獣医師が解説

【獣医師が解説】ペットの栄養編: テーマ「手作りフードの栄養内容」

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。
ペットオーナーのみなさんからフードの話を聞いていますと、愛犬の食事を自分で作られている方は少なくないようです。今回は、手作りフードの栄養内容について話をします。

フード手作り派

市販のドッグフードは与えず、愛犬への食事を手作りされているオーナーがおられます。これにはどのような理由があるのでしょうか。

手作り派の割合

まずは手作り派オーナーの割合を見てみましょう。以前のフード添加物のところでも紹介しましたが、調査によってその割合には若干の違いがあります。

〇㈳日本愛玩動物協会 大島誠之助ら 2009年
…8%(調査対象人数 2,894人)
〇アニコム損害保障㈱ 2009年
…16.7%(調査対象人数 343人)
〇開業獣医師 森井知里 2018年
…17.9%(調査対象人数 263人)

このように、愛犬の食事を手作りされているオーナーの割合は、10~15%くらいといえるようです。

手作りする理由

同じくアニコム損害保障㈱のアンケート結果(2009年)から、愛犬の食事を自分で作られている理由を確認しましょう。

一番多かった理由は「自分で作ると安心だから」が59.8%でした。これに次いで「健康に良いから」、「ペットが好んで食べるから」という順位になっています。

第1位の「安心」と2位の「健康によい」という回答の背景には、ペットの食物アレルギーの問題があると思われます。ある報告ではイヌの70%が牛乳/乳製品、小麦、またネコの80%において牛乳/乳製品、魚に対するアレルギーをもっているとのことです(村山信雄ら 2016年)。

イヌの食物アレルギーの症状としては、皮膚のかゆみや脱毛がメインとなっており、市販のドライフードに含まれる小麦などとの関係が考えられています。

これに加えて、フード添加物の使用にも関心は高いようです。毎回食事を作って与える手作りフードには、保存料や酸化防止剤などを添加する必要がありません。

また少数意見ですが、「手作りの作業が楽しい(13.4%)」や「家族と同じものを食べさせたい(9.0%)」という回答には、オーナーの愛情を感じます。

手作りフードのレシピ

京都大学の清水いと世が愛犬オーナー46人を対象に、手作りフードに関する調査を実施しています(2017年)。この中から2つほど紹介します。

レシピの数

手作りフードには安心感や愛情が込められていますが、オーナーのみなさんは、どれくらいのレシピ数を持っておられるのでしょうか。

この報告では20%のオーナーは、毎回同じメニューの食事を与えているということでした。イヌはまとめて食事をする間欠採食動物です。食事時は空腹なため、毎回同じメニューでも比較的よく食べてくれます。

また、同じメニューで栄養の偏りが心配なオーナーは、栄養サプリメントなどを利用されています。

2種類以上のレシピを持っておられるオーナーの割合はおよそ65%でした。その日の食材により、いくつかのレシピの中からローテーションで食事を作られているようです。

レシピの情報源

では、フードレシピのヒントや情報源は何でしょうか?回答の中で最も多かったのは書籍で全体の50%でした。次に自己流・適当(20%)、インターネット(11%)と続きます。

スマホの普及により、インターネットからの情報が1番かと思っていたのですが大きくはずれました。書店のペットコーナーに行くと「獣医師が教える手作りごはん」などといったレシピ本が結構並んでいます。

これらの本のページを開くと、出来上がりフードの写真や、体調に合わせたメニュー紹介などが掲載されており、とても楽しい構成になっています。

どうやら手作り派オーナーの方々は、ペットの食事を作るのはもちろんですが、本や雑誌を見てあれこれとフードレシピを考えること自体を楽しみとされているようです。

手作りフードの栄養内容

愛犬に絶対与えてはいけない食材として、ネギ・タマネギがあります(タマネギ中毒)。では、手作りフードに使われている食材には、どのようなものがあるのでしょう。

使用食材

手作り派の愛犬オーナー2,894人を対象にしたフード食材に関するアンケート調査があります(大島誠之助ら 2009年)。使用されている食材の上位3つは次のとおりです。

