老犬

老犬・高齢犬の食欲がない・食べない悩みは加齢だけが原因?シニア犬事情を考える!

1

犬社会も高齢化が進み、老犬・シニア犬・高齢犬と呼ばれる子が増えてまいりました。

7歳を過ぎたら初老です。

少しずつ変化が現れて悩みが出てまいります。

その中でも目に見えてわかりやすい問題は

・毛艶
・関節
・食欲低下

ではないでしょうか?

特にその中でもよくご相談をいただくのが

「食べない・食欲がなくなった」

が多いです。

しかしながらその原因は加齢による問題だけでしょうか?

シニア犬・老犬の食事

皆さんは高齢になった愛犬の食事をどうしていますか?

多くの方はシニア用フードが多いのではないでしょうか?

シニアフードの特徴

・お手軽で総合栄養食
手間をかけないでサッと与えられる。
毎日のことだからこそお手軽でなおかつ総合栄養食で栄養面が満たされている。

・低カロリー低脂肪
基礎代謝が緩やかに落ちてきているので肥満対策として肉類が少なく低カロリー・低脂肪・低タンパクで主原料が炭水化物な事が多い・

・シニア用という安心感
年齢に合わせてどんなフードを選んだらいいか判らない飼い主様にとってシニア用フードというものは安心して与えられる1つの指標になるのではないでしょうか・

しかし本当にシニア用フードは老犬・高齢犬にとって適正なフードといえるのでしょうか?

食欲低下の原因

1

・硬いフードが食べ辛い

・基礎代謝による必要カロリーの低下や、嗜好の変化。

・シニア用フードが美味しくない

硬くて食べ辛いや、必要カロリーの低下、嗜好の変化は肉体的問題で仕方がない面もありますが、シニア用フードに変えることでの食いつきの低下はやはり炭水化物主体で肉類が少ないことによるものだと考えられます。

当然のことながら肉食よりの愛犬にとってお肉のほとんど入っていないフードは食欲がなくなっても当然だと思います。

シニア犬・高齢犬になってくると、少なからず外で活発に遊ぶエネルギーは少なくなるので食事が楽しみの1つにもなってくると思います。

その食事が食欲がなくなるような内容となると、栄養面以外にも精神的に辛い部分も出てくるのではないでしょうか?

毛艶が悪い原因

1

・シニア用の低脂肪フード

・動物性たんぱく質が不足

食欲と同様にやはりシニア用フードが原因になっていることが多いです。
低脂肪・低タンパクフードで脂肪やたんぱく質が不足すると毛がパサつきやすくなったりします。

シニアだからお肉などのたんぱく質は控えて肥満に注意と思うかもしれませんが、愛犬にとって脂肪はエネルギー源です。

極端に脂肪やたんぱく質を減らすことは犬本来の必要としているものを摂取していない状態になります。

関節が悪い原因

1

・炭水化物や植物性たんぱく質が主体のフード
・低タンパクで筋肉が作り辛い

どうしてもシニア犬・高齢犬となると低カロリー・低タンパク・低脂肪にして肥満の対策をしないといけない思われがちですが、実はたんぱく質を減らすと筋力低下につながります。

厚生労働省の文献では人の場合のタンパク質の必要量、推奨量については以下のように記載されています。

・成人 0.65g kg体重/日
・老人 0.85g kg体重/日

高齢者では約30%増量の必要性があるというものです
高齢者同様、老犬・シニア犬に関しても給与タンパク質増量の必要性があると考えられます。

加齢による筋肉量の低下プラス、たんぱく質の代謝能力が低下しているので、成犬のときと同じ量を摂取してもたんぱく質の吸収量は減っています。

そうなってくると足りないたんぱく質を筋肉から補うためにもっと筋力が低下して体重の減少につながります。

筋肉合成能力も低下しているので、たんぱく質が不足するとどんどん筋力の低下は加速して関節への負担も大きくなると考えられます。

目に見えて判りやすい3つの問題の原因を考えると

それはシニアフードだけじゃ栄養が不足気味?

