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【獣医師が解説】ペットの栄養編: テーマ「フラクトオリゴ糖」

 獣医師が解説  

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。
ドラッグストアのサプリコーナーに行きますと「オリゴ糖を配合!」などのポップを見かけます。何となくお腹に優しそうなイメージがありますが、いったいこのオリゴ糖とは何者でしょうか?

今回はペットフードやサプリにも配合されているオリゴ糖、とくにフラクトオリゴ糖について解説します。

オリゴ糖の正体

オリゴ糖は砂糖ではありません。オリゴ糖は砂糖と同じ少糖類という糖質の仲間です。オリゴ糖の正体を見つけるために、少しだけ回り道をしましょう。

少糖類

CMで「糖質オフ」とよく耳にします。この糖質という言葉は、ほとんど炭水化物と同じ意味で使われていますが、厳密には「炭水化物=糖質+食物繊維」と定義されます。すなわち、糖質とは「食物繊維を除く炭水化物」ということになります。

糖質はすべて単糖類という糖からできています。そして、単糖類が2個~10個程度つながったものを少糖類、10個以上長くつながったものは多糖類と呼んでいます。

糖質は次の3つのグループに分けられます。みなさんがよく知っている糖の名前も入っています。

○単糖類 …ブドウ糖、果糖 など
○少糖類 …ショ糖(砂糖)、乳糖、オリゴ糖 など
○多糖類 …デンプン、グリコーゲン など

というわけで、今回のテーマであるオリゴ糖は、ベースになる単糖がいくつかつながった少糖の1つということになります。ちなみに、「オリゴ」とはギリシャ語で「少ない」という意味ですので、オリゴ糖とはズバリ少糖のことです。

いろいろなオリゴ糖

近頃はいろいろな種類のオリゴ糖が商品化されています。その名前は少々ややこしいのですが、実は材料となっている単糖から名付けられています。おもなオリゴ糖として次のものがあります。

○ガラクトオリゴ糖
  …乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)+単糖:ガラクトース(1~4個結合)
○イソマルゴオリゴ糖
  …単糖:ブドウ糖(2~3個結合)
○キシロオリゴ糖
  …単糖:キシロース(2~7個結合)

これらの他にも、大豆オリゴ糖、ビートオリゴ糖(ラフィノース)などその種類はたくさんあります。

このようにオリゴ糖は、ショ糖(砂糖)と同じく単糖がいくつかつながった少糖類ですが別物で、その性状も大きく異なります。その1番の違いは腸管内で消化されない(=難消化性)という点です。

フラクトオリゴ糖とは

たくさんの種類があるオリゴ糖ですが、現在最も普及しているものがフラクトオリゴ糖でしょう。ここではフラクトオリゴ糖を通してオリゴ糖の特性について説明します。

フラクトオリゴ糖のすがた

フラクトオリゴ糖もオリゴ糖=少糖ですから、単糖が比較的短くつながった形をしています。フラクトオリゴ糖はショ糖すなわち砂糖がベースになっています。

果糖という単糖があります。フルクトース(fructose)、またはフラクトースとも呼ばれるものです。ショ糖にこの果糖(フルクトース)が1個~3個つながってできているのがフラクトオリゴ糖です。

ショ糖はブドウ糖に果糖がくっ付いたものですので、結局フラクトオリゴ糖とはブドウ糖と果糖が結合してできたオリゴ糖ということになります。

ショ糖(砂糖)とのちがい

フラクトオリゴ糖はショ糖(砂糖)がベースになっていて、同じ少糖類ですが異なる点がいくつもあります。

まずは甘さですが、ショ糖と同じくフラクトオリゴ糖もなめると甘いです。しかしその甘さはショ糖の30~60%程度です。ショ糖に結合する果糖の数が1個2個3個と増えるほど、甘味度は低下してゆきます。

もう1つは難消化性です。私たちはショ糖を消化分解する酵素をもっています。フラクトオリゴ糖はこのショ糖をベースにしているのですが、果糖が結合することにより消化できなくなります。消化酵素をもっていないためです。

