もともと肉食獣である犬・猫は子育てをするときに自分で食べて半分消化したものを吐き戻して離乳食として与えるために、簡単に吐くことができるような体の作りになっています。
さらに、私たち雑食性の動物に比べて腸が短いため、消化不良をおこしやすく、結果としてちょっとしたことからすぐに下痢をしやすい傾向にあります。
嘔吐は胃の刺激により「脳から吐いてしまいなさい」という信号が送られます。
下痢は腸が内容物を十分に吸収できないと判断したら「腸が出してしまいなさい」という信号を脳より先に送ります。これが急激にトイレに直行したくなる現象で、腸が第二の脳と言われる由縁です。
どちらも体内に吸収すると害と判断したものを出す防御反応になります。
人間の腸の長さは約8m、犬は大型犬で約3m、牛は約40mと言われています。
腸の長さが消化しやすい食べ物と時間にとても関係があることが分かりますよね。
特にパルボウイルス感染症の場合にはひどい下痢と嘔吐が見られます。
腐ったものを食べたせいの食中毒も細菌感染のひとつです。
空腹時に大量のご飯を与えるとあわてて一気食いをする子がいますが、食べ物が急激に消化管に入ってきた刺激で吐いたり消化不良になってしまいます。
免疫力の低下による消化能力の低下、肝臓疾患や熱中症、アレルギーやストレスによっても下痢や嘔吐をすることがあります。
犬・猫が下痢をする原因は色々とあるのですが、ほとんどは、食べ過ぎ、ストレスから来る胃腸の疲れ、感染症による一時的な下痢の場合がほとんどです。
下痢止めにより無理やり下痢を止めてしまうと、有害物質や異物は排出されず熱や体調不良が長引く原因となります。
薬をやめると、またひどい下痢をしてしまい下痢、便秘、下痢、便秘を繰り返すことになります。
愛犬・愛猫が下痢をしても元気そうであれば、半日から1日絶食し、胃腸を休めることが下痢対策として効果的です。
下痢のときは水分が失われるので、水分補給はしてあげましょう。
下痢のひどい場合は脱水症状になることがあるので、人間のスポーツ飲料を薄めたものを与えるのもいいです。
下痢が続き血便になってしまうこともよくあることなので慌てなくても大丈夫です。発熱を伴い下痢や嘔吐の症状がひどくなり元気が無い場合は病院に行かれることをお勧めします。
また、フードや食事を変えた際、下痢をする場合もあります。
それは、今まで食べてきた食べ物と異なることで、異物と認識したり過剰反応して引き起こしてしまう下痢です。
その場合は、一旦、切り替える前の食事に戻し、下痢が治まってきたら切り替える食事をほんの少量から混ぜて与えてあげてください。
ティスプーン1杯程度くらいの量で時間をかけて切り替えてあげてください。
下痢のときは便を硬くするために高繊維な食事を処方されることが多いですが、高繊維な食事は腸管を刺激し免疫力を低下させる場合もあり、さらに犬猫にとって栄養素が全くありません。
一番最良の食事は生肉・生骨を使った「手作り食」です。少量の繊維、高タンパク、適量の脂肪が一番消化吸収良い食事となります。
・消化を助ける「消化酵素」
・免疫を高める「プロバイオティクス」
・炎症を抑える「オメガ3オイル」
・抗酸化作用の「ビタミンC」
これらをご飯に取り入れることでより一層な下痢対策ごはんになります。