犬種

チワワのこと、もっと知りたい! ― 人気の犬種シリーズ ―

「チワワ」のイメージをどのように捉えていますか。

「世界一小さい犬」
と、描く人が多いかもしれませんね。
確かに、手のひらに乗るサイズのチワワの画像を見ると「こんなにも小さい犬がいるの?」と驚いてしまいます。
体重も極小サイズで500gほど。
成犬でも1㎏~1.5㎏くらいの子もたくさんいます。
しかし、小さくて可愛いイメージのあるチワワですが、実はチワワの魅力はそればかりではないようです。

2017年度JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)の犬種別犬籍登録頭数の発表をみると、1位のプードルに続く地位をチワワは誇っています。
これほどまでに愛されるチワワって、いったいどのような犬なのでしょう。

今回は人気の犬種シリーズ集の「チワワ編」です。
チワワの魅力をさらにみつけることにしましょう!

チワワってどんな犬?

※JKC:一般社団法人ジャパンケネルクラブは、血統書を発行や、各種協議会、展覧会の開催、災害救助犬育成事業等、飼育奨励などの活動をしている団体

※FCI:国際畜犬連盟は1911年、ドイツ、オーストリア、ベルギー、フランス、オランダの5か国で設立された畜犬団体(ケネルクラブを含む)の国際的な統括団体

チワワの特徴を簡単にまとめれば、上記の表のようになります。
では、その特徴をさらにひとつひとつ詳しく見ていくことにしましょう。

チワワ誕生ストーリー

犬の祖先はオオカミです。
人間との深い関りをもちながら、長い歴史の中でさまざまな犬種を生み出してきました。
その数は今や非公認犬種で、7~800種類ともいわれています。
では、チワワ誕生までには、どのようなプロセスがあったのでしょうか。

実は、チワワは南米大陸を原産とする「テチチ」という犬を改良したといわれています。
テチチは「吠えない小さな犬」という特徴を持ち宗教的儀式に用いられたこと、またあるときはウサギと同じように食用犬種としてその価値を見出された時代があったようです。

のちにスペインからの探検家や調査団によって食べつくされてしまい絶滅したと思われていたのですが、メキシコのチワワ州でテチチの存在が確認されました。
そして、テチチはアメリカに持ち帰られて「小さい」という特徴を残した「チワワ」へと改良されていきました。

メキシコにはチワワ州という地域があり、テチチがそこで見つかったことに由来して「チワワ」という犬種名が付いたといわれています。

当初はスムースコートチワワのみの種類だったのを、アメリカでパピヨンやヨークシャーテリアなどと交配させて、今のロングコートチワワが誕生しました。

外見上の特徴

「小さい」「カワイイ」の代表格ともいえるチワワ。
さて、いったいチワワの何がそんなに多くの人たちを惹きつけるのでしょう。

体格

世界一小さい体のチワワ。
生まれて数か月のチワワを手のひらに乗せると、軽くて小さくて頼りなく感じます。
こんなに小さな個体がどうやって大きくなるのだろうと不思議な気持ちにもなります。
ぬいぐるみを横に置いてもチワワの方が小さかったり、スマホと同じくらいの大きさだったり。
チワワが一生懸命に前足後足を動かして歩いている姿を見るだけで「がんばれ~」とエールを送りたくなります。

「小さい」というのは、心理学上の分析からも「かわいいもの」「いとおしいもの」「頼りないもの」「守ってあげたいもの」という印象を与えるのだそうです。
まさに、このチワワは人の心理の的を射た生きものといえるでしょう。

●タイプ別体格
・ドワーフタイプ
 手足や首が短くて体つきもどこかずんぐりしている

・ハイオンタイプ
 手足が長くてスタイリッシュで、バンビやシカのタイプとして比喩される

・スクエアタイプ
 国内で見かけるタイプはほぼこのタイプで、ドワーフタイプとハイオンタイプの中間

●体重
個体によって体重の増え方や大きさには多少の差がありますので、あくまでも目安にしておきましょう。
・生後3か月 - 500g~650g前後
・生後6か月 - 1500g前後
・生後12か月 - 2500g前後

