犬種

シーズーの食事とかかりやすい疾患

シーズー

こんにちは帝塚山ハウンドカムです。

今回はシーズーがかかりやすいといわれている疾患と、食事やおやつはどう気を付ければいいのかという内容となります。
シーズーで特に注意が必要なのは「肥満予防」「皮膚の健康維持」「傷つきやすい目を注意してあげる」等になります。

シーズーの特長

呼吸器が弱い

シーズーは短頭種(いわゆる鼻ぺちゃ犬)で呼吸が少し苦手となります。

皮膚が弱い

元々皮膚が弱く、皮脂の分泌も多い犬種です。さらに祖先は高山、亜寒冷地の犬の為、体質に合わない日本の気候で暮らす事で皮膚のバリア機能が低下しやすくなっており、アトピー性皮膚炎など皮膚トラブルが多い犬種として知られています。

眼窩が浅い(目が出ている)

目が飛び出しているため眼球が傷つきやすく、白内障にもなりやすい傾向があります。
またアトピー性皮膚炎があると白内障を併発しやすいと考えられています。

気を付けたい疾患

熱中症

犬は呼吸で体温調節を行いますが、シーズーは短頭種でもあるため、呼吸によって体温を下げるのが苦手であること、元々が暑さが苦手な犬種ということもあり熱中症のリスクが高くなります。
さらに子犬である、シニア犬である、肥満などがあるとリスクが高くなります。

食事で注意できる事としては「肥満予防」となります。
肥満は熱を逃がしにくく、呼吸にも負担がかかります。暑さに弱く、呼吸が苦手な愛犬であることをふまえ、肥満予防の体重管理はとても重要だと言えます。
肥満は関節への負担増加やその他の疾患のリスクをあげてしまい健康に良い事は一つもありません。

[食事以外の熱中症対策]
こまめな水分の補給や、気温、室温に気を配ってあげる、散歩の時間やコース選びなどがあります。

皮膚の病気

シーズーは皮脂が多い為皮膚がべたつきやすく、皮膚バリア機能の低下により真菌(カビの一種)や細菌の温床になりやすく皮膚病になりやすい犬種です。
アトピー性皮膚炎が多くみられ、アトピーが引き金となり、二次的な皮膚疾患として外耳炎や膿皮症を招くこともあります。

ブラッシングや適度なシャンプーを行い、皮膚の健康維持対策をしてあげましょう。シーズーに多い具体的な皮膚トラブルは以下となります。

アトピー性皮膚炎

原因としては「遺伝的要因」「皮膚バリア機能低下」「アレルギーが原因のもの」の3つがあります。
アレルギーが原因のものはアレルギー性皮膚炎と呼ばれ、食事が原因のもの、吸引性のもの(花粉やハウスダストなど)、接触性のものがあります。
通常、重度の痒みが生じ、生後半年~3歳くらいまでの若い時期に発症し、顔(目や口の周り)、耳、四肢の付け根、腹部、肢先、指の間などに症状が現れます。アトピーはその他の皮膚疾患の引き金になったり、顔などを掻いてしまう場合は白内障もなりやすくなるといわれています。

食事で出来る注意としては、免疫維持の為の偏りのないバランスの良い食事と腸内環境の健康維持に良いもの、オメガ3の適切な摂取、食物アレルギーが疑われる場合はアレルゲンを特定した上でアレルギーとなるものを排除した食事に変えて様子を見ます。

おやつも与えすぎず、自然なものや無添加のものを選びましょう。また無添加であってもジャーキーやガムなどの消化に悪いものは避けましょう。

腸内環境の健康維持に良いものの具体例としては
無糖ヨーグルト、フレッシュチーズ、納豆(少量)、オリゴ糖、米ぬか、ペット用の甘酒、りんご(すりおろし)、ペット用発酵野菜などがあります。
フードに少量トッピングしてあげたり、愛犬用のおやつとして販売されているものも増えてきましたのでそういったものを導入してあげる事も良いです。また腸内環境の健康維持は免疫や皮膚の健康だけでなく、高脂血症や肥満の予防にも良いと考えられていますのでとてもおすすめです。

