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世界各国の人気の犬種・猫種 ――― 猫編


かまわれたいのか放っておいてほしいのか、気まぐれなあの態度。
気位の高さを備えもっているのかと思えば、愛嬌たっぷりにスリスリ甘えたさん。
高い塀をヒョイと下りたり上ったりする俊敏さやバランス感覚に目を見張るものの、「邪魔をされたくないのよぉ~」とばかりに、動くのも億劫そうにダラ~としている……まさに猫七変化。
しかも、天然石のようなあの透き通る瞳を見れば虜になってしまいそう。
あぁ~、猫は知れば知るほど不思議な魅力を秘めている生きものかもしれません。

今や日本では犬の飼育頭数を抜いて輝かしい座を獲得した猫。
さて前回に引き続き今回は「世界の人気の犬種・犬種」の「猫編」です。
魅力たっぷりの猫人気に迫ってみることにしましょう!

猫が今、人気な理由

2016年、遂に日本において猫の飼育頭数が犬を追い抜きました!
猫の散歩を常々目撃しないので、そんなに猫は飼われているのかしら……確かに、屋外で野良猫以外、飼い猫がウロウロしているのを見かけることはまずありません。
そんな猫が好まれる理由はいったいどこにあるのでしょう。

◎散歩に連れて行かなくてもよい
◎手入れの手間が楽
◎発情期を除いては、鳴き声はさほどうるさくない
◎勝手に遊んでくれる
◎コスト面での負担が少ない
◎室内で飼うことができる

などと、「飼い主さんの負担が少ないこと」にその答えがあるようです。
猫の飼育にかかる年間の費用は犬の約半分くらいといわれていますから、経済面でも飼育しやすい対象なのです。

では、日本をはじめ各国の人気猫とはどのような傾向でしょう。

各国の人気の猫種

猫といえば、やはり古代エジプト時代が頭に浮かんできます。
最古の紙媒体といわれるエジプトのパピルスには、猫が神格化され崇拝されていた様子が描かれています。
また、猫のミイラも発見されていることから、古代エジプトにとって猫は大きな役割を担っていたことが伺えます。
その後、千数百年の時の移り変わりと人の移動とともに、アフリカやヨーロッパ大陸へと猫の分布は広がっていきました。
現在、人口と猫の頭数の割合からすると飼育率が高い国はロシアです。
そして、飼育者数の多さで言えば、人口の最も多い中国。
また、多頭飼育しているトップの国といえば、アメリカです。
では、人気の高い猫種を見てみましょう。

猫種による特徴

次に【表1】に見られる猫たちの特徴を猫種の中から抜粋してみていきましょう。

【表1】で各国の人気の猫を取り上げましたが、原産国に注目するとアメリカが多いです。
エジプトからヨーロッパ、オセアニア、アジア、アメリカへと世界中に広がった猫は、自然交配や人工的な交配を繰り返しながら、今では非公認猫種も入れると300種余りいるといわれています。
しかし、交配を繰り返すことで、遺伝的に弱い因子をもってしまうことも避けられないことです。

発症しやすい猫の病気

♪あ~がり目 さ~がり目 くるんと回してニャンコの目♪
とジェスチャーを交えて歌われるように、猫の目は本当に美しくて愛らしいものです。
ツンとおすましをしている猫のイメージはあるものの、人懐こくて甘えたな猫が多いようです。
猫が遊んでほしそうに甘えているときは、飼い主さんもいっしょになっていっぱい遊んであげましょう。
甘えたさんが多いのも猫の特徴のひとつです。
寂しい思いからストレスを感じて病気になってしまう猫もいますから、十分なほど遊んであげてください。

猫に多い病気としては、慢性の腎臓病です。
体の大きさに対して腎臓が小さいからです。
そのため、泌尿器である膀胱炎や尿路結石症にかかりやすいのです。

また、中耳炎や外耳炎、角膜炎や結膜炎、歯肉炎などのウィルス感染を起こすことも多いです。
三半規管の乱れは並行感覚のバランスを失いますし、目においては失明の可能性も出てきます。
ことばで伝えるというすべがありませんから、様子がいつもと違うときはSOSのサインかも!
飼い主さんの日々の観察が何よりも大切です。
早めの気づきと処置が大病を防ぐことに繋がります。

ネコとネズミの因縁対決!

さて、お正月を迎えるたびに思うのですが、『十二支』の干支の中に、なぜこんなにも愛らしい猫はいないのでしょう。
それについて、諸説あるひとつをここでご紹介しましょう。

どうですか?
ネコが十二支に選ばれなかった理由がわかりましたね。
そして、猫がネズミを追いかけるという習性も納得。
そうか!ネズミのせいだったのかぁ~
とはいえ、これは物語の中のお話です。

しかし、ネコがネズミを捕らえるという習性は物語の中のお話だけではありません。
古代エジプト時代にイエネコの先祖といわれるリビアヤマネコがネズミなどの害虫駆除として人間の生活に役立っていたという事実があります。
犬と同様、やはり猫も人間との共生の中でその関りを深めていった動物なのです。

猫が世界各国へ広がった大きな理由も、ネズミやヘビなどの害虫を駆除する役目を担っていたからです。
ネズミが繁殖するとペストが流行し、人間や動物の命を脅かし大勢の命が失われました。
そのためネズミを捕食する猫が重宝され、ペスト菌はやがて沈静化したということも猫の頭数を増やす要因となったのです。