〇第1位: 野菜類(83%)
〇第2位: 肉類(73%)
〇第3位: 穀類(46%)

調査したレシピの80%以上において野菜類が使用されています。これにはイヌは雑食性の動物であり、比較的何でも食べてくれることがあります。加えて、野菜類はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な食材という点があります。

オーナーのみなさんが、ペットの栄養バランスにとても配慮されている現れでしょう。

栄養成分の過不足

ペットの食事を自分で作る場合、一番気になるのは栄養成分の過不足です。最後に手作りレシピの栄養成分を確認します。

市販のペットフードでは、イヌやネコの発育ステージごとの栄養基準を満たすように内容成分が設計されています。この栄養基準の1つとしてAAFCOがよく知られています。

AAFCO(アフコ)とは米国飼料検査官協会のことで、ここで定められたペットフードの栄養基準は広く世界的に採用されています。(輸入ペットフードの袋に記載があります。)

前出の清水は、イヌの維持期用手作りフードレシピの栄養内容をAAFCOの栄養基準と比較して、過不足の有無を調査しました(2016年)。その内容を見てみましょう。

●対象 オーナーの実践レシピ(63例)、および書籍紹介レシピ(37例)
●栄養基準 AAFCO栄養基準(2016年)の各種推奨量
●結果
:推奨量を満たしていたもの
…ほぼすべてのレシピのタンパク質、アミノ酸、脂肪量
:推奨量を下回っていたもの
…ビタミンA、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)
…80%以上のレシピにおいて不足
:推奨量を上回っていたもの
…ビタミンD、ヨウ素(I)

手作り派のみなさんには少々ショッキングなデータです。この過不足の背景には、家庭でフードを作る場合、栄養設計を行うのが難しいということがあります。

さらには、書籍で紹介されているレシピの中にも、栄養基準を満たしていないものが含まれているということになります。愛犬に大切なのは出来上がったフードの写真映りよりも中身、すなわち栄養内容ではないでしょうか?

海外の手作りフード

海外でも同じような調査報告があります(Pedrinelliら ブラジルサンパウロ州立大学 2017年)。概要は次のとおりです。

●対象 イヌおよびネコ用の書籍紹介レシピ106例
●栄養基準 FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合 2014年)栄養基準の各種
推奨量
●結果① 推奨量を下回るイヌ用レシピの割合
・タンパク質(20.7%)
・脂肪(11.0%)
・各種ビタミン類(2.5%~85.4%)
・各種ミネラル類(33.0%~85.4%)
●結果② 推奨量を下回るネコ用レシピの割合
・タンパク質(19.2%)
・脂肪(23.1%)
・各種ビタミン類(7.7%~84.6%)
・各種ミネラル類(11.5%~100%)

日本の調査データと同様に、ビタミンとミネラルが不足しているレシピが多いことが判ります。

オーナーのみなさんにとって、ペットが元気に食事をする姿を見るのは何よりの楽しみです。しかし、病気や体質、嗜好性などさまざまな理由によって、市販のフードが食べられないペットは少なくありません。

このような場合の対応策の1つが手作りフードです。今回、いくつの研究報告から、国内外の手作りレシピにおいて、ビタミンやミネラルなど栄養成分に過不足が見られる事例があることが判りました。オーナーのみなさんはご注意下さい。

専門の分析機関にお願いしてレシピの栄養分析を行うことは可能ですが、時間と費用の点から実際的ではありません。このような時は、動物病院で血液検査をお願いするのが良いでしょう。血液検査のデータは、食べているフードの栄養内容を反映します。

手作りフードには時間と手間がかかりますが、その分愛情もこもっています。みなさんの愛情に栄養面の情報と知識が加わると、ペットたちに健康的な食生活を提供することができます。

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(以上)

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