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【獣医師が解説】ペットの栄養編: テーマ「玄米・米ぬかの活用」

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。
私たちの食生活において米ぬかは、沢庵(たくわん)のぬか床として使われています。
米ぬかそのものを食べるということはありませんが、その中身は食物繊維をはじめとして大変有用な栄養成分を含んでいます。

玄米と白米

コメ、小麦,トウモロコシを世界の三大作物と呼びます。田んぼで実った稲がお米になるまでには、「収穫」「脱穀」「精米」というステップを踏んでいます。米ぬかはこの途中の副産物として出てきます。

玄米と米ぬかと白米

お米はステップごとに呼び名が変わります。
イネの穂先の硬い皮を被った種子を籾(もみ)といいます。
この籾から外皮を剥くことを脱穀といい、剥がされた皮が籾殻(もみ殻)です。脱穀されて出てきたうす茶色のものが玄米になります。

玄米の表面部分を削り取り、白くなったものが白米です。
この精米時に削られた表面のうす茶色のものが今回のテーマの米ぬかです。
簡単にいうと『 玄米 - 米ぬか = 白米 』という関係になります。

米ぬかは玄米の重さの8~10%も占めていて、白米を生産する際の副産物です。
この米ぬかの活用先ですが、全体のおよそ35% が「こめ油」の製造に使われています。
残りは漬物のぬか床や家畜の飼料などにもなりますが、その大部分は廃棄されています。

玄米の栄養成分

現在、健康食として玄米が注目されています。ここで、玄米と白米の栄養成分を比較してみましょう。

玄米と白米の違いはぬかが有るか無いかということですので、基本的には大差はありません。
白米のエネルギー、タンパク質、炭水化物の量を100とした場合、玄米のそれらは95~110くらいとほぼ同等です。
脂質は玄米の方が3倍ほど多く含まれています。

玄米と白米の栄養成分における一番の違いは食物繊維量です。
玄米は白米の6~7倍の食物繊維を含んでいます。
「おなかの調子を整える」という点で玄米の人気が高まってきているのはこの点でしょう。

『 玄米 - 米ぬか = 白米 』ですから、実際はこの豊富な食物繊維は米ぬかに含まれていることになります。
玄米を食べた時に感じるかたさや噛み応えはこの食物繊維によるものです。

米ぬかの食物繊維

ここでは同じ「粉もの」として、米ぬかの栄養成分を小麦粉や全粒粉と比べてみましょう。

栄養成分

日本食品標準成分表(2015年版 七訂)によると、米ぬかのエネルギーとタンパク質は小麦粉とほぼ同等です。
しかし、炭水化物の含有量は小麦粉の65%程度とけっこう低い値になっています。

これに対して脂質は約13倍、ミネラル(灰分)は約20倍も含まれています。
そしてこれらより、もっと多く含まれているのが食物繊維です。

食物繊維含有量

みなさんは全粒粉というものご存じでしょうか?全粒粉とは小麦を外皮を含めすべて粉にしたものをいいます。
一般的な小麦粉と比べて食物繊維が多いことで知られていて、近頃はラーメンやパンなどで「全粒粉使用」と表記されているものを見る機会が増えてきました。

では小麦、全粒粉、米ぬかの3つの内、食物繊維の含有割合が最も多いものはどれでしょうか?
答えは次のとおりです(日本食品標準成分表 2015年版 七訂)。

1番:米ぬか(20.5%)
2番:全粒粉(11.2%)
3番:小麦粉(2.5%)

米ぬかは全粒粉のおよそ2倍の食物繊維を含んでおり、その内訳として水溶性食物繊維が2.2%、不溶性食物繊維は18.3%です。
このように、米ぬかは食物繊維源としては大変有望な食材であるといえます。

米ぬかの機能

前回から高脂血症(脂質異常症)やすい炎対策として、食物繊維の活用を提案しています。
それでは具体的に米ぬかの食物繊維が血中のコレステロール値を下げるしくみを説明します。

コレステロール低下作用

実は30年も前から、米ぬかに含まれる食物繊維(ヘミセルロース)がコレステロール値を下げるという研究報告があります(青江誠一郎 千葉大学 1989年)。
この試験概要は次のようになっています。

●供試動物 ラット
●各グループのエサを9日間給与
  :対照群 …不溶性食物繊維を4%配合したエサ
  :試験群 …上記4%の半分を米ぬか由来食物繊維としたエサ
●結果
  :血中コレステロール値
    …対照群(316㎎/dl)、試験群(256㎎/dl)
  :胆汁酸の排泄量
    …対照群(40.8μmol/頭、日)、試験群(56.2μmol/頭、日)

米ぬか食物繊維の特性

前回、食物繊維が血中コレステロール値を下げる主な理由として次のようなものを紹介しました。

①肝臓のコレステロール合成を抑える
②胆のうからの胆汁(胆汁酸)分泌を増加させる
③小腸における脂肪の消化吸収を抑える
④糞便量増加により体外への胆汁(胆汁酸)排泄を増加させる

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、上記の③脂肪の消化吸収抑制は主に水溶性食物繊維が担当しています。
米ぬかの食物繊維の大部分は水に溶けない不溶性のものですので②と④を受け持っています。

先ほどの試験の報告者である青江も、米ぬか食物繊維(ヘミセルロース)は食事由来のコレステロールの消化吸収は阻害せず、胆汁酸の排泄を促進することにより血中コレステロール値を低下させると述べています。

玄米と米ぬかの有用成分

このように米ぬかに含まれる食物繊維はとても利用価値が高いことが判りますが、この他にも魅力ある成分があります。

玄米を精米する際の副産物として出てきた米ぬかからは油がとれます。
これを「こめ油」といい、その搾りかすが「脱脂米ぬか」です。
一般に私たちがぬか漬けに使っている米ぬかはこの脱脂米ぬかです(油分を除かないと保存性が悪いためです)。

このこめ油にはビタミンEやγ-オリザノール、フェルラ酸といった機能性の高い物質が含まれています。
特にγ-オリザノールは抗酸化性、抗アレルギー性、そしてコレステロール低下作用などさまざまな生理活性をもつ物質として重要視されています。
また、脱脂米ぬかにも今回の食物繊維の他にフィチン、イノシトールといった物質が存在します。

前回から高脂血症のフード療法として米ぬかの食物繊維の活用を提案してきました。
しかし米ぬかは小麦粉やトウモロコシのようにペットフードの主役にはなれません。
これは炭水化物の含有量が少なく(=栄養素として乏しい)、食物繊維が多すぎる(=食感が悪い)ためです。

なんとかこの魅力的な米ぬかをペットの健康管理に活用する何か良い方法はないでしょうか?
ヒントは『 玄米 = 米ぬか + 白米 』です。

こめ油や米ぬかがもつ有用成分を含み、なおかつフードの主成分にもなることができるのは玄米です。
玄米を食材として活用すれば、こめ油も米ぬかも一緒に摂りこむことができることになります。

フード療法として玄米や米ぬかを利用する場合、毎日食べる「フード」には玄米、時々食べる「おやつ」としてなら米ぬかを活用するのは良いアイデアと考えられます。

食感が気になる玄米や、今まではほとんど廃棄されていた米ぬかにはペットの健康にとても大切な成分が豊富に含まれています。
玄米・米ぬかは食べ方を工夫することにより、高脂血症対策やすい炎予防に役に立つ可能性を秘めた食材と言えます。

(以上)

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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート

獣医師 北島 崇

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。

本町獣医科サポートホームページ

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