食事

犬と猫の味覚と食性

こんにちは帝塚山ハウンドカムです。
今回は愛犬愛猫の味覚や食性についてです。

愛犬愛猫の好みや習性等のご紹介
犬→猫の順となります。

愛犬の味覚

犬の味覚を感じる器官の数

舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな気管を味蕾(みらい)といいます。
味蕾の数が多いと「味覚」に対して敏感とされています。

味蕾の数は動物によって異なり人間は約5000~7000個、犬は2000個以下です。
犬は味覚は未発達で、旨味は殆ど感じられず嗅覚で補っているといわれております。

犬が感じ取ることのできる味

犬は味覚の基本となる「甘味」「苦味」「酸味」「塩味」
を感じ取ることが出来ますが、人間が感じるものより鈍いと考えられています。

犬も猫も塩味に対しては鈍感です。
犬はアミノ酸の甘さは感じることが出来るため肉やチーズといった動物性タンパク質を好みます。
犬は猫と比較して肉以外にも野菜、果物、穀物、人間用のお菓子も食べますが害になるものも食べてしまうことがあるため注意が必要です。

一度濃い味のものを食べるともっと欲しがるようになる。

犬の好みの味

糖を感知する味覚細胞が優れているので甘いものを好みます。
また、食べたことがないものに対する興味が強く、飼い主さんが食べているものにも興味を示します。

犬は食物を貯蔵する習性を持ち、新鮮肉だけでなく腐肉も食べます。
このため、温かいものでも冷たいものでも喜んで食べます。

犬の食性

犬はネコ目!?

犬はネコ目(肉食目)イヌ科イヌ属に分類されている動物です。
(アシカ科やセイウチ科もネコ目に分類されます。またネコ目という名称は日本だけのもので国際的には【肉を食べるもの】を意味するCarnivoraと表記されます。遠い祖先がネコでイヌになったという意味ではありません)

人と一緒に暮らすようになった長さ

犬は人と一緒に暮らすようになり、家畜化されたのは今から1万5千年前と言われています。(猫は4000年前)

長い人間との生活の中で、本来肉食の犬も雑食性が進んだと考えられています。
(猫は4000年と犬と比べて短い事と、ネズミを捕る為に飼われたため雑食化は進まなかったと考えられています)
犬は肉食ですが、雑食に近い肉食という事になります。

犬の祖先の暮らし

犬の祖先は群れで暮らし、共同で大型動物を仕留めて一度に大量の食事をとっていたと考えられています。
次いつ食べられるかわからないので目の前にある食べ物は食いだめしようという本能があります。
また、歯も「よく噛む」為のものではなく、獲物を引き裂いて口の中に入れる事に優れています。

兄弟たちよりより多く食べるためにも(横取りされることを防ぐためにも)早食いが必要となります。

人はよく噛んで食べましょう、というものですが、犬の場合は噛まずに飲み込むように体ができています。
「早食い」「食いだめ」「飲み込む」動物です。

犬のヨダレ

人の唾液は消化液としての役割がありますが、犬の唾液には人間のような分解酵素は含まれておらず、食べ物を胃の中に流し込む役割がメインとなります。
肉を食べると粘液性の唾液、植物系を食べると水っぽい唾液といわれています。

また犬の唾液にはバクテリアの繁殖を防ぐ酵素を含んでいますが、高い確率で人が感染する恐れのある菌も保有していますので、同じ食器を使ったりすることはやめましょう。

愛猫の味覚

猫の味覚を感じる器官の数

味を感じ取る細胞である味蕾(みらい)の数は動物によって異なり人間は約5000~7000個ですが、猫は500個以下とずいぶん少ない数です。
旨味は殆ど感じられず嗅覚で補っているといわれております。

味蕾の数は動物によって様々ですが、人間が特別多いというわけではなく例えばナマズは20万個ほどあるそうです。
(ナマズは水から伝わる「味」で獲物がどの方向にどれくらいの距離でいるかを感知し、そのために数が多いそうです)

味覚は加齢やタバコ、刺激物で低下していきます。
猫がタバコを吸うことはないでしょうが、人もネコも様々な要因で低下します。

感じ取ることのできる味

猫は「苦味」「酸味」「塩味」
を感じ取ることが出来ます。
人間が感じ取れる「甘味」と「旨味」は含めれていません。
※糖由来の甘味は感じ取れませんが、肉と関係があるアミノ酸由来の甘味は感じ取れるそうです。

また塩味についても鈍感と考えられていますので、苦味と酸味がメインという事になります。

猫は酸味と苦味に敏感で、また「食べるかどうか」は犬と同じく匂いが重要視されていると考えられています。

猫の食事の仕方

猫は本来一人で自分より小さな獲物(昆虫やネズミ等)を捕まえて食べます。
1日に必要な食事をするためには何度も獲物を獲る必要があり、その為昼夜を問わず少しずつ何回にも分けて食べる習性があります。

猫は小動物を捕まえてその場で食べる習性(新鮮肉食)があるため、体温に近い温かいものを好みます。
また犬よりも高脂肪を好むといわれています。

猫の食べむら

猫が急に今まで食べていたフードを食べなくなることがあります。

[好奇心によるもの]
猫には食に対する好奇心と警戒心があり
好奇心が強く働いたときは急に別のフードを食べだすという事が起き、それまでのフードを食べなくなります。
※興味が別のフードに移っただけで今までのフードを嫌いになったわけではありません。

[警戒心によるもの]
新しいフードを与えた時に薬を混ぜたり、食べた後にたまたまでも嫌な経験をすると(大きな音がしたなど無関係なことであっても)その後そのフードを食べなくなる食物嫌悪症がみられることがあります。
新しいフードを試すときは食べなれたフードに少しずつ混ぜて切り替えていくのが理想となります。

[栄養成分によるもの]
猫は本能的に栄養バランスが適切でないフードに対して、最初は食べていても続くと食べなくなってしまうという現象があります。

犬と猫の違い

それぞれの習性による違いの傾向となります。

感じ取れる味 甘味、酸味、苦味、塩味 酸味、苦味、塩味、アミノ酸由来の甘味(糖由来の甘味は感じない)
味覚の鋭さ(味蕾の数) 2000以下 500以下
好きな味 甘味、酸味 酸味、アミノ酸由来の甘味
嫌う味 苦味 苦味
肉質 食べられる時にたくさん食べる こまめに少しずつ食べる
肉の鮮度 腐肉も食べる 新鮮な肉を好む
食事の温度 食事が冷たくても平気 30~35℃くらいを好む

(以上)

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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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