犬種

トイ・プードルの性格、健康、病気、食事を知ろう!

プードルとトイ・プードル

アーモンド形のつぶらな瞳とくるくるの巻き毛、そして愛くるしい容姿を持ち合せた「プードル」は、サイズのバリエーション(大きさ)によって、4つに分けられます。
・スタンダード(体重16kg~29kg・身高45cm~60 cm)
・ミディアム(体重8kg~15kg・身高35cm~45 cm)
・ミニチュア(・体重5kg~8kg・身高28cm~38 cm)
・トイ(体重3kg前後・身高26cm~28 cm)

そして、「トイ・プードル」は、この4つのバリエーションのうちで、一番小さなサイズのプードルのことを指します。
どのサイズのプードルも、身体的な特徴や性格などは、ほぼ一緒で、同一の犬種に分類されています。(血統書では、「トイ・プードル」と明記)

トイプードル

トイ・プードルの飼い方ワンポイントアドバイス

トイ・プードルの性格と飼い方

社交的な性格

トイ・プードルの性格を一言で表現するならば、「社交的」という言葉がピッタリ当てはまります。
攻撃性が低く温厚で人なつこい、という性質を伸ばしてあげられるように、愛情いっぱいで育ててあげましょう。
きっと、愛犬家の良きパートナーや家族の一員として、楽しく一緒に暮らしていくことができます。

「トイ・プードル」が圧倒的な人気を誇っているのは、マンションなどの集合住宅や独り暮らしの方が増えているなどの日本の住環境やライフスタイルの変化にマッチしたためだと思われます。
しかしながら、最近では、この飼い主のライフスタイルや生活環境による影響で、シャイで恐がり屋のトイ・プードルが増えつつあります。
室内飼いに適した犬種ですが、運動による健康づくりのみならず、コミュニケーション能力を育み情緒豊かで幸せいっぱいの毎日が送れるように、欠かさず散歩に連れて行ってあげましょう。
トイ・プードルの散歩は、一日30分を2回が理想的です。

躾け(しつけ)と社会化トレーニング

トイ・プードルは、とても賢く、物覚えがよいため、躾け(しつけ)のしやすい犬種です。
その反面、自ら学習していく能力も高く、躾けを怠っていると、咬んだり、吠えたりという問題行動が出やすいという一面もあります。
そのため、子犬の早い時期(理想は生後3~4か月)から、「社会化トレーニング」に取組みましょう。

社会化トレーニングとは、愛犬が人間社会のさまざまな環境や刺激に対して適応し、平常心でいられるようにするためのトレーニングのことです。
犬には、聴覚や視覚の優れた機能を駆使して、外部環境からの刺激をいち早く察知し、自らの身を守るという本能が備わっています。
そして、本能には、「条件反射」も含まれています。

条件反射で有名なのが、ノーベル生理学・医学賞を受賞したパブロフ博士による「パブロフの犬」と呼ばれている実験です。
この実験は、「必ずベルを鳴らしてから犬にエサを与えると、エサが無くてもベルを鳴らすと、ヨダレをたらすようになる」というものです。

例えば、愛犬が聴覚からの刺激(屋内であれば、インターフォンのチャイム、電話・ファックス、掃除機の音、屋外であれば、工事現場、救急車・パトカーなどのサイレン、雷や花火の音など)に反応し、無駄吠えをして困っている、というご相談を頂くことがあります。

このような場合の社会化トレーニングの方法は、次のように行います。
・第一段階:ラジオやTVなどの音を聴かせて、自然環境下では聞き慣れない音に慣らし始めます。
・第二段階:段階的に、スマートフォンの呼び出し音や環境音が入ったCDなどを繰り返し聴かせ、警戒心を抑えていきます。その際に、それらの音の後に、直ぐに、おやつを与えたり抱いたりして、安心していられる状態(平常心)を保っておくことができるような習慣を身に付けさせてあげましょう。