ですから、世のため人のためにひと役買った猫の活躍が世界に大きな影響を及ぼしているのです。

ネコの本能をくすぐる遊び

猫は肉食です。
ネズミの他にモグラ・カエル・ヘビ・トリ・昆虫・リスなどを捕食します。
猫本来の狩猟本能として、小さいものや動くものを捕らえることは猫にとっては自然な行動なのです。
チョロチョロと動くネズミやリス、土の中に潜みゴソゴソと動くモグラ、ピョンピョン跳ねるカエル、ニョロニョロと動くヘビ、パタパタと飛ぶ小鳥、小さくて素早い昆虫などを見つけると、身を低くかがめて、獲物をじっと狙い飛びついていくのは、その狩猟本能を発揮しているということなのです。

ですから猫といっしょに遊ぶときには、上記に書いてあるような「チョロチョロ」や「ゴソゴソ」などのオノマトペ(擬音語と擬態語を称して指すことば)を参考にした部屋の工夫やおもちゃでの遊びを考えてみるのもいいでしょう。

狩りの習性を活かし、動きや音を取り入れたさまざまなおもちゃも販売されています。

 ◎猫じゃらし
 ◎小さめボール
 ◎電動式おもちゃ
 ◎掘り起こし
 ◎高低差のあるトンネル
  など

構われるのはあまり好きではないと思われがちなイメージの猫。
いえいえ、それどころか猫は飼い主さんとのコミュニケーションをとても楽しみにしているのです。
猫との遊びをとおして人も猫もお互いに癒し癒される関係。
そして、さらに深く結びつく絆。
たくさん遊んで猫の気持ちに少しでも寄り添ってあげましょう。

世界の猫の食事事情

アニメ『サザエさん』のテーマソングに ♪お魚くわえたドラ猫追っかけて~♬という一節がありますが、猫に魚というのは、切っても切れない食べものですし、また、前述でも猫はネズミなどを捕食していたという習性から、肉食だということもわかりますね。
今でこそ、家で飼育してる猫はネズミを捕食することなく食事を与えられていますが、それには栄養の基準というものがあります。

アメリカを例にとると、ペットフード業界は安全性や製造施設に関して連邦政府や州政府での法規制が確立されています。
ペットフードの表示法や登録の規制、飼料の検査や法律の一貫性を持たせるためにペットフードの基準はAAFCO「米国飼料検査官協会(The Association of American Feed Control Officials)」という団体が定めています。
日本ペット公正取引協議会でも、通称「AAFCO(アフコ)」が定めたペットフード栄養基準やラベル表示に関する基準を採用しています。
その基準を満たした総合栄養食のキャットフードを食事として与えているのが、アメリカをはじめ各国の食事の傾向ですが、しかし、その反面、人間の食べている食べ物を同じように与えている飼い主さんが世界の国々にいることも事実です。

犬や猫のエネルギー源は脂肪・タンパク質・糖質の順で必要です。
犬や猫にとって、炭水化物中心の食事はエネルギー源としては質が悪いといえますし、うまく栄養として利用しきれなかった糖質は脂肪として蓄積されてしまい、結果として肥満や病気を招く危険性へと繋がっていきます。
猫は肉食動物ですから動物性脂肪やタンパク質は必要な栄養源なのです。
また、酵素はタンパク質(アミノ酸)で構成されているため、良質のタンパク質をしっかり摂取することはたくさんの種類の酵素を補給することができ消化を助けてくれます。
消化の良い食べ物は、免疫力の高い体づくりにも役立つので、健康な体作りに大いに働きかけます。

食べたものをエネルギーに換えたり各組織に利用したりするには消化力が無いとできません。
そこで、消化の良い食事には、酵素や乳酸菌や善玉菌などを豊富に含んでいる食事が必要になってくるわけです。

ところが、人間が食べる味付けされた食事や加工されたものを猫が食べるとどうなるでしょう。
体に負担をかけることまちがいなしです。
それでは、せっかく長らえることのできる命を短くしてしまうことにもなりかねません。
また、キャットフードの総合栄養食ドライタイプはたいてい高温で熱加工されたものです。
ドライフードは加熱の段階でミネラルが無機質となり、そのまま摂取しても吸収率が悪くなってしまいます。
体内のミネラルバランスが崩れると様々な健康トラブルの要因となってしまいます。

その場合、栄養素が失われないように低温加工されたキャットフードを選んであげたり、また、猫の本能である生肉や生食の食事を与えてあげたりすることをおすすめします。

ペットへの思いは世界共通

犬や猫の入手方法は前回の「世界の人気の犬種・猫種」「犬編」でも書いていますが、日本の場合はペットショップがダントツですが、欧米などではやはり動物保護施設から入手することがほとんどです。

日本ではまだまだ動物愛護センターなどで犬や猫の引き取り飼育を再開するという例は少ないのです。
可愛いからとペットショップなどで購入し、飼ってみたら手間がかかる、お金がかかる、いうことをきかないなどの理由で、捨てられ動物愛護センターにやってくる犬や猫は後を絶ちません。

猫や犬があなたの心を癒してくれる存在ならば、それに応えてあげるのは人間の役目です。
お金を出して買ったからどうしようと勝手なのではなくて、命を預かるということはその命に責任をもつということです。
安易に見捨てることは、人としてあるべき姿ではないはず。
動物の飼育、保護に関して日本は欧米に比べるととても遅れているといわれているものの、ようやくパートナー、家族としての社会認識が高まって来つつあるということは大変喜ばしい一歩です。

こうして世界の人気の犬種・猫種をとおして思うことは、この地球上でともに生きている人も犬も猫たちも、ずっと昔からそれぞれの役目をもって共生し合う大切な仲間だということです。
だからこそ、どの存在も大切で大事な命なのです。

愛犬や愛猫がいつまでも飼い主さんとともに穏やかに元気に暮らせるような社会になるためにも、目の前にいる命との時間を大切に過ごせる環境づくりが必要です。

そんな大切なあなたの愛犬、愛猫のために役立つ情報を私たちは提案します。

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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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