一般的には、生後3か月頃でも1㎏有るか無いかくらいの体重ですが、半年を過ぎる頃から徐々に体重が増えてきます。
生後1年を迎える頃には食事もしっかり摂れるようになり、体重は2㎏前後になります。

チワワの体型や体重で気を付けなければならないのが食べ過ぎによる肥満。
「小さい犬というイメージからかけ離れた体型なの、うちの子」という話を聞くことがあります。
食事やおやつを与えすぎたり運動不足が原因だったりします。
チワワは動きの機敏な性質ですから消費エネルギーは多いはず。
しかし、肥満の体型になってしまうのには、それなりの理由があります。
小さすぎることが返って飼い主さんの心配の種となり、たくさん食事を与えすぎて肥満になってしまうことも。
犬は与えられたものを与えた分だけ食べてしまうという習性を持っています。
たとえ、「もっと、もっと」とおねだりをする様子を見せても、そこはきちんと制限しましょう。
おやつを食べる姿がかわいいからと、必要以上に与えるのはチワワの体に負担をかけるばかりです。
おやつはあくまでも、しつけをする際のご褒美の役目を担っていると考えておきましょう。

小さな顔に大きくてクリクリとした目が際立ちます。
「アップルヘッド」と呼ばれるリンゴのような形のよい頭。
しっかりと集音できるピンと立った耳。
大きな黒目の愛らしい瞳でじっと見つめられると、チワワのいたずらもついつい許してしまうという飼い主さんはいませんか。
何かを訴えているのか懇願しているのか、チワワの表情の豊かさと小ささに癒され、ついつい虜になって甘やかしてしまうことが多いのも事実です。
愛らしい顔は確かにチワワの魅力です。
でも、かわいいばかりでしつけがしっかりできていないと、チワワはわがままし放題に育ってしまうという性質も持っていることを覚えておきましょう。

被毛 ― 色

チワワの愛らしい顔を引き立たせているのが、実は被毛の色です。
犬の被毛は茶色、黒、白を基本としていますが、交配を繰り返す中で人間の好みに合うようにと色彩のバリエーションを広げてきました。
その中でもチワワは多彩といえるでしょう。

基本的にチワワの毛色の組み合わせは自由で、配色は無限大にあるとさえいわれています。
主な色は、白・クリーム・レッド(やや赤みがかった色)・フォーン(金色に近い色)・セーブ(茶褐色にところどころ黒)などがありますが、単色のみというのはあまり見かけません。

フォーンと白、黒と白、クリームと白、レッドと白などの組み合わせが人気です。
3色以上の配色もあることからも、チワワの被毛の色は豊富なのです。

しかしながら幼犬から成犬になるに従って、個体によっては毛色が濃くなったり薄くなったりすることもあって、成犬にならないとどのような色に落ち着くのかわからないという個体もいます。
「毛の色が初めの頃と比べると変わってしまったの」ということも起こります。

また眉、目、頬のあたりに斑点模様の「タン」が入ったものも人気です。

ただし、毛色を退色させ斑をつくる「マール(大理石模様)」というものがあります。
このマール遺伝子を持ち合わせている犬同士を掛け合わせると、遺伝性の疾患である視覚、聴覚に障害を及ぼすといわれていて、特に、チワワの場合はこの傾向が顕著に現れるため、2011年よりマール遺伝子を持つチワワの繁殖は禁止されています。

被毛 ― 長さ

チワワの被毛の長さは2種類あり、毛足の長いものを「ロングコートチワワ」、そして短いものを「スムースコートチワワ」といいます。

日本で人気が高いのは、上毛と下毛の2層構造のダブルコート被毛を持つロングコートチワワ。
耳や尻尾に飾り毛があり優雅な姿が魅力のひとつといえます。
ただし、毛足が長い分、毛が絡まってしまうという短所もあります。

また、スムースコートチワワは、1層構造のシングルコートで短毛ですが、光沢があり滑らかな毛質を持っています。
日本ではロングコートチワワの人気が高いようですが、アメリカでは逆にスムースコートチワワが人気です。
短毛の犬はあまり脱毛が無いと思われがちですが、意外にもスムースチワワは換毛期には大量に抜けます。