同様に、視覚に対する刺激(屋内であれば、見慣れない来訪者や来客、屋外であれば、風で揺れるPOPやのぼり旗、往来する自動車・バイクや自転車、散歩中に近づいてくる見知らぬヒトや犬など)が見えてくると、おびえて動かなくなって困っている、といったご相談を頂くこともあります。

やはり段階的に社会化トレーニングを行うことで、解消される場合があります。
・あなたが抱っこした状態で、犬好きな友人・知人に会わせて、愛犬が大好きなおやつを食べさせてもらうなどして、緊張を解きほぐすことから始めます。
・段階的に、抱っこした状態で、屋内から窓越しに屋外の風景を見せたりします。
特に、警戒心が強くなる物体や散歩中に出会うヒトや犬については、やはり抱っこした状態で遠目に観察させてから、段々と近づいていくようにしてあげましょう。
・ドッグカフェ、ペットショップ、ドッグランやペットショップ主催のイベントなど愛犬家と犬たちが集まっている場所へ連れていくなどの工夫をしてみてください。

また、嗅覚に対する刺激に対する条件反射に対する社会化が必要な場合もあります。
この場合は、愛犬が好む天然成分100%のアロマエッセンシャルを見つけ出して、それを上手く活用して平常心が保てるように習慣付ける、という方法などが用いられています。

特に、トイ・プードルについては、賢い犬種であるだけに、「さりげなく外出し、さりげなく帰宅する」ことを心掛けておかないと、飼い主が外出する際の行動パターンを覚えてしまって、引き留めようとする行動が習慣化してしまう場合があります。
お留守番に慣れさせるためには、「さりげなく外出し、さりげなく帰宅する」ことで、愛犬の平常心が保てるように習慣付けてあげましょう。

多頭飼い

サイズのバリエーションに関わらず、プードルはプードル以外の他犬種とも仲良くなりやすく、多頭飼いに向いた性質を備えています。
ただし、スタンダードプードルと比べて身体が小さいため、トイ・プードルは飼い主に対する依存度が、少し高くなります。
そのため、神経質で甘えん坊な一面が垣間見られる場合もあります。

トイ・プードルを多頭飼いする場合には、個々の性格を考慮して、他の犬との距離感の取り方を意識してあげれば、キュートなトイ・プードルのユニットや仲良しなワンちゃんのコラボチームを作っていく、ということも可能です。

トイ・プードルを飼うための環境

子犬から老犬までの一生涯を通じて

トイ・プードルの平均寿命は15年で、概ね1歳で成犬となり、10歳を超えるとシニア犬となります。
これらのライフステージを意識した環境を用意してあげることが大切です。
しかしながら、ライフステージに合わせて、頻繁に環境を変えていくということではなく、長く慣れ親しんだ環境で安全・安心に生活が続けていけるように、最初から適切な環境を用意してあげる、という心構えが重要です。

ペットショップで、生後間もないトイ・プードルが、兄弟らしき子犬とじゃれ合ったり、咬み合い遊びをしている微笑ましい場面に遭遇することがあります。
このような触れ合いは、その後の社会化の基礎を身に付けるのに役立っています。

好奇心旺盛で学習能力も高いトイ・プードルだからこそ、愛犬をわが家に向かい入れた時から、早い段階からハウスのトレーニングを行いましょう。
ゲージは、トイ・プードルが飛び越えないように屋根のあるものを選びます。
そして、クレートは、身体の大きさに合ったサイズのものを選んで、ゲージと隣接させて、両方とも、リビングなど家族と接する頻度が高く、適度な生活音があって、直射日光が当たらず、風通しの良い場所に設置してください。
「クレートは寝室、ゲージ内は愛犬専用のリビングやトイレスペース」といった感じで、しっかりと使い分けができればベストです。

子犬のトイ・プードルは、部屋中のさまざまなものに興味を示しますので、床置きのストーブやゴミ箱等の置き場所には、十分に気を付けてください。
また、小さな身体で活発に動き回りますので、家具のすき間などにも注意が必要です。
観葉植物や殺虫剤などの誤飲や誤食などによる中毒にも気を付けておかなければなりません。
どうしても危険性が高い死角などができる場合には、フェンスでふさぐなどの工夫も必要です。

