膵臓

愛犬と脂質の重要性

膵炎等の相談が多いので脂質についてお話させて頂きたいと思います。

脂質の重要性

脂質と聞くと皆様はどんなイメージが強いですか?
ダイエットブームやCMなどでよく脂質は太るイメージが強いと思います。

たしかに人にとっての脂質はイコール肥満につながるように思われます。
実際美味しいものは糖と脂質で出来ていて、それらの吸収を緩やかにするためのお茶なんかも販売されています。

人と犬の食性の違い

人間の主食はごはん・パン・麺などであり、 炭水化物が中心です。
副菜は野菜・いも・ 海藻・きのこを主材料とする料理、主菜は魚・肉・卵・大豆・大豆 製品などのタンパク質。
脂質は糖質と並んで最も必要量が少ないものです。

しかし、犬には人間のバランスガイドは当てはまりません。
その秘密は犬と人との 『食性の違い』 に あるのです。

下の図の犬と人のフードピラミッドを見てください。

犬の主食が肉や魚、卵などのタンパク質類。

人間の主食が米やパンなどの炭水化物類。
このように、犬と人間とでは、根本的に異なるのです。
その中でもタンパク質としてもっともお勧めなのが生肉なのです。

人間
穀物をすりつぶす臼歯が発達 肉を裂く切歯、犬歯、前臼歯が発達
消化 澱粉を消化するアミラーゼを分泌 脂肪やタンパク質対応の消化酵素主体の消化液
胃腸 炭水化物を時間をかけて消化するために腸が長い(犬の3倍以上) 生肉・骨を分解する強力な胃酸(人の20倍)
代謝 糖をダイレクトに吸収代謝する体内システム 炭水化物の消化には不向き
で肉類の消化副産物を素早く排出するための短い腸
第一エネルギー源 糖(炭水化物) 脂肪・タンパク質

このように食性の違いから愛犬にとっての脂質は重要なエネルギー源であることがわかります。

脂質の役割

脂質の主な役割としてはエネルギー源になることです。
前項の食性の表でもあるように第1エネルギー源であり、たんぱく質や糖質よりも2倍以上のエネルギーとして働きます。

愛犬にとって脂肪はたんぱく質や糖質などよりも消化しやすく体が優先的にエネルギーとして使ってくれます。

また脂肪には必須脂肪酸と呼ばれるものがあり、愛犬が体内で合成できないものもあります。その脂肪酸を取り込むためには食事から取り込む必要があるため、毎日の食事のバランスや、オメガ3などのサプリメントで補ってあげる必要があります。

とくにドライフードなどはオメガ3脂肪酸が不足しやすくなります。

そのほかにも脂質は脂溶性ビタミンと呼ばれる、ビタミンの中でもと脂に溶けやすいビタミンの吸収を助けてくれ、ホルモンや脳神経組織、細胞膜を作る栄養素です。

そして脂肪は愛犬の食い付を助けてくれます

新鮮な脂肪の香りは食欲を誘うため、食いつきの悪い子などには少し脂肪分の多い生肉などもお勧めです。

脂質はどんなものでもいいのか?

エネルギーになるからといってどんな脂質でもよいわけではないです。

まず酸化した脂質は特に注意が必要です。
長期間かけて与えている酸化したドライフードなどは、身体にサビを取り込んでいるようなものであり、エネルギーに転換するためにも負担が大きくなります。

他には食いつきがよいジャーキーなどの加熱乾燥された高タンパクで高脂質なものもけしてエネルギー源として摂取するにはお勧めができません。

新鮮な生肉や、新鮮なお肉を調理したものの他に、積極的に摂取してほしいのは不飽和脂肪酸を含む油脂です。

特に愛犬にとって重要となるのはオメガ3・オメガ6となり、不足しがちなオメガ3を積極的に取らせてあげてください。

オメガ3は亜麻仁油やエゴマ油もそうですが、愛犬にとっては魚油などの動物性脂肪が吸収・利用が効率的になります。

脂質を過剰摂取したらどうなるのか?

第1エネルギー源だからといって高脂肪のものを過剰に摂取し続けると

・肥満
・下痢
・高脂血症
・脂質異常症
・膵炎

などの原因になる可能性があります。

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脂質が不足すると

脂質はよくないものだと思い、極端に不足することで出てくる問題が

まず第1にエネルギー源が不足するため身体の維持に問題が出てきます。

・皮膚の乾燥や痒み
・毛艶が悪くなる
・神経、細胞、筋肉などの組織の生成が低下する

などの問題が出てきます。

またよくあるダイエットフードの低タンパク・低脂肪フードなどはそもそもの嗜好性の低下にもつながります。

お客様から皮膚がを痒がる、毛艶が悪いなどのご相談で、生馬肉やオメガ3オイルの積極的摂取を進めることで、イキイキとした顔になり毛艶の健康維持ができているというお声も沢山いただいております。

またドライフードに馬肉をトッピングするようになったお客様も同様のお声が沢山上がっております。

食生活で気をつけていくこと

高脂肪のドライフードなどは酸化しやすいため保存方法に注意してフードを与える時に香りを確認して、酸化した臭いがする場合はさけてください。

またジャーキー類も高タンパク高脂肪が多いためたまに与える程度であればよいですが、毎日多く与えるのはやめてください。

理想的な食事はローフードと呼ばれる生食や、無添加で酸化をしていないドライフードに生馬肉などをトッピングすることで良質な脂質とたんぱく質を摂取することができます。

なにごとも過剰ではなく良質なものを適正に摂取することです。

お勧めの食事

馬肉シリーズ

新鮮な生馬肉は愛犬のエネルギー源である新鮮な脂肪分の香りがするので 非常に嗜好性が高く、愛犬美味しそうで喜んだ顔が見れます。


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鹿肉シリーズ

低脂肪・低カロリーなお肉です。低脂肪ですが完全に脂質がないわけではなく良質なものになります。
また良質のタンパク質とオメガ3・オメガ6・DHAなどの多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。冷凍生肉は酸化の心配がなく高品質で消化に優れたたんぱく源です。


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健康オメガ3オイル

DHA・EPA・ビタミンE・ビタミンDなどを豊富に含んだオイル


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低脂肪で膵臓に優しい7食セット

7種類全てあわせて分析センターで検査を行い、
脂質が1.7%という結果になっております。

愛犬が膵炎などで脂肪の制限をされておられる時にお勧めの低脂肪愛犬用手作り食です!


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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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