猫の腎臓は血液をろ過して不要な老廃物を体の外に追い出します。また、体に必要なもの(水分や電解質)はろ過したものの中から再吸収し、再吸収されなかったものが尿として排出されます。
猫に多い慢性腎不全は、加齢などにより腎臓の組織が少しずつ壊れることで、血液をろ過する能力が低下し、それが進行したもとなります。
また腎臓の機能が25%程まで低下するまで無症状なことが多いため、潜在的に腎機能の低下がすすんでしまいます。
猫の腎不全の特長は「ろ過する能力に加え体内に水分など必要なものを再吸収する力」も
低下し、そのまま吸収されずに排出され多尿になります。
猫は水分が不足するため、脱水状態となり喉が渇いて水をたくさん飲むようになりますが、再吸収される量は少ないため、多飲多尿、血液は本来より濃くなり、体内の毒素も濃縮されて症状があらわれます。
(※猫の腎不全の割合は多いのですが、原因はまだはっきりとわかっていません。しかし
15歳以上の30%が腎不全を発症するというデータがあり、猫の死因の
上位を占めています。)
一度傷つき動けなくなってしまった腎臓は元に戻ることはありません。
ですので残された腎臓を守り、負担を軽減するが大切になってきます。
現在腎不全で有効なのは食事療法となり、悪化させる原因となるリンの摂取量を制限することが重要となってきます。
その他にも、腎臓のダメージから守る栄養素を摂る事や、腎臓がろ過しなければいけな
い悪い老廃物を出来るだけ溜めないように工夫することが有効と考えられています。老廃
物を溜めない一つの方法として、猫の腸内環境を整えることで腸管内から血液中に移動す
る老廃物が減少し、腎臓の負担を和らげることが出来ると考えられています。
また、タンパク質を含め、食事は良質なものをとる事がおすすめとなります。
※腎不全によって脱水状態になった猫の体は毒素が濃縮されているため、体液を補ってあ
げれば症状を改善することが期待できます。
食事に気を付けてあげることも大切ですが、愛猫がなるべく穏やかに、安心して過ごせるように配慮してあげることも、体の負担を軽減します。
進行した腎不全の場合、タンパク質が分解される時の老廃物を減らすために、食事中のタンパク質の量を減らす必要があります。しかし猫の場合は完全な肉食であるため、タンパク質で体を維持し、エネルギー源としても消費しています。このために猫の腎臓病用の食事は初期であっても進行した状態であってもタンパク質を制限しすぎることはありません。
猫の腎不全食事療法
・リンを制限する(リンの制限によりおよそ3倍長生きできたというデータがある)
・ナトリウムは初期〜中期であれば制限する必要がないと考えられている
・進行していてもタンパク質は制限しすぎない
※リンとカルシウムとのバランスも大切で理想は1:0.9〜1.5と言われています。
愛猫の腎臓の悩みに。腎不全をサポートする療法食と、腎臓にやさしい栄養補助食品。
慢性腎不全は年齢とともに増加します。15歳以上の猫の約3割が腎臓病であるというデータがあるため、腎不全の疑いがなくても、猫は年齢とともにリスクが増加していると考え、高齢になるに従いリンの過剰摂取は避けるのが望ましいです。
リンが体の中にたまりにくくするためには、カルシウムとのバランスが重要となります。
摂取したリンに対してのカルシウムの理想的な値は1:0.9〜1.5と言われています。
また、食事だけではなく毎日の日光浴で天然ビタミンDを生成してカルシウムを上手に
取り込みましょう。
ハウンドカムでおすすめの腎臓にやさしい商品をご紹介。
腎臓のごはんはとにかく腎臓の負担を軽減することが大切となります。腸内環境を整えて
あげることや、リンの少ない良質なタンパク質を摂り、栄養、水分を補給する手助けをし
て愛猫の健康を応援に役立つ商品です。
※腎不全で療養中の場合、トッピング等はかかりつけの獣医師と相談しながら行って下さい。
※生肉は猫にとってドライフードと比べ消化にかかる時間も約半分程度と少なく、体の負担の少ない食べ物となります。消化の負担が少ない=本来消化に使われるエネルギーを体の健康や免疫維持、皮膚被毛などの様々な機能に使うことが期待できます。
リンについて:
フードの栄養基準は0.5%以上(成猫)とされています。(AAFCO栄養基準)
一般の総合栄養食フードでは0.8%〜1.1%以上が多いようです。療法食であるリナールアクティブは
0.5%と基準値ピッタリに抑えられ、カルシウムや他のミネラルとのバランスも良く調節されています。トッピングを利用する場合、現在の状態や、食べているフードに合わせて調節してあげましょう。
また、栄養素だけにこだわりすぎず、愛猫がストレスなくご飯を食べられているかも大切です。