フローリングの部屋であれば、足を滑らせないようにカーペットを敷き、コンセントや配線にはカバーを付けて、部屋を小まめに片づけて、ケガにつながる事故の防止対策などの安全管理を行ってください。

トイ・プードルの健康美

「人気犬種ランキング2017(アニコム損害保険株式会社による調査)」の全体ランキングで、トイ・プードルが1位を獲得しました。
なんと、8連覇という根強い人気が続いています。
入門者でも飼いやすい賢い犬種だというだけではなく、ぬいぐるみのような「放っておけない可愛らしさ」に魅了されてしまう愛犬家が多いためではないでしょうか。

くるくるの巻き毛

犬の被毛は、「下毛(アンダーコート)」と「上毛(オーバーコート)」の二重構造になっています。
この内、下毛(アンダーコート)は、身体を寒さから保護するために生えています。
そのため、本来、イヌ科の動物は、「換毛期(かんもうき)」と呼ばれる春と秋の時期に、約1カ月間を掛けて生え変わる「換毛(かんもう)」というメカニズムを持っています。
このようなイヌ科の動物本来の換毛のメカニズムを持っている犬種を、「ダブルコート」と呼んでいます。
一方、室内犬として品種改良されてできた犬種の中には、下毛(アンダーコート)があまり発達しておられず、年間を通じて、殆ど換毛しない犬種がいます。
これを「シングルコート」と呼んでいます。

トイ・プードルは、シングルコートの中でも、特に、換毛が極少の犬種です。
そのため、室内飼いしやすく、不動の人気NO.1につながっている一因にもなっています。
密に生えた上毛(オーバーコート)は伸び続けるため、トリミングが必要となります。
トリミングサロンにデビューして、バリエーションに富んだおしゃれが楽しめるのも、トイ・プードルの不動の人気NO.1をささえている最大要因の一つです。
ぜひ、お気に入りのトリミングサロンを見つけ出し、トリマーさんに完成イメージ・全体の印象・パーツの印象などを伝えて、あなたの愛犬の可愛らしさと個性を引き立ててくれるスタイルをオーダーし、愛犬ライフを楽しみましょう。

14色のバリエーションが揃っているトイ・プードルですが、そのうち、飼われている頭数が多いのは、レッドです。
そして、ホワイト、ブラック、ブラウンの三原色、シルバーとアプリコット辺りも、よく見かけます。

中間色は、三原色を掛け合せてできたため、トイ・プードル本来の性格が出にくいという説があります。
しかしながら、実際には、子犬の時期の被毛がレッドだったトイ・プードルが、成長に従って「退色(たいしょく)」して、アプリコットに近い色に変わったりすることもあるので、被毛の色と性格には、必ずしも、深い相関関係がある訳ではなさそうです。
被毛の色にあったカットによっても、大きくイメージが変わるため、その影響もあるのかもしれません。

ブラッシング

ブラッシングには、皮膚に付着したホコリや汚れを落とす役割もあるので、毎日のお散歩の後に行うようにしましょう。
換毛がない、といっても全くない訳ではありません。
毛の根本から、毛の流れにそって丁寧にブラッシングしていきます。
抱っこしながら、「背中、お腹、胸、足先、しっぽ、おしり、そして、最後に顔回り」という順番で、安心感を与えながら行っていきます。

トイ・プードルのカールした上毛(オーバーコート)は、下毛(アンダーコート)と絡まりあって生えています。
そのため、耳、脇、内股、足先、おしりなどは「毛玉(けだま)」ができやすい、という特徴があります。
全身をさわって、毛玉ができていないかをチェックしてください。
大きな毛玉がある場合には、丁寧にほぐしてあげましょう。