これよりフラクトオリゴ糖に限らず、オリゴ糖は難消化性の少糖類ということができます。

フラクトオリゴ糖の特性

おおまかですが、オリゴ糖のイメージがつかめてきたと思われます。ではいよいよフラクトオリゴ糖の特性を見てみましょう。

善玉菌の応援

オリゴ糖は腸内細菌のエサになるとよく聞きます。武庫川女子大学の松浦寿喜らが実験動物のラットを用いた次のような試験を行っています(2001年)。

フラクトオリゴ糖を7日間給与されたラットは、対照と比較して乳酸菌が約3倍、ビフィズス菌は約2倍に増加していました。謳い文句どおり、フラクトオリゴ糖は善玉菌を増やすはたらきがありました。

腸内環境の整備

さらに松浦らは、盲腸内のpHが酸性に維持され、そして糞便量が増加したという成績も示しています。腸管内が酸性になっているのは、フラクトオリゴ糖の給与によって増加した善玉菌が、どんどん乳酸を産生したためと考えられます。

酸性環境の腸管内では、クロストリジウムなどの悪玉菌の増殖は抑えられます。これは、悪玉菌は弱酸性~弱アルカリ性(pH6~8)を好み、乳酸がたっぷり存在する酸性環境が苦手なためです。

糞便量が増加すると排便が促進されます。排便は腸管内で産生されたインドールやアンモニアなどの有害物質を体外に排泄する作用があります。

このようにフラクトオリゴ糖は、腸内環境を良いほうへ良いほうへと好転させるはたらきがあります。

骨の強化作用

少し意外な感じがありますが、フラクトオリゴ糖には腸内でのミネラル吸収を促進するはたらきもあります。明治製菓(株)の太田篤胤らは、ラットに5%のフラクトオリゴ糖を31日間給与して、ミネラルの吸収率と骨への影響について調査しました(1993年)。

その結果フラクトオリゴ糖給与群では、カルシウム(Ca)32.5%、マグネシウム(Mg)47.2%、リン(P)では5.1%の吸収率アップを示しました。さらには骨のミネラル含有量や骨重量も増加していました。

ミネラルの吸収率がアップしたのは、ビフィズス菌によって産生された短鎖脂肪酸がミネラルの腸管膜通過を助けて、血液中へ運ぶのを応援したためでした。

骨の主成分はリン酸カルシウムです。フラクトオリゴ糖にはCaとPの吸収促進作用があるということは、最終的には骨の強化につながると考えられます。

老化に伴い骨はもろくなります。また、腎臓機能が低下すると分泌されるホルモンの関係から骨が弱くなります。老犬対策や腎臓ケアの点からも、フラクトオリゴ糖は心強いオリゴ糖であるといえます。

腸内細菌の利用性

以上、フラクトオリゴ糖の有用性を示す研究データを紹介しました。これらは、動物が体内でフラクトオリゴ糖を消化できない代わりに、腸内細菌が活用してくれる結果によるものです。

ここで少し心配事があります。フラクトオリゴ糖を摂取した場合、善玉菌が増えてくれるのはうれしいことですが、悪玉菌もお腹の中で増えてしまわないか?ということです。

この点について、明治製菓(株)の日高秀昌がヒトの腸内細菌のオリゴ糖利用能について報告をしています(1984年)。最後にこの成績を見てみましょう。

ヒトも動物も細菌も、生きてゆくためは最も基本的なエネルギー源であるブドウ糖が必要です。腸内細菌は増殖するためにブドウ糖を利用することができます。

これに対してフラクトオリゴ糖は、乳酸菌やビフィズス菌には利用されますが、悪玉菌の代表であるウエルシュ菌(本名:クロストリジウム・パーフリンゲンス)や中間菌である大腸菌には利用されません。

フラクトオリゴ糖は、選択的にお腹の味方である善玉菌のエサになるということです。これで安心してフラクトオリゴ糖が配合されたフードやサプリをペット達にあげることができます。

今回はフラクトオリゴ糖の特性を確認しましたが、難消化性であることや腸内細菌のエサになることなど食物繊維と似た特徴をいくつももっています。プレバイオティクスとして、オリゴ糖と食物繊維がセットで紹介されるのはこのためです。

今回取り上げたフラクトオリゴ糖の他にも、オリゴ糖にはさまざまな有用なものがあります。ペット達の健康な腸内環境をキープするためにも、オリゴ糖と食物繊維を上手に活用しましょう。

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(以上)

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