膿皮症

噛み傷・擦り傷からの細菌感染、老化、栄養不足、不衛生な環境での生活、アレルギー性皮膚炎があるなど皮膚バリア機能の低下した状態で起こりやすくなります。
シーズーは特に指の間に指間性に症状の出る子が多くみられます。
症状:発赤、紅疹(ぶつぶつ)、痒み、脱毛、色素沈着、腫れ、膿瘍、痛み、発熱

外耳炎

アトピー性皮膚炎の愛犬の約8割程度が外耳炎があるといわれています。
大事炎とは耳の中や耳のまわりの炎症をいいます。
症状としては耳をかゆがる、頭を振る、耳ダレがある、黒い耳垢、耳が臭い等があります。

目の病気

シーズーは異所性睫毛(まつ毛が本来の位置より内側から生えて目を傷つける)、眼瞼内反(まぶたが内側に巻き込まれ、まぶたの縁が眼球に接している状態)などが多い犬種です。
これらがあると眼球表面への刺激が慢性的に続いてしまいます。

さらに短頭種は眼球の納まる眼窩が浅く、目も飛び出しているため目に傷がつきやすい傾向があります。
角膜炎や白内障、ドライアイになりやすい傾向があるため目のトラブルに気を付けてあげましょう。

予防としては激しいオモチャ遊びなどで顔にあたったりしないよう気を付けてあげる、皮膚炎に注意してあげるなどが出来ます。
また、かかりやすい犬種であることをふまえ定期健診を受けるなどして早めに発見することが大事となります。

角膜炎になりやすい

症状は涙が多い、目を気にする、目をこすろうとする、目をシパシパさせる、角膜が濁る、角膜に血管が出来る等があります。

白内障になりやすい

アトピー性皮膚炎がある子が白内障のリスクも高くなると考えられます。
アトピーに白内障が合併する原因はわかっていませんが、顔付近のアトピーがある場合、痒みなどで目に刺激が加わる事が影響しているのではないかと思われます。
シーズーは眼窩が浅く飛び出している為、目に刺激が加わりやすくこれらの要因が他の犬種より多いと考えられます。
アトピーがある場合はアトピー対策をする事が将来の白内障(その他の目の疾患も含め)のある程度の予防になると考えられます。
その他加齢や紫外線、目への外傷等がリスクと考えらています。

食事で予防というのは難しいのですが、目に良い栄養というといわれているビタミンCなどの抗酸化物質があります。
犬の必須栄養素として含まれていないため、特に記載がなければ加熱にも弱い成分ですのでドッグフードには入っていないと考えても良いですので、おやつやトッピング等で補ってあげるのもおすすめです。

網膜剥離になりやすい

眼球の内側に存在する、網膜という場所が剥がれ視力が低下してしまいます。
眼球を強くぶつけたり、叩かれたりしたあとに発症する事もあります。
また白内障と同じく顔や目の周りにアトピー性皮膚炎がある子も、網膜剥離を起こしやすいと考えられます。

乾性角結膜炎(いわゆるドライアイ)になりやすい

涙の産生量が少なく、常に目が乾いた状態になるため、目に傷がつきやすかったり結膜炎を起こします。
また、ドロドロした油っぽい眼やにがでることもあります。遺伝的影響が考えられています。

進行すると目の違和感が増し、角膜への色素沈着で視力が低下します。
黄緑色の目やに、目をまぶしそうに閉じる、白目が赤く充血している、目をこする、黒目の表面の透明な部分(角膜)が白くなるかまたは黒く曇ったようになる、などが症状となります。

犬の場合の原因としては自己免疫性のもので涙腺(涙の出るところ)の炎症を起こし、涙が減るものが多いと考えられています。

涙の成分は3つあり、油分と涙腺から出る水分、もうひとつはムチンと呼ばれるネバネバとした成分です。
ムチンと水分が混ざって適度な粘弾性を持つことで瞳に広がり、油分が蒸発をカバーします。
いずれが不足しても乾性角結膜炎になりますが、水分不足によるものが多いと考えられています。

