ポメラニアンは丸いフォルムフサフサとした毛、活発で好奇心旺盛な犬種です。
いつも飼い主に可愛さをアピールするポメラニアン。
ポメラニアンは高度成長期にマルチーズ、ヨークシャテリアと共に愛玩犬の御三家と呼ばれ一大ブームを起こしました。
また、近年でもSNSや携帯電話のCMなどで注目されたり2018年の犬種別登録数でも4位と常に人気の高い犬種となっています。
そんなポメラニアンの性格や飼い方、食事を紹介させていただきます。
目次
ポメラニアンってどんな犬?
原産国 | ドイツ |
体重 | 1.8~2.3kg 個体により5kg程度にもなることがある。 |
体高 | 20cm±2cm |
グループ | 5G 原始的な犬・スピッツ 柴 秋田 甲斐 紀州 サモエド シベリアンハスキー 日本スピッツ |
毛の色 | ブラック、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリーム、オレンジ・セーブル、ウルフ・セーブル、ビーバー、ブルー、ホワイト、パーティ・カラー、ブラック・タン |
毛の特質 | 触り心地の良いダブルコート(下毛)アンダーコートと(上毛)オーバーコートの二重構造。アンダーコートは主に冬の保温機能を持ち短く密集して生えている。春に抜け落ちるため抜け毛の多い犬種としても有名。 |
外見の特長 | 豊富な下毛によって生ずる美しい被毛により人を魅了する。特に頸のまわりの豊かでたてがみのようなカラー(ラフ)や背上に堂々と保持した豊富な被毛で覆われた尾は印象的である。用心深い目をもつフォクシー・ヘッドと、尖った小さい耳がスピッツ独特の特徴で快活な外観を与える。 |
かかりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼 気管虚脱 涙やけ クッシング症候群 脱毛症 熱中症 水頭症 |
※JKC:一般社団法人ジャパンケネルクラブは、血統書を発行や、各種協議会、展覧会の開催、災害救助犬育成事業等、飼育奨励などの活動をしている団体
※FCI:国際畜犬連盟は1911年、ドイツ、オーストリア、ベルギー、フランス、オランダの5か国で設立された畜犬団体(ケネルクラブを含む)の国際的な統括団体
ポメラニアンの特徴を簡単にまとめれば、上記の表のようになります。
では、その特徴をさらにひとつひとつ詳しく見ていくことにしましょう。
ポメラニアン誕生ストーリー
ポメラニアンの祖先はサモエドです。シベリアン・スピッツとも呼ばれているスピッツ族の1つの犬種で中央シベリアで、ソリ犬、番犬、猟犬として人間と共に生活をしていました。
ポメラニアンの口角をあげいかにも笑うような表情はサモエドの頃から言われていてサモエドスマイルと呼ばれています。また、よく吠えると言われていた日本スピッツもサモエドを小型化し純白に固定したものである。またサモエドは極寒のシベリアで3000年以上前から存在していると言われペットではなく家族として大切に扱われたサモエドは忠誠心と人間への信頼が厚くポメラニアンの忠誠心の高さは祖先からきているかもしれません。
その後バルト海に面したドイツとポーランドの間に広がるポメラニア地方で発展したものをジャーマンスピッツと言いその中のジャーマン・ミッテル・スピッツが19世紀にイギリスに渡り小型化されました。10kg以上あった体重は5kg程度の半分になりました。その小型化された犬はジャーマン・クライン・スピッッツと呼ばれていました。そしてヴィクトリア女王が品種改良、毛色のカラーバリエーションを増やすなどポメラニアンの発展に貢献しました。
日本では昭和40年代にブームが起こり一般人ブリーダーなども出現し健康や性格に問題のある子も多数生み出される事になります。現代では法整備により安定されていますがブーム中の犬種を飼う時はしっかりとしたブリーダーから飼育するようにいたいものです。
ポメラニアン 柴犬カット
外見上の特徴
「フワフワ」「カワイイ」の代表格ともいえるポメラニアン。
さて、いったいポメラニアンの何がそんなに多くの人たちを惹きつけるのでしょう。
体格
ふわふわで丸いイメージのポメラニアン。個体差が大きく1.5kg程度から10kgぐらいまでと超小型から中型犬に近い重さまでみかけるポメラニアン。サモエドへの先祖帰り
とも言われる大きな子もいます。足は基本的に細く小型に生まれる子は関節が弱い子もみかけます。ふんわりとした毛に覆われているので肥満気味な子がわかりづらく飼い主は気をつけなくてはなりません。
生後30日で500g前後、90日で1kg前後、生後200日ぐらいまでは急激に成長し小型に収まる子はそこから殆ど大きくなりません。ポメラニアンとしての標準サイズは2.5kgと言われていますが1才過ぎまでどんどん成長する子もいます。親だけでなく祖父母の影響を受けるので飼う前に確認できればある程度の目安になります。
顔
