老犬

愛犬の社会も高齢化 知っておきたい老犬事情のあれこれ

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人間が高齢化社会になるように愛犬の社会も高齢化が進んでいます。
フードの質がよくなったり、医療技術の向上なども大きな要因ではないでしょうか。

2016年のデータによると平均寿命は13.7歳となっております。
80年代では4歳、90年代では8歳が平均寿命だったことを考えると約3倍も伸びております。

気が付かないうちに始まっている老化や、老犬になってからの気をつけたいことなどをお伝えさせていただきます。

老化現象・老化サイン

老化の始まりは、日々の生活環境や犬種によって異なってまいりますが

・大型犬であれば6歳~
・小型犬・中型犬であれば7~8歳

から老化が始まってまいります。

毎日見ていると気が付きにくいですが、少しずつ見た目や行動にも変化がでてきます。

鼻周りや口周りに白毛がふえてきた

分かり易い老化現象の一つで被毛自体の艶も少なくなってきて色が薄くなる傾向にあります。

口臭が増えてきた

加齢とともに口臭が強くなってきて、歯垢や歯石が原因の口臭であったり、腎臓などの病気による原因などもあります。

目が白く濁ってきた

こちらも分かり易い老化現象で、老犬がかかりやすい白内障です。黒目が白く濁ってきて視力が低下してきます。
物がたくさんあるような環境で飼育している場合は、ぶつかるなどの危険性が高いので注意してください。

食事の好みが変わったり食べる量が少なくなってきた

これは加齢とともに味覚の感度が低下していくためです。
さらに嗅覚も衰え始めてくると自然と食欲も落ちてきます。

代謝そのものも低下しているのでごく自然な傾向ではあるのですが、中には成犬のころと変わらないくらい食欲があるこがいますが代謝が落ちているので肥満に注意してあげてください。

また食べなくなったと心配しすぎて無理やりに食べさせるのは体の負担にもなるので注意が必要です。

寝ている時間が増えてきた

一般的な犬の睡眠時間は1日の半分ほどといわれていますが、老犬の場合は1日18時間ほど眠る場合もあります。これは体力の回復に時間がかかってきたり、耳が聞こえ辛くなるなどで興味関心が薄れていくなどが考えられます。

散歩を嫌がるようになった

加齢による関節の負担や、筋力の低下により歩くのがしんどくなったなどが考えられます。
もちろんだからといってまったく運動をやめるとさらなる筋力低下で老化が進む場合がありますので注意が必要です。

老犬のかかりやすい病気

白内障

目が白く濁り視力が低下する白内障は加齢とともにかかりやすくなります。
原因は加齢や遺伝、または糖尿病など。

対策

視力低下により家具や壁にぶつかることが多くなるので、出来るだけ愛犬が過ごす空間の床には物を置かないようにしてあげるなどが必要です。

悪性腫瘍

2016年のデータで高齢犬の13.4%がかかる病気1位となっています。

対策

ガンはブドウ糖を好みため、食事での糖質制限などが必要になってまいります。
穀物主体のフードなどは糖質が高いので見直してください。
またたんぱく質については、品質のよいたんぱく質をしっかりと取らせてあげてください。
たんぱく質が少ないと内蔵機能の低下や体力が低下します。
体力が低下してしまっていたら腫瘍の治療を行いたくても治療そのものに耐えれないかもしれませんので、しっかり体力をつけておくことは重要になってきます。

腎臓病

高齢化が進むにつれてここ最近相談が多くなってきた病気の1つです。

体内の老廃物や有害物質を取り除き、尿として排出する役割を果たしている腎臓もまた、加齢によって機能が衰えやすい臓器です。年を取ると腎臓の組織は劣化し、ろ過システムの機能が低下します。それが腎不全です。厄介なのは、一度衰えてしまった腎臓の機能は復活することがありません。

体内の老廃物をろ過して尿を作るための腎臓も加齢によってろ過機能が低下していきます。
そして1度低下してしまった腎臓機能は復活することがないため、いかにその機能に負担をかけないようにするかが重要になってきます。

対策

一般的に低タンパク・低リン・低ナトリウム・低カリウム食が推奨されています。

ただ、たんぱく質については研究結果などで低タンパクにすることよりも低リンが重要視されています。

手作り食などでお肉や野菜をトッピングする際は、湯でこぼし(一度茹でて、そのお湯を捨て再度新しいお湯で茹でる)を行うことでリンやカリウムの含有量が少なくなります。

獣医師が解説した腎臓に関する記事を紹介いたします。

【獣医師が解説】ペットの栄養編: テーマ「腎臓ケアとリンのコントロール」
【獣医師が解説】腎臓をいたわる食事とは

糖尿病

高齢犬がかかりやすい病気の1つです。
そのままほっとくと白内障や膵炎、腎臓病などの合併症を引き起こす恐れがあります。

対策

食事療法とインスリンのコントロールが必要になります。
定期的に血糖値を調べて経過を見ていく必要もあり、一生付き合っていかなければならない病気ですので、獣医師の指導のもとしっかりとした対策を行ってください。

老犬の運動・散歩

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加齢とともに体力低下や筋力低下により、運動や散歩を嫌がったり、これまで楽しんでいた遊びやおもちゃにも興味がなくなってきたりします。

しかし日々の散歩や運動をやめてしまうことで体力低下や筋力低下は加速していき、体重の増加にも繋がりやがて立てなくなったり歩けなくなるなどの老化を早めてしまう可能性が出てきます。

愛犬の様子を見ながらどのように散歩や運動をしていけばよいのでしょうか?

体調をしっかりと見る

散歩のコースもこれまでのコースではなく、短めのコースにして坂道や階段などの負担の少ないコースにしてあげるなどにして、散歩中に疲れていないかなどをチェックしてあげてください。途中途中で休憩を入れてあげるなどもよいです。

気温や時間帯も注意

特に注意してほしいのは夏場の散歩です。
気温が上がってきている時間はアスファルトも高温になり、日差しも強いので熱中症や日射病などになる可能性が高くなりますので、できるだけ早朝に行ってあげるようにしてください。

老犬の食事

どうしても加齢とともに食事を食べなくなったり、食の好みも変わってまいります。
またシニアフードによってはタンパク質を減らして穀物などを主体としたフードになるとさらに指向性は落ちてまいります。

老犬は成犬よりもタンパク質は多く必要となっています。

しっかりとした良質なタンパク質を少量与えてあげることが重要になります。
もしタンパク質を少なくした食事にしてしまうと、筋力低下や皮膚被毛の健康維持にも大きな弊害がでてまいります。

老犬の食事についての詳しい内容は別途下記の記事を参考にしてください。
「老犬・高齢犬の食欲がない・食べない悩みは加齢だけが原因?シニア犬事情を考える!」

老犬におすすめの商品

新鮮生馬肉

馬肉は赤身のイメージが強いですが、犬にとって脂肪分はエネルギー源に変わります。
また新鮮な生の脂身の香りは非常に愛犬の大好物です。
ハウンドカムの生馬肉はあえて脂身を混ぜております。


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徳島地鶏 ネック骨ごとミンチ

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鶏肉は愛犬が大好きで、さらに骨ごとミンチだからミネラルもたっぷり!


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ホリスティッククッキング

国産無添加で主原料は生肉を使用!ノンオイルコーティングで素材の香りがするので食いつき抜群!
サクサクビスケット食感の小粒だから老犬・高齢犬の子も食べやすい!


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腎臓に優しい低リン7食セット

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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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