肌を傷つけずに、抜け毛や死毛もしっかり取り除いてくれるスリッカーブラシやピンブラシ、コームなどを上手く使い分けましょう。
スリッカーブラシは、柄とブラシ部分がT字型でつながっているブラシです。
元々は、トイ・プードルと同じようにカールした毛を持つ羊の毛を解くために開発された道具です。
スリッカーブラシを選ぶときには、ブラシのピンの素材が被毛と皮膚の両方に優しいもの、そして愛犬の身体の大きさなどを考慮して使いやすい角度になっているもの、などを選びましょう。
また、ブラッシングする身体の部位によっては、柄とブラシ部分がストレートにつながっているブラシの方が使いやすい場合もあります。
この場合も、ピン先端やゴムパッド部分に、皮膚を傷つけない工夫がされたものなどを選びましょう。
コームは、毛玉をチェックしたり、仕上げ用に用意しておきましょう。

シャンプー&リンス

シャンプーは、月に1から2回を目安に行いましょう。
ただし、体調や皮膚の状態が悪いとき、発情中や妊娠中には、シャンプーを控えておいた方が良い場合もあります。

シャンプーとリンスは、被毛と皮膚の両方に優しいオーガニック素材100%のものを選びましょう。
そして、お湯の温度は、犬の体温に近い37から38度くらいが適温です。

シャワーヘッドは身体から離さず、音が大きくなったり、水はねしないようにし、顔に直接にかからないように工夫してあげてください。
目や鼻に水が入ってしまうと、犬が痛がってしまいます。
恐がって警戒心が強くなってしまうと、シャンプー嫌いになってしまう場合もあります。

シャンプー&リンスの後に、身体をブルブルと震わせて水しぶきを飛ばします。
このときに、耳の中に溜まった水が飛び出ます。
だから、思いっきりブルブルさせてあげましょう。

その後、吸水タオルやバスタオルで表面の水分を拭き取ります。
そして、ドライヤーの温風でブローし、最後はコームで整えます。
ブローの際には、くれぐれもドライヤーを近づけ過ぎないようにし、低温やけどに気を付けましょう。

そのほかのデイリーケア

「デンタルケア」「爪きり」「涙やけ対策」「耳のお掃除」の4つは、欠かさずに行いましょう。
外観の美しさだけでなく、健康美にも配慮してあげることは、トイ・プードルの健康美を維持するための基本です。
ポイントを抑え、あなたの愛犬の健康美を維持するのに役立ててください。

デンタルケア

犬の歯は、乳歯28本が生後1年くらいで、永久歯に生え変わり始めます。
永久歯は42本で、犬の歯では最も大切な機能歯(きのうし)と呼ばれている上顎(うわあご)の第4前臼歯(まえきゅうし)と下顎(したあご)の第1後臼歯(あときゅうし)だけが、上下の歯が咬み合うようになっています。
ここは、歯石や歯垢が溜まりやすく、特に気を付けてケアしてあげないといけない箇所になります。

デンタルケアの基本は、歯磨きです。
子犬のころから、歯に触られる訓練をしておくことで、歯磨きを嫌がらないようになります。
指にチーズなどを付けて舐めさせる、指を口に入れる、といった順番で慣らしていき、サックや歯ブラシで磨く練習につなげていきましょう。
また、犬専用のスケラーで歯石とりもしてあげましょう。
愛犬が歯石とりを嫌がる場合には、高い技術力を持った専門家に任せましょう。
手際よく短時間の間で対応してもらえますので、愛犬もストレスフリーです。
麻酔を使わない歯石取りを選択されることをお勧めします。

そのほかにも、口腔内に残った食べカスなどを分解して歯石や歯垢がつきにくい、口内環境を作ってくれるサプリメントなどもあります。
これらを上手く活用して、健康で美しい歯を維持しましょう。

爪きり(つめきり)

概ね2週間に1回のペースで爪切りをしてあげましょう。
犬の爪は、先がかぎ状になっており、爪の中に血管と神経が通っています。
くれずれも深爪(ふかづめ)にならないように気を付けて、何度かに分けて少しずつ切りましょう。

涙やけ対策

ホワイトカラーのトイ・プードルは、成長に伴う退毛もなく、一生涯、気品あふれる白いふわふわの被毛を維持します。
せっかくのチャームポイントも、涙や目ヤニを放置していると、涙に含まれる成分によって、目元が赤茶色に変色してしまいます。
これが、「涙やけ」です。

