトップは「室温:67.4%」でした。そして「衛生管理」「食事」と続き、第8位に「換気:32.0%」となっています。
少々意外な感がありますが、このアンケートが実施されたのが2025年の9月であったことを考慮すると納得できます。オーナーの皆さんは夏場、ペットが熱中症にならないように室温管理に気を使う反面、室内のにおい対策として換気の必要性も理解していることが判ります。

室温管理vs換気
アンケートにはもう1つ「今後家を建てるなら、犬や猫と暮らすために最も重視したいことは何ですか?」という質問があります。これには愛犬オーナーと愛猫オーナーで少々順位の違いはありますが共通する回答として、「温湿度の管理がしやすい」愛犬:第1位、愛猫:第4位、そして「換気ができてにおいがこもらない」愛犬愛猫オーナーともに第2位でした。
この回答結果からみると夏場のペットオーナーは、室温管理(熱中症対策)と換気(におい対策)という2つの相反する課題に悩まされているようです。

【夏の窓開け換気】
皆さんは夏と冬とで換気回数に違いがありますか?ここで季節と窓開け換気との関係についての調査結果を見てみましょう(一条工務店HP 2023年)。
換気回数
全国の男女合計985人を対象にしたアンケートで、「自宅で1日に何回窓開け換気を行いますか?」という質問です。季節により数値に少々の違いが見られますが、最も多い回答が1日に2~3回という頻度で夏:58.0%、冬:61.6%と半分以上を占めていました。
また1日1回も窓開け換気をしないという回答もあり、冬で23.5%、夏でも19.5%もの値でした。

換気時間
続いて1日に1回以上の窓開け換気を行っていると回答したモニター(夏:793人、冬:754人)に、1回あたりの換気時間を質問しました。すると夏は10分以上が最も多く47.9%、対して冬は5分未満が46.3%と最も多い回答でした。予想通り換気時間は夏よりも冬の方が短い傾向となりました。

換気をしない理由
前出のアンケート結果で1日1回も窓を開けて換気をしないという人が、夏も冬も全体の20%ほどいました。冬は窓を開けると寒いからということで何となく判る気がするのですが、夏でもまったく換気をしないのはなぜでしょうか。
夏に窓開け換気を行わない理由の1位は「熱い空気が入るため:82.3%」でした。2位「虫が入るため:64.6%」、3位「室温が上昇し冷房費が上がるため:51.6%」と続き、そして4位には「湿気が入るため:37.5%」となっています。
5~10分間程の窓開けで入ってくる外気・湿気をそれほど気にしなくてもいいのでは…と思います。しかしこの調査は3年前の2023年に実施されたものです。今年から正式に最高気温が40℃を超える日を酷暑日と命名されましたが、これより早い2022年からすでにニュースなどで「酷暑日」という言葉は使用されていました。今や真夏の窓開け換気は真冬と同じ感覚で避けられている時代ということです。

【冷房器具の活用】
熱中症が発生する場所は室内が最も多いとされています。これを受けてテレビ等では「我慢せず適切にエアコンを使用しましょう」と呼びかけています。夏場、留守番をするペットの熱中症予防としてエアコンはつけたままというオーナーは少なくありません。
使用開始は?
気が付けば春と秋が短くなり、冬からすぐに夏そしてすぐに冬という季節サイクルになってしまいました。なんだか一年中エアコンが動いているような気がしますが、皆さんは毎年何月くらいから冷房を入れていますか?全国の10~70代以上の男女合計2,873人を対象にした夏の住まいの暑さ・湿気に関するアンケート結果です(一条工務店HP 2026年)。
「昨年、何月から冷房器具を使い始めましたか?」と質問したところ、5月~7月の割合が高く、6月から使用開始:37.0%というのが最も多い回答でした。加えて、「冷房器具は合計何か月間使用しましたか?」と尋ねたところ、3か月間~5か月間というのが中心で最多は4か月間使用:33.1%でした。
いわれてみれば5月のゴールデンウイークには暑さを感じ始め、扇風機やエアコンのスイッチを入れているような記憶があります。また、熱中症患者も5月~6月頃から増えだすという話を耳にします。私たちは本格的な夏前から4か月間ほど冷房器具のお世話になっています。

湿気で気になる点は?
扇風機、冷風機、冷感寝具など冷房器具にもいろいろありますが、室温と共に湿度も下げるという意味からエアコンは大変重宝です。特に6月の梅雨時には洗濯物の部屋干しという点で使用されているでしょう。最後に湿度に関するアンケート結果を見ましょう。
「自宅内で湿気が多いと気になること/困ることは?」という質問に対し最も多かった回答は「カビ・ダニの発生:68.2%」、次いで「部屋のにおい:44.9%」、「部屋干しが乾かない:41.1%」という順位でした。
ここでもう皆さんはお気付きと思いますが、カビ・ダニやにおいというのはペット飼育においての大きな困り事でもあります。すなわち夏はペットの熱中症予防に加え、湿気アップによるカビ・ダニ・においの軽減策として、エアコンはペットとの暮らしに欠かせないものになっているということです。

日本ペットフード協会の調べ(2025年)によると、ペットの室内飼育(室内のみ+散歩・外出以外室内)の割合はイヌ:91%、ネコ:93%です。夏場の室内生活ではエアコンはもちろん、冷風機や冷感マットなどを上手に活用するのもアイデアです。
一般のエアコンに換気機能はありませんので、ペットのにおい対策には換気が必要です。換気中の室温上昇は気になりますが、ペットに新鮮な空気を与える意味でもエアコン使用と換気は両立させましょう(ただし、窓開け/玄関開けによる脱走にはご注意下さい)。
(以上)
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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート
獣医師 北島 崇
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。






























