わがまま娘「キキ」
2番目の愛犬「キキ」は、初めての愛犬「ジジ」が4歳の時に産んだ娘犬です。
4頭兄妹の一番チビだった子を残しました。
おデブ犬だった「ジジ」の娘とは思えないほど貧弱で小さく、1.8ｋｇしかないおチビ犬でした。
小さな子が欲しかったわけではなく、元気に成長してもらいたかったので、
元気そうな子達を里親に出していくと残ったのが「キキ」でした。
「キキ」は、正直、私が育てたというより、両親が溺愛した子でした。
特に母親は、
「小さいねんから、守ったらなかわいそうや。」
などど、勝手な言い分であからさまに「キキ」を贔屓し、溺愛しました。
いつでも「キキ」を小脇に抱え、しまいには、「キキ」を小脇に抱えたまま、ごはんをお茶碗によそうという、行儀の悪いことまでしだしました。
もちろん、「キキ」は、わがまま娘に育ちました。
母犬「ジジ」も「キキ」には弱かったので、家の中では自分が一番でした。
私以外は。
私は、その分、完全に「ジジ」派になり、「キキ」もそのことを知っていて、「ジジ」が私に甘えていると、
唯一、そこは、一歩引いて後でじっと見つめていました。
私の中では、この派閥もこれはこれでよかったかなと思っていました。
ずっと、犬を飼う事を反対してきた両親ですが、実は、動物好きで、
私が子供のころ、家で見るテレビは、なぜか、動物が出てくる番組ばかりで、
特に母親は、野生動物が出てくるドキュメンタリーなどを好んで見るので、私もそういう番組をずっと見ていました。
その動物好きがいよいよ発揮されたのが、「キキ」だったのです。
私も実家を出たため、「キキ」はありがたい存在でした。
母親は常に「キキ」中心の生活で、出かけても
「ジジとキキが待ってる」
とそそくさと帰ろうとするほどでした。
〜ここでひとやすみ〜
愛犬、あるあるエピソードベスト3「キキ」編
�� 裂けた。。。
ある朝、私が寝ていると、「キキ」が私の体の上をぴょんぴょん飛び越えながら走り回って遊んでいる。
無視して寝ていると、「イタッッ！！」
「キキ」が私の顔の上に着地して、飛び跳ねて去って行った。失礼な犬だ。
それでも無視して寝ていると、何かヌルヌルした感覚が。起きて鏡を見てみると、
私の耳と首は、血だらけ。枕は血だらけ、布団の上には、ピアスが落ちている。
まさか、、、
私の耳は見事に裂けていた。皆様もピアスの事故にはご注意を。
「キキ」1歳、夢中で遊ぶ無邪気な子供。
�� コソ泥
母犬「ジジ」と留守番中にゴミ箱あらしをするのが楽しいと知った「キキ」。
なんとか、自分は関係ないふりをしようと芝居をするも、なぜか、「キキ」だけは、
必ずマンガのコソ泥みたいに鼻回りがぐるり一周真っ黒になっている。
「キキ」2歳、ゴミ箱のから揚げが忘れられない成犬初期。
�� アトラクション「キキ」
母犬「ジジ」に意地悪な「キキ」。
「ジジ」が油断して歩いていると、どこからともなく、急にすごいスピードで「キキ」が飛びだして怒ってくる。
まるで、アドベンチャーアトラクション。いつも「ジジ」はびっくりしてのけぞるのが精一杯。「ジジ」専用アトラクションとして頑張った、「キキ」享年18歳。
「内弁慶、超怖がりの過保護犬」
「キキ」は、華奢で、食に興味も薄く、偏食気味なところもありました。
何しろ、過保護に育てられたので、超がつくほどの怖がりに育ちました。
お散歩に出ると、足元にぴったりくっついて歩くので、どこにいるのかわからず、
よく蹴飛ばしてしまうこともありました。いつも抱っこされて生活しているので、私の印象は、常に誰かの膝の上から私を見ている感じでした。
介護のような役割を果たしてくれた晩年の「キキ」
父が定年を迎え、自宅で過ごすようになり、だんだん家にこもるようになってきてから、
「キキ」は、まるで介護をするかのように常に父と一緒にいてくれました。
そのうち、歩行補助の押し車が必要となってきた父は、
「キキ」を車の上に乗せては、出かけました。
「キキ」は、父にされるがままに黙って一緒に過ごしてくれました。
以前は、母が「キキ」を常に小脇に抱えて過ごしていましたが、
今度は、父が常に「キキ」を抱えて過ごすようになりました。
「キキ」は、そのことをただ黙って受け入れてくれているようでした。
寝たきりで過ごした７ヶ月。頑張ったね「キキ」
「ジジ」が亡くなり、「キキ」はますます、両親の愛を一新に受けて晩年を過ごしました。
そんな「キキ」も17歳が過ぎ、足元もおぼつかない老犬になっていました。
ある日、「キキ」が突然、寝たきりになってしまいました。
きっかけは、座椅子で寝ていて、足を滑らせて落ちてしまったことです。
わずかな高さでしたが、高齢の「キキ」にとってびっくりしたらしく、
それから立てなくなってしまいました。骨折など何一つ外的な原因はありませんでした。
実は、腎不全に近いほどの状態になっていました。
立てなくなってそのことがわかりました。
17歳6ヶ月が過ぎたお正月前のことです。
腎臓機能は戻すことができません。
そのことは十分理解しています。
体にたまった尿素窒素を中和する点滴をすることで、体を楽にしてあげるということをしました。
体力さえ戻れば、再び立てる可能性はありました。
でも、「キキ」は最後まで立ち上がることができませんでした。
「キキ」の気持ちを思うと、今でも辛く心が締め付けられる思いです。
私は、「キキ」の視野を変えてあげるために、体を起こして首をささえて、時間を過ごしてあげていました。お散歩にも出るようにしました。
寝る時は「キキ」を頭元に寝かせて、少しでも何か訴えてくると、
体を動かせてあげました。
「キキ」は最後まで自分の意志でおしっこなどを伝えてきました。
お水を飲みたい、おしっこがしたい、ごはんが食べたい。
全て、意志を持って伝えてくれました。
おそらく気持ちはずっと元気な時と同じだったのでしょう。だからこそ、私は「キキ」の最期は心が締め付けられる思いが残ってしまっています。
「キキ」は、それから、7ヶ月間、頑張って生きてくれました。
18歳を迎えた夏、「キキ」は静かに息を引き取りました。
私は、この時の経験から、愛犬の介護や、腎臓に優しくそしておいしい食事などについて
お手伝いができるようになりたいと強く思い、商品選択や情報発信を意識するようになりました。
わがまま娘だった「キキ」は、一番親孝行な愛犬になってくれました。
