そんな状態でも目に留まったのが、今のうちの「てん」こと「10」という札を着けた
そこでの呼び名が10番ちゃんでした。
ものすごい連れて帰ってアピールと、元気で人懐っこい子でした。
こんな子ならまるも一緒に遊べるであろうと、10番に決めました。
10番とは…処分所で年末処分されるギリギリの日に助けられた10番目の子だったそう
で、10番という札をつけているとのことでした。
他の子達にもみんな番号がついてあり、連れて帰ってアピールをする子やゲージの奥
で震えている子や…そんな中の1匹だけしかここから助けてあげれないことが、とて
もとても残念で、やるせなくて。
保護犬を一生ちゃんと世話をする誓約書などを書かせられました。
そして、その施設がこれからも経営していくために寄付をお願いされ、子どもたちが
お正月にもらったお年玉を渡しました。
10番ちゃんは「10番=ten」なので「てん」と名付けることにしました。
てんは…。
あの施設のフレンドリーさとは裏腹に、家に連れ帰ると凶暴さを発揮。
人なんて大嫌いで人に対してはものすごい警戒し、食事に対しては執着心がすごく
取り上げようなら唸る噛むのすごい野犬っぷりを見せ、ゲージに入れればゲージを
壊さんばかりの暴れようで…。
施設での立派な演技に騙されました。
私が飼った5番目の犬にして、犬の飼い方の本をまた読みなおしたほどです(苦笑)。
「こんな子と上手くやっていけるのかな…」とすごく不安だったんですが
「その不安は絶対犬に伝わるよ」と言われ、
目が覚めました。
犬ってすごい気持ちを感じ取る動物ですよね。
てんを飼って実感しました。
暴れる、噛む、脱走する…はじめの1年くらいは本当にてんとの戦いみたいな部分も
あり、家に帰ると小麦粉が散乱、お米が散乱、もはや笑うしかないと、はちゃめちゃ
な生活を楽しむことにしました。
今年てんは推定4歳。
今ではうちの犬達の中のリーダー犬になり、コマンド(命令)も一番聞いてくれるのが
てんです。
破壊行動も脱走も、唸ることも噛むことも一切なくなりました。
てんの人嫌いの克服には、会社に連れて行き、触ってもらったり、おやつをもらった
りして、最初は机の下から出てこないような子だったんですが、だんだん人に慣れて
行き、今もまだ大人の男の人は苦手ですが、だいぶマシになっています。
とにかくてんは走ることが大好きで、ときどきみんなで自然の中で思いっきり走り回り
に出かけます。笑顔で走っている姿を見るとこちらまで幸せになってきます。
こうやって一緒に生活すること、今はもうはちゃめちゃに苦笑いすことなく、心からの
笑顔で共に暮らしています。