シニア用フードは適正なのか

1

実は老犬・高齢犬にとってシニア用フードはたんぱく質が足りていないことが多いです。

総合栄養食だから安心して与えていたのに・・・と思う方も多いと思います。

実は「必須栄養素」のみをカバーしていることが多いんです。

愛犬の代謝や運動量に合わせて低カロリー・低脂肪にしたフードははたして老犬・高齢犬にとって健康的なフードと呼べるのでしょうか?

たんぱく質や脂質には重要な役割があります

筋肉はたんぱく質で出来ており、また良質な脂肪は皮膚や被毛の健康維持に欠かせないし、愛犬にとって第1エネルギー源になります。

もちろん、老犬・高齢犬になるにつれて脂肪の取りすぎはよくない部分もありますが、無理に低脂肪にしたものではなく、適度に良質な脂肪分を摂ることは重要になってきます。

低タンパクは筋力低下と食欲低下を招き、極端な低脂肪は皮膚や被毛の健康維持に弊害が出てきます。

食欲の低下により唯でさえ少ないた低タンパクフードにより筋力が低下。

筋力の低下が

・ふらつき
・散歩を嫌がる
・階段を上らない

などに繋がりどんどん運動能力は低下していきます。

1

運動能力の低下が招くのは寝たきり認知症へ。

食生活により老いは加速し悪い連鎖が始まります。

じゃあシニアフードはだめなの?

1

ここまでの話でいくと完全に

シニアフード=NG

のように感じさせてしまうかも知れませんが、全てのシニアフードがそういったわけではありません。

たんぱく質や脂肪分の重要性を理解した上で作られているものもあります。

そしていま与えているシニアフードが低タンパク・低脂肪のものだったとしても一工夫加えてあげることで大きく変わります。

たんぱく源のお肉を加えてあげる

1

低タンパク・低脂肪の穀物や炭水化物が主体のシニアフードであれば愛犬用の生肉をトッピングしてあげたり、自宅で食事を作る際に愛犬のためにお肉を味付けせずに茹でたり焼いてトッピングしてあげてはいかがでしょうか?

生肉は良質なたんぱく質・脂質で犬本来の食性に適しています。

また茹でたり焼いたお肉もドライフードと比べ物にならないほど良質なたんぱく源となります。

シニア用フードをいつもより減らしてその減らした分たんぱく源を加えてあげることで、

・お肉や脂肪の香りで嗜好性が高まることで食いつきがよくなる
・良質なたんぱく源により皮膚・被毛の健康維持に繋がる
・筋肉のもととなるたんぱく質を美味しく積極的に摂取できる

目に見える悩みの対策はちょっとした食生活の変化で大きくカバーできます。

またフードを温めてあげることで香りが際立つので嗜好性を高める方法として一度試していただくのもお勧めです。

老犬・高齢犬とオールステージフード

オールステージフードと呼ばれるものがあります。

これは年齢にあわせたフードではなく、年齢にあわせた給与量により必要なカロリーを調整するものです。

その多くは第1主原料が肉類となっています。

こういったフードも老犬・高齢犬にはお勧めさせていただけます。

しっかりとしたたんぱく源で嗜好性も高く、無理に低脂肪に仕上げているわけではないので、うまく給与量を調節して体重を増加しないようにしてあげることが出来きます。

私見ですが、本来犬の祖先であるオオカミはそもそも高齢になったときに低脂肪で低カロリーな獲物を食べないとなんて当然考えてなく、必要な食事を必要量摂取していたと思います。

そういった意味ではこのオールステージフードは理にかなったフードでは中と思います。

老犬・高齢犬とローフード

いわゆる生のドッグフードで生肉に内臓、生骨、発酵野菜や果物などを加えた総合栄養食です。

フードが硬くて食べ辛いなどの子にも最適です。

ローフードも当然ながら生肉が主体となり、非加熱で良質なたんぱく質であり、ドライフードよりも体重管理に適しています。

新鮮なお肉や脂肪分は老犬・高齢犬の嗜好性も高めてくれます。

そしてなにより水分量がたっぷりなのもローフードならではのメリットです。

老犬と手作り食

一番嗜好性を考えてたんぱく源を調整することが出来るのは手作り食ではないでしょうか?