ポメラニアンの顔は大きく分けてたぬき顔ときつね顔に分けられます。たぬき顔は鼻が短く目がまん丸でオデコがせまい感じになります。いつまでも子犬のような表情で小型に出る子にたぬき顔が多いとも言われています。きつね顔はキリッと二枚目で鼻筋が長いタイプでポメラニアンきつね顔のファンも根強くいらっしゃいます。またホワイトのポメラニアンはスピッツの特質を強く受け継ぎ子犬の時にたぬき顔でも大人になるときつね顔よりに変化する子もいます。
被毛 ― 色
ポメラニアンの愛らしい顔を引き立たせているのが、実は被毛の色です。
犬の被毛は茶色、黒、白を基本としていますが、交配を繰り返す中で人間の好みに合うようにと色彩のバリエーションを広げてきました。
その中でもポメラニアンは最も多い犬種と言われています。ブラック、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリーム、オレンジ・セーブル、ウルフ・セーブル、ビーバー、ブルー、ホワイト、パーティ・カラー、ブラック・タンなどがありますが、一般によくみかけるのはブラウン、ホワイト、ブラック、クリームですがジャパンケネルクラブが認めている中で希少なものだと価格の高い傾向があります。
被毛 ― 長さ
ポメラニアンの被毛はダブルコートで
(下毛)アンダーコートと(上毛)オーバーコートの二重構造になっています。。アンダーコートは主に冬の保温機能を持ち短く密集して生えています。春に大量に抜け落ちるため抜け毛の多い犬種としても有名です。ブラッシングは必ず必要な犬種でブラッシングしないと絡まったり耳の後ろに毛玉ができたりします。毛玉を放置すると皮膚病の原因になるのでできた場合はペットショップなどでトリミングブの必要があります。ブラッシングの効果は抜け毛対策だけではなくて、艶出し、血行促進、皮膚のちょっとした異常を察知する事にもなりますから、毎日の習慣にしてポメラニアンのふわふわした魅力を引き出してあげましょう。
ポメラニアンの可愛さ
ポメラニアンは度々テレビCMやSNSなどで話題になり脚光を浴びることが多いです。
ポメラニアンは愛犬家にとって知らない人はいないほど日本でも50年ほど人気犬種として愛されています。ぬいぐるみかと間違うような可愛さ、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、クルクル回って喜びを表現したり、上に向かってカールしている尻尾フリフリしたりと飼い主を飽きさせることはありません。また可愛いだけでなく飼い主をかばって自分より大きな敵に敢然と立ち向かう勇気と忠実さも持ち合わしているのも飼い主にとっては可愛いところです。あまりに小さな子は注意が必要ですが祖先のサモエドのように飼い主と一緒に寝るなどして可愛がっている飼い主さんも多い事でしょう。
ポメラニアンの性格上 注意すること
とても愛くるしいポメラニアンですが、子犬時に散歩や飼い主と家族以外の人間と接触がないと社会性が育まれずに他人に吠えたり、郵便配達の音に敏感に反応してしまう場合があります。しかしながら非常に利口な犬種でもありますので子犬時に根気良くしつけを行うことで手のかからない愛犬になりますので子犬時は頑張って愛犬に寄り添ってあげてください。また、留守番も得意な犬種でありますので子犬時から少しずつ外出の時間を長くしたりして留守番もできる子に育てることが飼い主とポメラニアン双方の為でもあります。
さらに多頭飼いにも向いている犬種なので子犬時に他の犬と接触をする事でドッグランなどに行っても他の愛犬と喜んで走り回ったり、遊んだりする愛犬になります。
このように幼犬の時のしつけや経験がその後の長い生活に大きく影響するのでポメラニアンの子犬を迎える時は人生の中でも時間に少しゆとりのある時期に飼い始める事をオススメします。
かかりやすい病気と対策
気管虚脱
喉から肺までの気管がありますが軟骨と膜性壁からなるもので愛犬には35個から45個ほどで形成されています。その気管の強度が足りずに膜性壁が気管の内部に入り込んだりして呼吸の邪魔をすることです。気管虚脱の初期症状は軽い咳などの症状が見られ悪化すると元通りになる事は難しいです。咳をする病気は多種にわたるため気になるような咳をする場合は獣医さんに相談することをオススメします。 ●症状 ・咳をする(乾いた咳や激しい咳) 元気がない 不眠 窒息●予防方法 ・・肥満は気管にも影響を与えます。散歩時に首輪を引っ張りすぎない。人間のタバコの煙を避ける。夏場に高温多湿を避ける。●治療法・鎮咳剤、抗生剤は根治する事はなく外科的手術で気管の外に柔軟な円筒を縫い付け気道を確保する。
膝蓋骨脱臼
「膝の皿」と私たち呼ぶ膝小僧の丸い骨を膝蓋骨といいます。
先天的にこの膝蓋骨を支えるじん帯が弱いと少しの衝撃でこの骨がずれ痛みが出て炎症を起こします。
住宅の床材であるフローリングの滑りが犬にとっては足腰への負担を招きます。
犬はもともと爪を立てて足を踏ん張り立ち上がったり歩いたりするものなのですが、滑る床では必死に踏ん張ろうとしても足に余計な力が入ります。
無理な姿勢を取ろうとして足腰に負担をかけるために膝蓋骨を発症する例が多いのです。
●症状
・痛がる
・スキップするような歩き方をする
・膝の腫れ
・立ち上がりにくそうにする