ロングコートもスムースコートも抜けた毛をそのままにしておくと、細菌が繁殖したり蒸れて皮膚病の原因になったりもしますから、マメにブラッシングして抜け毛を取り除いてあげることが必要です。
ブラッシングの効果は抜け毛対策だけではなくて、被毛の艶出しや血行促進、被毛や皮膚のちょっとした変化の気づきにもなりますから、ぜひ毎日の習慣にしてチワワの魅力をさらに引き出してあげましょう。

愛らしい表情

テレビCMに登場したチワワが、一躍日本中に旋風を巻き起こしたのは2002年。
その愛らしい姿をお茶の間に披露したのをきっかけに、チワワの知名度はさらに上がりました。
何とも言えない表情の愛らしさが視聴者の心を掴んだのです。

CMの一場面では、ペットショップのショーウィンドーのガラス越しに、両目をパチパチしながら何かを訴える
チワワの切ないまでのまなざしがズームアップされます。
ペットショップに立ち寄った娘とお父さん。
お父さんの方をじっと見つめながらクォ~ンとチワワが小さく声を出す場面で、見事にお父さんのハートを射止
めます。
最初は「買わないぞ!」と言っていたお父さんが、チワワにメロメロになるという設定。
こんな日本の「お父さん」が当時はたくさんいたことでしょう。

画面の向こうにいるチワワの何とも言えない表情が、視聴者をくぎ付けにするという社会現象を起こしました。
その効果もあって、チワワ人気が一気に上がったことは否めません。

嬉しいときはしっぽを振って体いっぱいに表現しますし、甘えたり怒ったり、怯えたり突進したり、飼い主さんを飽きさせることがないのが、このチワワの魅力ですね。

性格-かわいらしさとわがままは紙一重?

小さくて表情の豊かなチワワですが、ではどのような性格をしているのでしょう。

飼い主さんの元気が無いときは、傍に寄ってきて「どうしたの?元気ないね。」とでもいうように、そっと寄り添ってくれたり、ペロペロと顔を舐めて慰めてくれたりする愛情の深い犬ともいわれています。

また、チワワは小さい体のわりに、高く大きな声で必死になってよく吠えます。
小さな体で大きな犬に対しても、堂々と向かって行こうとする勇敢というか無鉄砲な面も持ち合わせています。
見知らぬ人に対しては、撃退しようと吠えまくったり機敏に動き回ったりすることから、頼もしい番犬の役目をしてくれるがんばりやでもあります。
ただし、無駄吠えの多いのもチワワの特徴といえますので、しつけはしっかりしましょう。

飼い主さん以外のよその人にはなかなか懐かないともいわれます。
飼い主さんに対する愛情が強い分、独占欲の強さを持っているからかもしれませんね。

チワワは小さいために幼犬期には病気がちな子もいて、ついつい甘やかして育ててしまいがちです。
過度の甘やかしは、時に攻撃的な性格を引き出して我儘な性格を引き出してしまいます。
過保護にせずしっかりとしつけることで、本来持っている注意深さや好奇心旺盛な面がプラスとなってチワワの良さを伸ばすことができるでしょう。

かかりやすい病気と対策

水頭症

「アップルヘッド(リンゴのような頭の形)」がチワワの一般的な頭の形の特徴です。
「水頭症」は、先天的な発育不良ものもありますが、後天的な要因としては、頭部外傷、脳腫瘍、脳内出血、ウィルス感染によるものが挙げられ、チワワをはじめこの頭の形を持つ犬種に多いといわれています。
トイプードル、ブルドッグ、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、シーズー、マルチーズなどが同種の形の頭を持つ犬種です。
脳の一部に脳脊髄液が過剰にたまってしまい、脳を圧迫することによりさまざまな神経症状が現れます。

●症状
・元気がなくぐったりとして寝ていることが多い
・視力障害
・歩行障害
・転倒
・旋回運動(グルグルと回り続ける)
・摂食障害(食欲不振や過食傾向)
・頭部に膨らみが見られる
・けいれん など

