愛犬や愛猫が迷子になってしまったら、どうすればいいの?
「もし、愛犬が散歩途中にいなくなってしまったらどうします?」
「うちはマイクロチップを挿入していて、身元がわかるようになっているのよ。GPSで捜せるようにもなっているし安心よ」
さらに、
「では、マイクロチップやGPS機能の首輪を付けていなくて迷子になったらどうします?」
「う~ん、どうすればいいかなあ?まずは探す。それでもダメなら写真入りのポスターを作ってお店などに貼らせてもらうかな」
なるほどね、ではさらに
「愛犬が迷子になったとき、どこに連絡します?」
「連絡って?えぇ~、どこに連絡したらいいのかしら?」
上記は犬を飼っているある飼い主さんに「愛犬が居なくなった場合」という想定の元、突撃インタビューしてみました。
うちに限って迷子犬になるなんてあり得ない・・・・・・と思っていても、いつどのようなことが起こるかわかりませんね。
現に、災害時には多くの迷子犬や迷子猫を作ってしまうケースが起こります。
しかしこれは非常事態の場合で、ほとんどは日常のちょっとしたことがきっかけで迷子が発生しています。
あなたの愛犬や愛猫が居なくなるケース
知り合いの犬や猫が居なくなり助けを求められるケース
そして、迷い犬や猫に遭遇するケース
そんなとき、あなたならどうしますか?
今回は、迷子犬や迷子猫にならないためにはどうすればいいのか、いっしょに考えていきましょう!
目次
愛犬・愛猫が居なくなる原因
自転車の前カゴに小型犬を入れて軽快に走っている光景を目にしたことはありませんか。
何かの拍子に犬が飛び出したりしないのかしら……と、見ているこちらがハラハラしてしまいます。
犬は大きな音に敏感に反応して、急に飛び出してしまうことがあるからです。
そして、リードを付けたままだと落下時に首を吊ってしまうかもしれませんし、小型犬ならば骨を折ってしまうことも考えられます。
万が一、上手に地面に落下したとしても、パニックになってそのまま逃げてしまうことも想定されます。
このように、日常生活の中に潜む逃走のきっかけ―――それは意外にもちょっとした不注意やアクシデントから起こることが多いのです。
そしてその結果、愛犬や愛猫が見知らぬ場所をさまよう迷子になってしまったら、さあたいへん!
では、その原因を飼い主さんたちの声から拾い上げてみましょう。
【犬の場合】
・扉や窓を開けたときに飛び出した
・花火・雷・クラクションなどの聞き慣れない音や大きな音に驚いた
・外出時にノーリードにしていた
・動物病院やトリミングなど苦手な場所を嫌がり逃走した
・首輪やハーネスがフィットしていなかった
・戸外で飼っていたが、柵や係留具などが破損していた
・スーパーやコンビニなどの店先に繋いでいた
・盗難被害
・去勢していないオス犬が発情したメスの臭いに惹かれて追いかけた
【猫の場合】
・網戸を開けた/網戸を破った
・扉や窓を開けたときに飛び出した
・突然の大きな音や騒々しさに驚いた
・放し飼いにしていた
・車の乗降の際に抱いていたがすり抜けた
・去勢手術をしていなくて発情期にパートナーを求め、家のちょっとした隙間から逃走した
・ハトやスズメなどを夢中で追いかけた
なるほど、犬や猫が逃走してしまうさまざまな状況があるわけですね。
では、さらにその中身を詳しくみていきましょう。
・しまった! 閉まってしないドアや窓
犬や猫の多くに共通するのは、ドアや窓から逃げ出してしまったというものです。
とくに人の出入りのある玄関ドアは、ちょっとした油断が外へ出るきっかけを作ってしまいます。
来客、宅配などの応対時の逃走が意外に多いのです。
・突然の轟音にビックリ!
夏場の花火はそれだけでも涼を呼びますが、実は犬も猫も大きな音に驚いたり怯えたりします。
夏には多い雷の音、走り抜けていくダンプカーの音など、私たちでさえ身を震わせるような音が生活上にはたくさんあります。
犬や猫は人以上にそんな音を怖がり、戸外などではパニックになって走り出してしまうのです。
・戸外の自由こそ大敵!
