愛犬が前足をなめている。被毛や皮膚がなんともなければすぐに心配することはありませんが、頻繁に舐めているようだとその原因を探らねばなりません。愛犬はちょっとした緊張緩和や癖、不安解消などでない場合は改善せねばなりません。ここではその原因と対処方法についてお話をさせていただきます。
目次
愛犬が足を舐める原因
愛犬を観察していると前足の毛が赤くなっていたり、毛も抜け落ちて皮膚がただれているワンちゃんを時々お見かけします。
原因は「食生活の乱れ」か「精神的な欲求不満」、「物理的な原因」の3つの内のどれかになります。
食生活の乱れ
まず、食生活の間違いとは、パンや牛乳、ハム、ソーセージ、ケーキ、アイスクリーム、そしてジャーキー等の食べ過ぎによってそれらの食べ物を代謝するために体内で蓄積されているビタミン、ミネラル、酵素等を多く使いすぎてビタミン、ミネラル不足を引き起こして事による行動です。
ビタミン、ミネラルが不足すると汁の成分として指の間から出るミネラル分をなめることで補おうとしているからです。
良質な動物性たんぱく質
解決方法はまず、良質な動物性たんぱく質を摂る事です。体内のビタミン、ミネラル、酵素をいかに無駄遣いをしないか。それが一番の解決方法となります。
犬は肉食動物に近いため動物性たんぱく質を消化することに長けています。そしてエネルギーを節約することで栄養が体の隅々まで行き渡ります。
身体の形成や日常のエネルギー消費で余った物が最後に行き渡る栄養で毛艶の健康が決まるので毛艶の良い愛犬は健康そのものです。
また皮膚、被毛には良質の脂質も欠かせません。オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸といい食べ物から必ず摂取しないといけない栄養素です。
たんぱく質と同じく動物性の脂肪酸が犬には向くのですが酸化しやすく摂りにくい栄養素です。
オメガ3だけを思えばまぐろやサーモンなども良いのですが生で与える際は色々と注意が必要なのでサプリメントなどで補うのもお勧めです。
おやつを減らす対策
おやつを毎日あげている方は、おやつをなるべく減らす事です。
特にジャーキーは消化が悪く皮膚被毛や涙やけなどにも悪影響です。また、おやつを減らす方法としては1回にあげる量を減らして回数を同じにする事です。
そうすれば、飼い主さんとのコミュニケーションや愛犬の満足度は変わらずおやつを減らせますので、クッキーや減塩チーズなどなら本当に細かく手で割れるのでオススメです。
ビタミン、ミネラル、酵素がたっぷり含まれているフード
良質なたんぱく質、良質な脂質を摂ろうとすれば食事の選択肢は手作り食かローフード(生食)がやはりオススメです。そして、手作り食かローフード(生食)にはビタミン、ミネラルもたっぷり含まれているのでビタミン、ミネラル、酵素の摂取と節約が同時にできることになります。
精神的な欲求不満
次に、「精神的な欲求不満」については、まずそれぞれのワンちゃんにとって散歩やボール遊び、引っ張りっこ等で満足する時間や方法が違うという事を知って頂くというのがとても大切です。
朝夕、1日2回、各1時間ずつ散歩すれば、皆ストレス発散ができるとは限らないのです。
例えば、ゴールデンレトリバー等の犬種は特有のモーターパターン(犬が生まれつきもっている特徴)をもっています。
犬は自分のモーターパターンを発揮する機会がないとストレスを感じてしまいます。
こういう子達はよく飼い主の手をくわえようとしています。
狩りの獲物を回収するために改良されたゴールデンレトリバーは、物を探してくわえるという行動が他の犬種より強化されているからです。
しかし、なかなか本物の狩りに連れて行く機会もないので「ボール遊び」等で代用します。
精神的な欲求不満の対策
いつもの散歩に加え、ボール遊びの時間を15分ほど加えてあげるだけで本能が満たされ飼い主との絆も深まり、精神的にたいへん落ち着きが出て足先をなめる機会も減っていき、1ヶ月もすると前足をなめることもなくなっていきます。
一概にストレスといっても犬種や性格によってずいぶん違いがありますので愛犬をよく観察して対応してあげて下さい。
物理的な原因
ケガなどの傷を舐める場合
3つ目に、「物理的な原因」があります。
ケガをしてしまって足を舐めることで、膿んだりする事で傷口が悪化することがあります。通常は愛犬の唾液には殺菌作用のある微生物や酵素があり舐めて治す習性もありますが雑菌も存在するために悪化してしまうのです。
その対策としてエリザベスカラーなどで傷口を舐めれないようにします。
散歩が原因で足を舐める
散歩から帰ってきたら足を拭いたりされる方は多いと思います。
でも、散歩から帰ったら毎回、足を洗ったりする場合は注意が必要です。洗った後、足の指の間に拭き残しがあると気になって愛犬は舐めます。また拭きすぎやドライヤーの使用ても乾燥しすぎたり、熱を持ったりで愛犬が舐め続ける事があります。
そうした事がないよう水気を十分絞った柔らかめのタオルなどで拭いて、外の汚れを落とすことをオススメします。指の間はブラシなどできれいにすると余分な水分はつかないので参考にして頂ければと思います。
さいごに
愛犬が前足を頻繁になめるのは何かのサインです。
良質な食事と散歩や遊んであげるなどのストレス緩和、運動と犬種別に適正なブラッシングできれいな毛並みを維持すれば前足を舐めることは減ると思います。愛犬と楽しい生活を共にお過ごし下さい。
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【追記】 足を舐めすぎて足の皮膚が雑菌によりただれてきたりした場合は食事と併せてプロポリスクリームなど舐めても害のないものを塗ってあげて下さい。
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。