●予防方法
・足や膝に負担がかからないように、フローリング素材の床にタイル状のフロアマットを敷く
・ソファなどの高低差のあるところには、スロープやステップなど補助できるものを使用する
・抱きかかえるときは落下しないように注意する
ポメラニアンは骨が細いので、飛んだり跳ねたりする際に骨折する場合もありますから、高いところから飛び降りない工夫やおやつを与えるときなど喜んで2足立ちしながらジャンプしたり立ち上がったりさせないなど、
できるかぎり足に負担のかからないようにしましょう。
眼病(角膜炎など)
ポメラニアンの目は大きくて人を惹きつける大きな魅力のひとつですが、眼球が突出しているので角膜を傷めてしまいます。
ホコリ、細菌、ウィルスなどが目の中に入りやすいのです。
●症状
・手足で目をやけに触る
・涙や目ヤニの量が増える
・充血している
壁面や床面に顔を押し付けて擦るような様子を見せることもありますので、ふだんと違う行動をするときは注意して観察しましょう。
●予防方法
・早期発見
・目を擦らないように注視する
●治療法
・点眼薬で炎症を抑える
・進行によっては手術
涙やけ
目の周りが涙によって赤茶色に変色する症状。涙の成分に未消化のたんぱく質など毛に異常をきたす成分がある場合に発生する。小型犬に多く白いポメラニアンだと非常に目立つので涙やけ(流涙症)に悩む飼い主さんは多い。●予防方法 目の周りの余分な毛をなくす。消化の良いものを食事にする。特にジャーキーなどのおやつは消化に悪いので注意が必要。ドライフードの質にも注意が必要でドライフードが合わない場合は手作り食に切り替えるなどの対処が必要な場合もある。
水頭症
「アップルヘッド(リンゴのような頭の形)」がポメラニアンの一般的な頭の形の特徴です。
「水頭症」は、先天的な発育不良ものもありますが、後天的な要因としては、頭部外傷、脳腫瘍、脳内出血、ウィルス感染によるものが挙げられ、ポメラニアンをはじめこの頭の形を持つ犬種に多いといわれています。
トイプードル、ブルドッグ、チワワ、ヨークシャーテリア、シーズー、マルチーズなどが同種の形の頭を持つ犬種です。
脳の一部に脳脊髄液が過剰にたまってしまい、脳を圧迫することによりさまざまな神経症状が現れます。
●症状
・元気がなくぐったりとして寝ていることが多い
・視力障害
・歩行障害
・転倒
・旋回運動(グルグルと回り続ける)
・摂食障害(食欲不振や過食傾向)
・頭部に膨らみが見られる
・けいれん など
●予防方法
特にあるわけではないが、頭部をぶつけないように注意する
早期発見をすることで合併症などを防ぐ
●治療
薬剤を使用して過剰に分泌される脳脊髄液の量を増やさない
また、外科手術というのもあるが、現在では完全に根治できない。
低血糖症
低血糖とは、血液中のブドウ糖が異常に少ない状態のことです。
このブドウ糖が不足すると、震えや悪寒などの神経症状が現れますし、重症化すると昏睡状態に陥り、命の危険性を招くことになります。
ハチミツや砂糖を白湯割りしたものを飲ませて様子をみましょう。
重症化している場合は、すぐに病院で診てもらってください。
いずれにせよ、毎日の暮らしの中での観察と気づきは大切です。
ポメラニアンのカット
ポメラニアンは、基本的にトリミングの必要のない犬種ですが柴犬カットなどのカットをある程度維持する場合は月に1度トリミングを行う必要があります。カットの種類は多く柴犬カット以外にも柴犬カットより首周りの毛にボリュームを加えて全体的に丸みを持たせた、たぬきカット。その他にもライオンカットやサマーカットなど色んな種類があります。ただし毛を短くカットする場合は紫外線や熱を直接受けるため切り過ぎると暑さに逆に弱くなってしまうことも。また、フワフワとしなやかな被毛が短く切った事でその後、十分に伸びてこない、毛質が変化するなどの危険性もあるのでトリミングをする時は十分にトリマーに相談して行うことをオススメします。
ポメラニアンのミックス犬
近年、ペットショップでもよくみかけるMIX犬 人気犬種ランキングでもポメラニアンより人気なほどでベスト3にも入るほどです。犬種が違うもの同士なので健康上、問題がない愛犬が多く個性的というのが理由です。、ミックス犬でも片親がポメラニアンというのは人気でトイプードルやダックス、チワワなどの人気犬種とのミックス犬は街中でも見かけることがあります。ミックス犬はどちらかの犬種よりによることも多く、また小型犬同士での組み合わせでも体重の重い方の親寄りになることが多くどちらの親よりも大きく育つこともしばしば見られます。性格も個体差が大きく私もポメラニアンとポメラニアン×ペキニーズのミックス犬を飼っていますが理論上はミックス犬の方が大人しくなる確率が高いようですがポメラニアンの方が大人しいです。
帝塚山ハウンドカムのネットショップ
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修
代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。