医学的には、流涙症(りゅうるいしょう)と呼ばれる症状で、涙管に詰まった老廃物が原因で涙がうまく流れなくなり、目元から溢れ出た涙によって、毛が焼けて(変色して)しまいます。

涙やけは、トイ・プードルにも多くみられます。
放置しておいて悪化すれば、湿疹(しっしん)、皮膚炎、まぶたの痙攣(けいれん)などを引き起こす場合もあります。
そのため、ホワイト以外のトイ・プードルであっても、決して、放置しておけない症状なのです。
多過ぎる涙や目ヤニに気づいたら、オーガニックなローションなどで目の周りを拭いて清潔にし、細菌の繁殖を抑えて、悪化を抑えましょう。

涙やけは、食事の影響を多大にうけやすい症状の一つです。
何よりも、根本原因となっている未消化のたんぱく質や老廃物を残さないようにすることが大切です。
小型化されて誕生したトイプードルは涙管も細く詰まりやすいと考えられます。
その細い涙管に分解しきれなかったタンパク質や老廃物が詰まると涙やけを起こしてしまいます。
ジャーキーや添加物の多い食べ物は涙やけの原因となりやすく注意が必要です。
また、肥満も涙やけに悪影響を与えます。
涙やけ予防にはナチュラルな食事を心がけましょう。
それらの原因となる栄養素の消化を助けるフードやサプリメントを採り入れていくことをお勧めします。

「涙やけにならない為の生活スタイルやおすすめの食事をご紹介」
https://www.houndcom.com/html/page82.html

耳のお掃除

ふわふわの垂れ耳(たれみみ)も、トイ・プードルのチャームポイントの一つです。
しかし、耳の中まで生えている毛のために、蒸れやすく汚れやすいという短所もあります。
特に、外耳炎や耳ダニの予防に配慮して、1から2週間に一度のペースで、スキンローションやイヤークリーナーなどを使って、耳の入口付近のケアをしてあげましょう。
オーガニックな材料や素材にこだわって、愛犬のデリケートな耳を傷つけないように気を付けてください。

トイ・プードルがなりやすい病気と対策

トイ・プードルがなりやすい病気について解説し、生活環境の改善や飼い主さん自身でもできるケアについてお話します。(病気の診断と治療(医療行為)については、必ず、獣医師に相談するなどしてください。)

A. 糖尿病(とうにょうびょう)

糖尿病は、その発症原因によって、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分類されます。
犬の糖尿病の7から8割は、1型糖尿病が占めています。
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が壊れてしまい、まったくインスリンが分泌されなくなってしまい、細胞内に入れない糖分が血中にとどまり、尿の中に余った糖が多量に排出されてしまうことによって、糖質、脂質、タンパク質の代謝に悪影響をおよぼし、身体のさまざまな機能を低下させます。
重症になると、昏睡に陥ってしまう危険な病気です。
幼犬や子犬の時期の発症率が高く、やせ形の体型に多く、急激に発症し、病状も急速に悪化していきます。

一方、遺伝的に糖尿病になりやすい犬種が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病するのが、2型糖尿病です。
2型糖尿病は、8歳以降の成犬や老犬での発症率が高く、肥満型の体型に多く、ゆるやかに発病し、ゆっくり進行します。

トイ・プードルの場合には、遺伝的な要因によって、糖尿病の発症率が高い犬種だと考えられています。
糖尿病は、全てのライフステージを通じて、強く意識しておく必要のある病気です。

発症の初期段階では、水分をとる頻度が極端に増えて、尿の回数が増えます。
その後、血糖値の高い状態が続き、やがて食欲減退、体重減少などの症状が現れはじめ、更には、白内障、網膜症、自律神経障害、糖尿病性腎症、肝疾患、細菌感染症などの合併症を引き起こす可能性も高くなります。

糖尿病になった犬の9割くらいが、インスリン治療(薬物治療)を行っています。
しかしながら、特に、2型糖尿病では、合併症がなく血糖コントロールが安定していれば、運動療法と食事療法を続けることで、血糖が下がり、更に、糖尿病のさまざまな症状の改善効果が期待できます。