●予防方法
特にあるわけではないが、頭部をぶつけないように注意する
早期発見をすることで合併症などを防ぐ

●治療
薬剤を使用して過剰に分泌される脳脊髄液の量を増やさない
また、外科手術というのもあるが、現在では完全に根治できない

膝蓋骨脱臼

「膝の皿」と私たち呼ぶ膝小僧の丸い骨を膝蓋骨といいます。
先天的にこの膝蓋骨を支えるじん帯が弱いと少しの衝撃でこの骨がずれ痛みが出て炎症を起こします。
住宅の床材であるフローリングの滑りが犬にとっては足腰への負担を招きます。
犬はもともと爪を立てて足を踏ん張り立ち上がったり歩いたりするものなのですが、滑る床では必死に踏ん張ろうとしても足に余計な力が入ります。
無理な姿勢を取ろうとして足腰に負担をかけるために膝蓋骨を発症する例が多いのです。

●症状
・痛がる
・スキップするような歩き方をする
・膝の腫れ
・立ち上がりにくそうにする

●予防方法
・足や膝に負担がかからないように、フローリング素材の床にタイル状のフロアマットを敷く
・ソファなどの高低差のあるところには、スロープやステップなど補助できるものを使用する
・抱きかかえるときは落下しないように注意する

チワワは骨が細いので、飛んだり跳ねたりする際に骨折する場合もありますから、おやつを与えるときなど喜んで2足立ちしながらジャンプしたり立ち上がったりします。
できるかぎり足に負担のかからないようにしましょう。

眼病(角膜炎など)

チワワの目は大きくて人を惹きつける大きな魅力のひとつですが、眼球が突出しているので角膜を傷めてしまいます。
ホコリ、細菌、ウィルスなどが目の中に入りやすいのです。

●症状
・手足で目をやけに触る
・涙や目ヤニの量が増える
・充血している

壁面や床面に顔を押し付けて擦るような様子を見せることもありますので、ふだんと違う行動をするときは注意して観察しましょう。

●予防方法
・早期発見
・目を擦らないように注視する

●治療法
・点眼薬で炎症を抑える
・進行によっては手術

その他のかかりやすい病気

低血糖症
低血糖とは、血液中のブドウ糖が異常に少ない状態のことです。
このブドウ糖が不足すると、震えや悪寒などの神経症状が現れますし、重症化すると昏睡状態に陥り、命の危険性を招くことになります。
ハチミツや砂糖を白湯割りしたものを飲ませて様子をみましょう。
重症化している場合は、すぐに病院で診てもらってください。

気管虚脱
犬の器官虚脱は遺伝的なもの、先天的なものが原因していることが多いです。
咳をし続けることで、呼吸困難を起こし必要以上に体力を消耗します。
乾いたような咳をして苦しそうにする場合は、要注意。

いずれにせよ、毎日の暮らしの中での観察と気づきは大切です。

チワワをとおして考える

チワワには、「かわいい」というイメージが常につきまとっていて、家族にとってのアイドル的存在です。
しかし、小さいということは、臓器も小さく骨も細くて弱いということも知っておきましょう。
繰り返されてきた不適切な交配によって負の遺伝子を持って生まれてくるリスクの高い犬も多いのです。

筆者もスムースチワワとロングコートチワワを飼った経験があります。
ロングコートチワワは、家に連れて帰った数日後、体の衰弱があり緊急入院しました。
弱い遺伝子を持って生まれてきた犬でした。
生死の境を彷徨いながらも数か月振りに退院し、少し大きくなった姿に喜んだことを思い出します。
その数年後には、またもや抱いていた腕をすり抜けて落下し骨折。
完治するまでに数か月を要しました。
小さい個体には、それなりのリスクがあるのだと身をもって体験したものです。

また、スムースチワワは生まれて3か月ほどで我が家にやってきましたが、大きな病気や怪我をすることなく成長しました。
この犬は、愛情の深い子で家族が落ち込んだり悲しんだりしている様子を見るにつけ、心配そうに近寄っては寄り添って癒してくれる優しい性格でした。
人に寄り添えることはチワワに限ったことではないのでしょうが、しかし、こんなに小さな体で精いっぱいやさしく励ましてくれたことが、チワワの大きな魅力のように感じます。

「テチチ」が「チワワ」として作出されたことや、スムースチワワがロングコートチワワへと改良され、より人間の好みに近付くほどに弱い遺伝子を持ってしまうチワワたちのリスク。
これからの未来には一頭でも多くの元気な犬たちが誕生し、より深く長く愛されてほしいと願うばかりです。

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