獣医師が解説

【獣医師が解説】ペットフード選びのポイント

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。
高齢ペットとの生活相談の仕事をしていますと、フード選びにあれこれ迷われているオーナーは少なくないことがわかります。今回はペットフード選びのポイントについて考えます。

フード選びの基準

老犬を飼われているオーナーは消化の良いフードや腎臓に優しいフードなどをよく探されています。では、一般的にフードは何を基準として選ばれているのでしょう?

フードの選択基準

全国のイヌおよびネコのオーナー1,236名を対象としたペットフード選びに関するアンケート調査があります(シタシオンジャパン2016年)。
結果では全体の97.3%の方が「フードはペットの健康に影響する」と考えおり、71.1%のオーナーがフード選びで重視する点として「フードの安全・安心」をあげています(複数回答)。

安全・安心の判断材料

ペットフードに対する安全や安心は何をもって判断するのでしょうか。同じ調査において、判断材料の上位3つは次のような結果になっています(複数回答)。

①原材料(63.3%)
…肉類、穀類などどのような材料を使用しているか

②成分規格(61.7%)
…農薬、添加物、重金属などの含有基準値をオーバーしていないか

③原産国(59.2%)
…国産品か輸入品か

さて、みなさんのフード選びのポイントは何でしょうか?

安全・安心の裏付け

いくら国内で販売されているペットフードは安全ですから安心して下さい、と言われてもモヤモヤしたものは残ります。私たちがフードの安全性を確認し、安心感を得るためにはその裏付けが必要です。

現在、国内で流通しているペットフードの安全性を確保するしくみとして次のようなものがあります。みなさんはこれらの内容をご存知ですか?

(1)法律…ペットフード安全法
(2)検査機関…フード成分を検査分析する機関
(3)外国の安全体制…海外製造フードの安全対策

ペットフード安全法

「ペットフード安全法」という法律があります。
愛がん動物用飼料の安全確保を目的としたもので2009年から施行されています。
ちなみにペットオーナーの57.8%はこの法律を知らないとのことです(シタシオンジャパン2016年)。
この法律のポイントは次の5つです。

対象フード

・この法律の対象となるのはイヌおよびネコのフードです
・総合栄養食(=主食)、おやつ、生肉などです
・サプリメントやペット用の水(ミネラルウォーター)も含まれます

基準・規格の設定

・フードの製造基準や成分規格のことです
・残留農薬や重金属など汚染物質の含有基準値が規定されています
・規格外のフードは製造、輸入、販売が禁止されます
・有害物質を含むフードも同様の処置となります

表示基準

・ペットフードには5つの表示義務があります
・安全安心の判断材料となる「原材料」と「原産国」はここで確認できます

①名称…商品名のことです
②賞味期限
③原材料名…原則として使用した原材料、添加物をすべて表示します
④原産国名…(包装作業を除く)最終加工を完了した国名になります
⑤事業者名、住所

トレーサビリティの確保

・トレーサビリティとはフードの原材料入手~製造~販売流通の履歴確認が行えるようにすることをいいます

・製造業者と輸入業者は国への届出義務があります
・製造業者、輸入業者、販売業者には帳簿の記載と保管義務があります
・届出と帳簿により違法フードの回収措置がすみやかに対応できます

立入検査の実施

・国とFAMIC(ファミック)は無通告で事業者への立入検査を実施します
・サンプルフードを化学分析してその結果を毎月公開します

検査機関:FAMIC

先程の立入検査のところで出てきた「FAMIC」について説明しましょう。正式名称を独立行政法人 農林水産消費安全技術センターといいます。

FAMIC(ファミック)

FAMICは法令に基づいて食品や肥料、飼料の検査分析などを行っている機関です。ペットフードに関しては農林水産省の指示のもと活動しています。FAMICの大きな仕事は立入検査と化学分析の2つです。

化学分析の内容

FAMICは立入検査により入手したサンプルフードが法律で規定された基準・規格に適合しているかを分析します。主な検査項目は次のとおりです。

●農薬…マラチオン(有機リン系殺虫剤)、メタミドホスなど
●添加物…エトキシキン(酸化防止剤)など
●重金属…ヒ素、鉛、カドミウム
●カビ毒…アフラトキシン(穀物に繁殖するカビが産生するもの)など
●その他…サルモネラ菌、DDT、メラミンなど