運動療法としては、有酸素運動(酸素を十分に取り入れて行う中程度の負荷で行う運動)が効果的です。
具体的には、ゼイゼイと息苦しくならない程度のやや速足での散歩などです。
ストレスが解消し、脂肪の利用が促進され、血糖値も低下して、インスリン投与量を減らしていけるという効果が期待できます。

また、1型糖尿病における膵臓のβ細胞が壊れてしまう原因には、自己免疫力が介在していると考えられています。
予防という観点から、日々の適度の散歩とストレスフリーな生活環境が大切だと言えます。

B. 外耳炎(がいじえん)

耳穴(じけつ)と呼ばれている耳の入り口から鼓膜(こまく)までの炎症のことです。
炎症の発症原因は、食事性アレルギーやアトピーによる場合、ノギなどの植物の種が入ってしまったり、ポリープや腫瘍(しゅよう)ができたり、ミミヒゼンダ二などの寄生虫やマセチアなどの真菌(かび)であったり、と様々です。

症状も様々ですが、後肢(あとあし)で耳の周りを掻いたり(かいたり)、頭を地面に擦りつけたり、という愛犬の動作が頻繁に見られるようになったら、悪臭や耳垂れ(みみだれ)などの症状を確認してみてください。
症状が悪化すると、強い痛みがともなうため、耳を触られるのを嫌がります。

日ごろからできる予防は、定期的に、耳の入り口付近のケアしてあげることです。
詳細は、「2.3.4.4耳のお掃除」を参考にしてください。

C. 歯周病(ししゅうびょう)

トイ・プードルは、顎(あご)が小さく、前歯(まえば)と犬歯(けんし)が密集しやすく、歯周病(ししゅうびょう)になりやすい犬種です。

歯周病は、細菌の感染によって歯の下部の歯槽骨(しそうこつ)で引き起こされる炎症のことです。
進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台が溶けて、歯がグラグラと動くようになる病気です。

歯磨きのときに出血する、口臭が気になる、歯肉が赤く腫れている、歯が長くなったような気がする、などの症状があれば、歯周病になっている可能性があります。

犬は、鼻の穴の横に、薄い骨を隔てて、歯がならんでいます。
そのため、犬歯から奥歯(おくば)にかけて歯周病が悪化してくると、鼻にも大きく影響してしまいます。

また、歯周病の発症原因の一つとして、細菌感染があります。
糖尿病で高血糖状態が続くと、体の中の防御反応が低下して感染症になりやすくなることから、糖尿病の犬は健康な犬に比べて歯周病にかかるリスクが高まります。
そのため、歯周病は、糖尿病の合併症の一つだと考えられています。
また、高血糖状態では、歯茎(はぐき)の血管が傷んでしまうために、歯周病が進行しやすくなる、という相関関係もあります。

予防としては、やはり日頃からの口腔ケアが大切になります。
詳細は、「2.3.4.1デンタルケア」を参考にしてください。

D. ドライアイ(どらいあい)

涙は、目を構成する層状の組織である角膜(かくまく)や結膜(けつまく)の異物を洗い流し、抗菌作用を発揮します。
また、角膜に酸素を与え、その表面を滑らかにして光学的機能を維持する、などの機能も果たしています。

「ドライアイ」は、涙の質が悪くなったり量が減ったりして、「涙液膜(るいえきまく)」と呼ばれている涙の層が、目の表面に適正に作られなくなる病気です。
年齢に関係なくトイ・プードルに多い病気の一つで、さまざまな眼病(がんびょう)の原因となります。

涙液膜は、外側から「油層(ゆそう)」、「水様層(すいようそう)」、「ムチン層」という3層から構成されており、角膜や結膜に広がっています。
このうち、油層は、瞼(まぶた)にあるマイボーム腺から分泌された脂質(油分)で膜を張ることによって、涙液が過度に蒸発することを抑制し、また涙が瞼の縁を越えて顔面にあふれ出ることを防いでいます。
この油分が低下すると、瞼から溢れだして、「涙やけ」を引き起こす場合が多くなります。
涙やけについては、「2.3.4.3涙やけ対策」を参考にしてください。