対策としては部屋の加湿、水分不足の予防(脱水の予防)、まぶたを温めてあげる、やさしくマッサージするなどがあります。

シーズー

呼吸器の病気

シーズーは短頭種であり、生まれ持っての咽頭の構造異常があるため呼吸が苦手な犬種となります。
人間による無理な短期間の品種改良から遺伝的に肺へ空気を送る気管がつぶれてしまう気管虚脱、鼻の穴が狭くなる鼻腔狹窄(フガフガ言う)、軟口蓋過長症(口の中の上あごの肉が垂れてくる)などがみられます。
いびき、呼吸困難、酸欠、失神、熱中症にもなりやすいです。

短頭種気道症候群

短頭種の顔や首の構造上、呼吸がうまく行えないことがあり、その総称を短頭種気道症候群といいます。
軟口蓋過長などにより、激しいパンティング、呼吸困難、呼吸時のゼイゼイとした雑音などが確認されます。

生まれつきのものはどうしようもありませんが、これらを悪化させるものを避ける事は可能です。

食事としての対策
肥満にならないよう体重管理に気を付けてあげましょう。
肥満は呼吸器への負担だけでなく、関節への負担や疾患のリスク上昇、熱中症になりやすくなるなどいい事はありません。

食事以外の対策
過度の運動や長い興奮状態は呼吸器に負担をかけますので避けます。
首輪も避けてハーネスなどの胴輪を使ってお散歩をしてあげるのがおすすめです。

食事で注意できる事

体重管理

適正体重をキープできるよう心がけます。
ボディコンディションスコアという肥満度チェックの基準があります。
標準は「肋骨が適度に脂肪に覆われており、触れる」「上から見た時肋骨の後ろにくびれがある」
「横から見て腹部の吊り上がりがある(お腹部分がへこんでいる)」となります。

シーズーは毛が豊かなので、上や横から見てもわかりにくいのですが、濡れた時の体型や触って感触を参考に判断しましょう。わかりにくい時は獣医師やトリマーに確認しても良いです。

肥満気味であれば低カロリーのダイエット向きフードや、与えるおやつの量やカロリーにも気を付けてあげるほか、良質なタンパク質と適度な運動を取り入れるのがより健康的で、体作りをしながら消費カロリーを増やすことが出来ます。

フード

皮膚トラブルが出やすいのでバランスの良い食事と、食物アレルギーが疑われる場合はその食材の使用していないフードに変えるなど気を付けてあげましょう。
さまざまな条件のそろったフードというのも難しいので、食物アレルギーがなく良く食べてくれるようであれば、腸内環境対策諸々はサプリやトッピングでしてあげるなど、主食以外のものも利用するのもおすすめです。

おやつ

シーズーは涙やけが出てしまう子も多いので、涙やけを悪化させやすい消化に悪いおやつは避けましょう。無添加であってもジャーキー(干し肉や乾燥させた魚)、ガム類は消化に悪い為控えるのがおすすめです。
無添加のクッキーや野菜やフルーツなどの自然素材の素朴なおやつがおすすめです。

シーズー

お勧めの食事・おやつ

干し芋スティック

完全無添加、無農薬、化学肥料不使用の安心安全な茨城県産のさつまいもを可愛い愛犬にどうぞ。
食物繊維もたっぷりで人気のおやつです。


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オリジナルクッキー

砂糖や防腐剤・着色料を一切使用していない素材の味だけを楽しめる素朴なクッキー。


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健康オメガ3オイル

DHA・EPA・ビタミンE・ビタミンDなどを豊富に含んだオイル


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国産生プレミアム 愛犬愛猫用フレッシュチーズ

良質の生乳に乳酸菌を加えて丁寧に作られた熟成前のチーズ。消化にも優しい栄養たっぷりのおやつで美味しく腸活が出来ます。

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乳酸菌おから(体重管理とお腹ケア)

乳酸菌おからシリーズはバランスよくビタミン・ミネラル・乳酸菌が含まれる手作り補助食品です。水でふやかしてボリュームアップも可能なのでカロリーオーバーが気になる子の食べ応え補助やビタミン・ミネラル補助にお役立て下さい。

乳酸菌おから
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馬肉小分けトレー

高品質で消化に優れた良質のタンパク質です。


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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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