アウトドアなどでついつい気持ちが開放的になった飼い主さんは、愛犬も自由に遊ばせてあげたくなりがち。
リードの着用をしなかったために目を離したすきにどこかへ行ってしまいます。
また、自然の多い場所では害虫も多いので、見慣れないものに反応してパニックになって逃げ出すことも。
不慣れな場所での行動は、予想外のことが起こる可能性がありますからリードは必着です。
・外飼いの盲点
戸外で飼っている場合に多いのが、柵の扉の閉め忘れや繋いでいたリードや係留していた支柱の摩耗や破損などです。
成長とともに運動も活発になり柵を乗り越えたり、柵と柵の間から通り抜けることを覚えたりします。
また、せっかく首輪やハーネスを付けていても、それが適応サイズでなかったり、摩耗していてちょっとした力で外れたりちぎれたりしてしまうことがありますから、定期的に点検しておきましょう。
・油断大敵、その大丈夫は本当に大丈夫?
スーパーの出入り口付近で、自転車のハンドルにリードを繋いでいたり、また店先のポールにリードをひっかけたりしている光景を目にします。
飼い主さんにしたら、ほんのちょっとの時間だから大丈夫とばかりに店内に入るのですが、引っ張る力が加わって自転車が転倒する危険性もありますし、リードが外れてそのまま走り去ってしまったり、また、心無い人に持っていかれたりということがあります。
係留する場合は、安全な場所を選んでリードに鍵をかけましょう。
・猫の手は器用そのもの
猫の逃走でとても多いのが、「網戸を開けて外へ出た」「網戸を破って外へ出た」「網戸や窓のちょっとした隙間から外へ出た」というのがあります。
猫は網戸のような軽金属使用のもので滑りのよいものなら、自ら手で開けることができるということですね。
そして、鋭い爪で網戸を破ることも簡単なのです。
・高低差ももろともしない忍者猫
猫はほんのちょっとした隙間でさえ通り抜けることができたり、高い場所もいとも簡単に上ったり降りたりすることができる忍者並みの身軽でアクロバティックな行動が得意です。
外気の入れ替えのために窓を開けた隙に、飛び出してしまったというのもよく聞きます。
高低差のある場所が好きだからこそ、ベランダからも窓からも逃走してしまいます。
猫は思いもよらない行動を取ることを心得ておきましょう。
愛犬、愛猫が迷子になった場合のホウレンソウ(報告・連絡・相談)
愛犬や愛猫が迷子になってしまうきっかけがわかりましたね。
では、実際にそうなった場合、飼い主であるあなたはどう行動すべきかを次に考えましょう。
落ち着いて行動する
*愛犬・愛猫の姿が視界にある場合
・「ココに居るよ~」と飼い主さんの存在を知らすため、慌てずにゆっくりといつものように名前を呼ぶ。
・飼い主さんの方へ呼び寄せるために、おやつやおもちゃなどで気を引く。
(その際、愛犬や愛猫と飼い主さんの距離間に車の往来などがないか安全を確かめる)
・ある程度捜すメドとなるように逃げた方角をしっかりと確認しておく
*愛犬・愛猫の姿が視界に無い場合
・逃げた場所の付近を捜す
・走り去った場所付近に人が居た場合は聞き込みをする
(種類・大きさなどの特徴を伝えて犬を見かけなかったか尋ねてみる)
・逃げた場所が行き慣れた場所ならば、自宅に戻る可能性もある
・猫の場合は、高い木に登って降りられなくなっている場合や、塀などの隙間や縁の下に潜り込んで出られなくなっている場合があるので、名前を呼びながら視界を上や下にも向ける
届け出をする
《逃走後、自宅に戻っていない場合》
・最寄りの交番や警察署に連絡する
迷子犬・猫は「遺失物(落とし物)」として届けられている可能性がある
・居住区の保健所、動物保護センター・動物病院に連絡する
迷い犬や猫を見かけたり保護したりした人が、各機関に連絡を入れている可能性がある