E. 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)(パテラ)

症状と予防
トイ・プードルの場合は、骨組みが華奢(きゃしゃ)でありながら、活発に運動するために、他の犬種と比べて、先天的に四股の病気になりやすい傾向が強いと言えます。

その中でも、特に発症率が高いのが、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)です。
この病気は、ヒザのお皿が正常な位置から外れ、後肢(こうし)全体の骨と筋肉にゆがみが出る病気です。

トイ・プードルは、好奇心旺盛(こうきしんおうせい)で活発に行動するため、特に、室内の障害物などによる打撲や落下などの事故を原因として、この病気にかかる場合が多いです。
対策については、「2.2.1子犬から老犬までの一生涯を通じて」を参考にしてください。

また、足裏の毛が肉球より長くなると滑りやすくなるため、頻繁にチェックして長い部分はカットしてあげましょう。
プロのトリマーさんが使っている小型軽量なペット用バリカンを使えば、部分カットも上手にできます。

膝蓋骨脱臼の予防、対策として、日頃より適度な運動を欠かさず関節を支える筋力をつけておきましょう。
肥満は大敵です。
体重調整にも十分配慮してください。

トイ・プードルの健康づくり、食事について

あなたの大切なトイ・プードルの身体が、自然治癒力を発揮し免疫力を高め、そして健康美を維持していくためには、日々の食事を大切にしましょう。
体内環境を整えるためには、過不足なくバランスよくさまざまな栄養素を採ることが基本となります。

・涙やけ
・膝蓋骨脱臼
・アレルギー
など、健康トラブルを回避するには肥満は禁物です。
肥満のないスリムな体を目指しましょう。
水猟犬として活躍したプードルですのでカモなどの小さな鳥は体に合うかもしれませんね。
ナチュラルな食事が大切です。
消化分解しにくいタンパク質は涙やけ、アレルギーの原因となりやすく、特に涙やけが多発しやすいトイプードルはナチュラルな消化のいい食事を心がけてあげましょう。
ジャーキーや乾燥肉、添加物の多いおやつは消化分解が悪く極力控えてあげたいです。
生肉や生骨はジャーキーや乾燥肉とは違い酵素や乳酸菌がたっぷり含まれているため、消化分解がしやすく涙やけなどの要因になりにくいです。
ドッグフードだけじゃなく、手作りごはんや生肉のトッピングもいいでしょう。

また、トイプードルは口吻が細長く小さな歯が詰まって生えているので歯石が付きやすい傾向にあります。
歯石対策として、時々生骨を与えてあげると歯磨き効果と同時に生骨に含まれる乳酸菌などの良性菌が口内環境にいい影響を与えてくれます。
生骨のおいしさに食欲を刺激されると唾液が出ますし、硬いものを噛むことでも唾液が出ます。
唾液には口内を消毒する役割があり歯垢や歯石が付きにくい環境をつくってくれます。
手羽先や手羽元など小さくて食べやすい肉付骨はトイプードルでも食べやすいです。
ただし、鶏の骨は加熱すると硬く細く割れるので、必ず生のまま与えてあげましょう。

一般的に用いられている公式にあてはめると、体重3kgのトイ・プードルに必要とされるカロリーについては、287kcalとされています。
これについては、運動量や年齢、また体調などによって異なりますので、目安と考えてください。

体内環境を維持していく上では、「水分」の摂取も大切です。
個体による差はありますが、一説によると、体重3kgのトイ・プードルに必要な一日あたりの水分量は、150から300mlくらいとされています。
これを全て水(液体)からだけで採るのではなく、食事から採ることを心掛けてください。

そのため、「生食」や「ローフード」を採り入れることをお勧めします。
しかしながら、ドライフードを中心とした食事であっても、それに「生肉」をプラスするなどの「ひと工夫」で、栄養価の高い水分を沢山含んだ食事になります。