これらの検査項目に適合しない場合、国は違反フードの販売中止や回収、廃棄などの命令を出して被害の拡大を最小限にとどめます。

外国の安全体制

国産フードの場合、安全・安心の判断材料となる「成分規格」は、製造元の自家検査とFAMICのダブルチェックを受けていることになります。
では輸入フードについてはどうでしょうか。

国産フードと輸入フード

2016年度に国内で出荷されたペットフードはおよそ60万トンでした。原産国の内訳としては国産フードが55.2%に対して、輸入フードは44.8%となっています(一般社団法人ペットフード協会2017年)。

国内に流通しているペットフードのおよそ半分を占める輸入フードの原産国での安全体制について、米国とEU(ヨーロッパ)のしくみを見てみましょう。

米国:AAFCO

米国のペットフードは国(FDA:米国食品医薬品局)と州(AAFCO)の2つの組織によって規制されています。

AAFCO(アフコ)とは米国飼料検査官協会のことで、州政府と連邦政府の飼料検査機関や研究機関のメンバーによって構成されています。
ペットフードの栄養基準を設定していることでご存知の方も多いと思います。(輸入フードの袋を見ると「AAFCO栄養基準・・・」とよく書いてあります。)

米国ではこのAAFCOが原材料やラベル表示、関連法令の策定などを通して、ペットフードの安全対策の主体となって活動しています。

EU:FEDIAF

FEDIAFとは欧州ペットフード工業会連合という業界団体のことです。
米国のAAFCOと同様に栄養基準の設定や原材料、表示などフードの安全性についてのガイドラインを作成しています。

また注目すべき点として、FEDIAFは加盟メンバーに対してペットフード製造施設へのHACCPシステムの導入を指導しています。

このように欧米産の輸入フードは原産国において十分な安全体制のもと製造されています。また欧米産以外のものでも輸入元の自家検査があります。
従って国内で流通するフードは、ペットフード安全法やFAMICによる検査を含めたダブルチェックをクリアしていることになります。

理想的な製造システム

私たちが食べている食品はもちろん、ペットフードも工場で大量製造されています。最後に食品やフードの製造現場での安全確保のシステムについて見てみましょう。

ファイナルチェック方式

完成した最終製品(食品、フード)に対して金属片などの異物混入チェックや残留農薬の測定、微生物汚染などの検査を行うシステムをファイナルチェック方式といいます。日本において一般的な品質検査の考え方です。

プロセスチェック方式

これに対して原料入手から製造・加工すべての工程(=プロセス)において作業チェックを行いその記録を保管し、最終製品の検査を行うシステムをプロセスチェック方式と呼びます。主に欧米諸国において実施されています。

HACCP(ハサップ)

このプロセスチェック方式をもとに考え出された食品の安全性を確保するシステムがHACCPです。HACCPの正式名称「Hazard Analysis and Critical Control Point」は日本語では「危害分析重要管理点」と訳されます。長いのでハサップとかハセップと略されて呼ばれています。

HACCPの根本的な考え方は「最終製品の検査だけに頼らず、すべての工程を通して食品の安全性を確保する」ということで、厚生労働省と農林水産省が導入を推進しています。近頃じわじわと「HACCP承認マーク」をつけた食品が販売され始めています。

現在のところ最も安全性の高い食品製造システムがこのHACCPですが、国内の大手ペットフードメーカーでは承認を取得しているところはありません。
先程、EUではFEDIAFが加盟メンバーに対してHACCPシステムの導入を指導していることをお知らせしました。
今後、国産品/輸入品を問わずHACCPシステムのもとで製造された安全性の高いフードが普及してくることを期待します。

ペットフードの「安全性」は法律や製造システムで確保され、「安心感」は正しい情報と知識によって得られます。
フードについていろいろと勉強をすることはオーナーの大切な仕事の1つと考えます。
私たち獣医師は最新の情報を収集提供することによって、ペットオーナーのみなさんをサポートしてゆきます。

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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート

獣医師 北島 崇

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。

本町獣医科サポートホームページ

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