・清掃局、清掃事務所にも連絡する
室内で飼育している犬や猫は外に慣れていないため、事故に遭う可能性がある
交通事故により死亡した場合、動物の死体は清掃業務として対応されるので問い合わせてみる
これらの機関はあくまでも個々の対応です。
縦横の繋がりはないので、情報の共有や捜索の連携などがされていることはまず無いでしょう。
ですから、手間を惜しまず足を運んだり電話を入れたりして自分で確かめましょう。
呼びかける
・SNS
Facebook、ツイッター、LINE、インスタグラムなどを利用して情報をシェアしてもらい、多くの人たちに情報を呼びかける
迷子犬、迷子猫の掲示板があるので、それに登録する
・ポスターなどの貼り紙を活用
スーパー・コンビニなどに写真付きや愛犬の特徴を記したポスターを貼らしてもらう
愛犬が生活圏内で迷子になっている場合は、地域の人たちの協力を得られる
・新聞、フリーペーパーなどに掲載
不明になった時点と記事が掲載されるまでに時差が生じるので、その間に発見保護されている場合がある
・他の飼い主さんに頼む
犬の散歩で顔見知りになった人や散歩時間の多い朝夕に犬連れの飼い主さんに声を掛けてみる
犬の写真や特徴などを記したコピーなどを手渡しする
・ペットショップに連絡
ペットショップにはたくさんのお客様とのネットワーク、繋がりがあり情報が集まりやすい傾向にある
見つけた人が保護してくれている場合があるので、行きつけのお店に限らず区域内にあるペットショップなどにも声掛けしたり貼り紙をさせてもらったりするとよい
迷子犬、迷子猫にならないための方法
迷子札の着用
環境省の「収容動物検索情報サイト」というページの「迷子にさせないために」の中に
≪動物の愛護及び管理に関する法律で、家庭動物には飼い主の氏名、電話番号などの連絡先を記した首輪や迷子札、マイクロチップ、入れ墨、脚環などを装着するよう、飼い主に求めています。迷子になっても、動物は住所も電話番号も言えません。飼い主の所在を明示する必要があります。≫
迷子札には連絡先が記載されているので迅速に飼い主さんの元に戻れる可能性が高いというメリットがある。
デザイン性も多様で、首輪やハーネスに装着できる豊富なラインナップが出回っている。
【備えあれば憂いなし】ぜひ、準備しておきましょう。
マイクロチップ装着
今や犬や猫に限らず、ほとんどの動物にも使用可能で、ついには人間もマイクロチップを挿入している。
犬猫でいえば、直径2mm、長さ8~12mmほどの円筒形の電子機具。
15桁の識別番号を専用のリーダー機で読み取り、身元確認ができ所有者を識別できるようになっている。
ただし、リーダーの読み取り機の有無や装着しているマイクロチップ対応の機種でないと使用できない。
首輪、ハーネスのサイズ、摩耗チェック
毛の長い犬はフワフワとしてボリュームがあるが、実際は首が細いので首輪やハーネスのサイズが大きいことがあるので適応するサイズを買い求める。
サイズがわからないときは、ペットショップなどに相談するとよい。
意外と多いのが着用から数年経過して摩耗していることに気づかないで使用していること。
擦り切れた部分や切れかけている箇所が無いか事前に点検し、必要に応じて新品と交換する。
リード必着
ノーリードでは非常事態の場合は捕まえることができないので、外出時はとくにリードの装着をする。
走行中の車の窓から飛び出すということもあるので、車内ではリード着用やキャリーに入れておく。
トレーニング
日ごろから呼び戻しの行動訓練をしておく。
ex:「タロウ! おいで!」 「タロウ! こっちだよ!」などの声掛けに反応できるようにしておく。
もし、迷子犬や迷子猫をみつけたらどうする?