手作り食を採り入れたいけれど、忙しくて時間が確保できない、また、何から始めたら良いのか迷ってしまう、という方も多いのではないでしょうか。
そにような方には、安全性が高く、豊富な栄養成分を与えられる「厳選素材」を取り揃えて提供してくれる「手作り食セット」などの活用をお勧めします。

お勧めメニューの一例

<幼犬にお勧めの一食100kcalのメニュー>
・地鶏ネック骨付きミンチ(35g/70kcal)
・ヤギミルク(3g/15kcal)
・ベジタブルMIX(3g/15kcal)
・昆布粉末(2g/3kcal)

<成犬にお勧めの一食215kcalのメニュー>
・地鶏ネック骨付き(1本/180kcal)
・リブレパワー(5g/20kcal)
・ベジタブルMIX(3g/15kcal)

<老犬にお勧めの一食160kcalのメニュー>
・地鶏ネック骨付きミンチ(50g/100kcal)
・ハトムギパワー(10g/40kcal)
・リブレパワー(5g/20kcal)
・シーポランMAX(1g/2kcal)

ここで採りあげたメニューについては、https://www.houndcom.com/html/page9.html に掲載されています。
他にも、症状別のメニューなども載っていますので、ぜひ、ご参考にしてください。

どうしてもバランスが気になる場合は、愛犬のライフステージや体調などを考慮して、サプリメントで補う方法も有効です。
愛犬のサプリメントは、身体に優しい安全・安心なオーガニックなものを選んであげましょう。

愛犬にとっては、おやつも楽しみの一つです。
おやつ選びは自然素材にこだわったナチュラルなおやつ、砂糖や味付けのないおやつを厳選してあげましょう。

基本情報&マメ知識

FCI(国畜犬連盟)分類

9Groupコンパニオン・ドッグ&トイ・ドッグ

原産国

フランス

由来と活躍の場

プードルの先祖犬は、ドイツにいた水辺で狩猟をしていた犬だとされています。
その後、ヨーロッパの広い地域でさまざまな犬と交雑され、ドイツで水猟犬として定
着し、フランスに渡った、とされています。

フランスでも、当初は水猟犬として飼われていましたが、17世紀以降は、上流階級の愛玩犬となり、サイズやカラーが増えていき、そして、トイ・プードルが登場しました。

トイ・プードルは、賢く活発に動く犬種であるため、ドッグ・サーカスやドッグ・スポーツの世界でも活躍してきました。
最近では、警察犬として活躍するトイ・プードルもいます。
また、ほとんど換毛がないという特徴を活かし、病院や高齢者介護施設で行われているドッグ・セラピーの現場で活躍しているトイ・プードルもいます。
愛玩犬としてのみならず、活躍の場が広がっている人気NO.1犬種です。

外形の特徴

一言で、表現すれば、まさに、ぬいぐるみのような外観です。

小柄な身体ではありますが、長すぎず、ほどよい丸みのあるスクエアなボディーに、くるくる・ふわふわの巻き毛が密に生えています。
真っ直ぐに伸びた四肢は筋肉質で発達しています。

額から目にかけて少しへこんだ丸顔には、黒っぽいアーモンド型の愛らしい目、黒色または赤茶色の鼻、引き締まった口がバランスよく配置されています。
そして、何よりも、厚みのある幅広のふわふわの耳が、可愛らしさを引き立てています。

体重/身高

3kg前後/26~28cm

14色(ホワイト、ブラック、シルバー、シルバーベージュ、シルバーグレー、グレー、ブルー、レッド、ブラウン、カフェ・オ・レ、ベージュ、アプリコット、シャンパン、クリーム)

ティーカップ・プードル

21世紀に入ってからは、トイ・プードルよりも更に小さな「ティーカップ・プードル」と呼ばれている超ミニサイズが、アメリカで登場しました。
成犬の体重が、わずか2kg前後という個体も多く、これは、生後3~4ヵ月くらいのトイ・プードルの体重に匹敵します。
なお、血統書の表記名は、「トイ・プードル」とされています。


プードルカテゴリ

愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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