あなたは道で迷子犬と遭遇しました。
さて、あなたならどうしますか?
a)そのまま立ち去る
b)首輪の有無、体の状態などわかる範囲で見てみる
c)最寄りの警察、交番、保健所などに連絡する
d)一時保護する
どれもあなたの自由意思です。
しかし、ちょっとした協力が飼い主さんの元へ戻れるきっかけを作るとしたら、どうしますか。
a)「あらぁ~いやだぁ~、野良犬かしら? あっちへ行ってちょうだい!」と、追い払ったり速足でその場を立ち去ったりする人もいるでしょう。
でも、「あらっ?迷子の犬かしら?」と意識に留めることが、のちに役立つこともあります。
「そういえば、そんな犬を見かけたわねえ」と、飼い主さんが捜していることを知ったときに情報の提供をすることができます。
その際、ちょっとした犬の特徴(犬種、大きさ、色など)や見かけた場所も覚えているといいですね。
b)外見の様子をチェックしましょう。
まずは、首輪をしているかどうかを見ましょう。
首輪に迷子札を付けている場合は、名前が書かれていたり連絡方法が記されたりしています。
車の往来の激しいところへ出て、交通事故に遭って怪我をしていることもあります。
また脱水状態を起こして弱っていたりする場合があるので、その点も観察しましょう。
c)警察、保健所、動物愛護センターなどに飼い主さんが連絡をしている場合が多いので、迷子犬や猫が居た情報を伝えましょう。
その際、「どこで見たのか」ということや、b)で観察して気づいたことを伝えておくといいですね。
また、ポスターや貼り紙等で迷子犬の情報を知った場合は、直接、飼い主さんに連絡してあげましょう。
d)迷子犬や猫を見つけた親切なあなたは、一時的に預かって保護してあげようとするかもしれません。
しかし、注意しなくてはならないことがあります。
迷子になって放浪している犬や猫は、普段おとなしくても神経質になっている場合があります。
そのため、保護して自宅に連れて帰ったとしても暴れることもありますし、家族や飼っている愛犬や愛猫に危害を加えることもあります。
また、感染症などの病気を患っているかもしれません。
ですから、保護する場合はその点を十分に考慮しましょう。
そして自宅へ連れて帰ったら、必ずしかるべき機関に連絡を入れましょう。
そして、さらに保護した犬や猫がとても可愛くて飼いたい気持ちに駆られたとしたら……。
これからの長い付き合いができますか。
世話をしなくてはいけませんし、お金もかかります。
病気になれば病院にも連れて行かなくてはならないし、狂犬病の予防接種も1年に1度受けなくてはなりません。
また、飼うとなると保健所に届け出も必要です。
とはいえ、その犬や猫は迷子です。
今、必死で探している飼い主さんが居ることを忘れないでください。
もし、迷子の犬や猫を一時保護したら必ず警察や保健所に連絡しましょう!
迷子の犬や猫が無事に飼い主さんの元に戻りますように!
♪ 迷子の 迷子の子ネコちゃん、あなたのおうちはどこですか? ♪
という童謡『犬のおまわりさん』
迷子になった子猫と犬のおまわりさんが登場し、おうちを聞いても名前を聞いても結局のところ泣いてばかりいる子ネコちゃんに困り果てる犬のおまわりさん、という内容の歌詞です。
はてさて、子ネコちゃんは無事におうちに戻れるのかしら…?
いったん迷子になってしまうと、ことばを話せない犬も猫も「おうちはここです!」と伝えることはできません。
結局は飼い主さんの元に帰りたくても帰れないという事態を招くことが多いのは、『犬のおまわりさん』と同じで、身元が分からない、手掛かりがないということです。
もし、迷子札を付けていたら…連絡がもらえただろうなあ
もし、窓やドアを開ける際に注意していたら…外に飛び出していかなかっただろうなあ
もし、ああしていたらとか、ああしていなかったら…と、【後悔先に立たず】
自然災害に見舞われることの多い近年、どのようの状況で愛犬や愛猫と離れ離れになってしまうかしれません。
災害でなくても、今回のテーマでお話ししたように、日常のちょっとした場面で迷子になってしまうことがあるのです。
♪ 迷子の 迷子の 犬や猫 元気におうちに帰ったよぉ~ ♪
と、歌えることを心から願っています。
そして、愛犬や愛猫が無事に戻って来られたら
・届け出た機関や動物病院、ペットショップなどに無事に戻って来たことを連絡しましょう。
・呼びかけたSNSに無事の帰還を投稿しましょう。
・ポスター、貼り紙等は剥がしましょう。
・他の飼い主さんたちにも折を見て報告しましょう。
困ったときはお互い様ですが、心配しくれた人がたくさんいることを思って必ず報告をしましょう!
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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。