歯がなくて食べ辛がる子にはミンチを使うなど様々な方法で愛犬の喜ぶご飯を作ることが出来ます。

また加齢とともに出てくる、最近もっとも多い「腎臓」の悩みにも対応しやすいです。

お肉を選ぶにしてもリンの含有量が少ないお肉や部位を選ぶこともできます。

さらにリンやカリウムなど腎臓に負担になる成分は湯でこぼしを行うことで減少します。

加齢に合わせて上記のような手作り食の方法を行うことで少しでも腎臓の機能を守ってあげつつ嗜好性を保つことは愛犬の健康や、食事を楽しむ上でとてもメリットがあるのではないでしょうか。

また手作り食はとても手間が掛かるイメージですが、新鮮な生肉に発酵野菜やオイルを加えてあげるだけでお手軽に栄養たっぷりにすることができるものも販売されています。

他には愛犬用のお惣菜など出来上がったものも販売されておりますので忙しい時にも便利です。

老犬・高齢犬の食事にしてあげられる最初の第一歩

1

まずはたんぱく質をしっかり取らせてあげてください。

人間は加齢とともにお肉を食べなくなるなどのイメージがありますが、愛犬たちはそうではありません。

特に低タンパク・低脂肪のシニアフードを上げている子には生肉や、その他お肉のトッピングをしてあげることで、嗜好性や筋力、皮膚被毛の健康維持に変化が出てくるのではないのでしょうか?

美味しくご飯を食べられることが老犬・高齢犬の子にとって楽しい時間であり、食事にストレスを感じにくくなります。

このストレスを感じないということは食欲にも直結しています。

ストレスを感じると副腎という臓器からコルチゾールというホルモンが分泌されます。

ストレスホルモンであるコルチゾールには血糖値を上げてしまうので満腹感を与えてしまうので食欲を落としてしまいます。

食事以外にも今までのように走れないや硬いおやつが食べられないなどストレスになることも多いと思います。

そんな時は愛犬と触れ合う時間を過ごしてリラックスさせてあげることで幸せホルモンがでてきて血糖値が下がり、空腹モードへと切り替わります。

食事前にしっかり触れ合う時間を作ってあげて、しっかりとたんぱく質を含んだ食事を食べさせてあげて毎日元気で健康な日々を過ごさせてあげてください。

老犬・高齢犬におすすめの食事

シニア用フードのトッピングにお勧め生肉

新鮮生馬肉

馬肉は赤身のイメージが強いですが、犬にとって脂肪分はエネルギー源に変わります。
また新鮮な生の脂身の香りは非常に愛犬の大好物です。
ハウンドカムの生馬肉はあえて脂身を混ぜております。


aatu
愛犬用新鮮生馬肉の購入はこちらから

徳島地鶏 ネック骨ごとミンチ

ジューシーで美味しいせせりの部分を骨ごとミンチに!
鶏肉は愛犬が大好きで、さらに骨ごとミンチだからミネラルもたっぷり!


aatu
鶏ネック骨ごとミンチの購入はこちらから

ホリスティッククッキング

国産無添加で主原料は生肉を使用!ノンオイルコーティングで素材の香りがするので食いつき抜群!
サクサクビスケット食感の小粒だから老犬・高齢犬の子も食べやすい!


aatu
ホリスティッククッキングの購入はこちらから

トライプドライ

主原料はトライプを使った食いつき抜群のフード!


aatu
トライプドライサーモンの購入はこちらから

AATU

お肉80%のプレミアムフード!穀物不使用で必須脂肪酸のオメガ3が豊富!


aatu
AATUサーモンの購入はこちらから

ローフード

BONE

犬本来の食性を再現した生肉・生骨・内臓・発酵野菜を配合した生食!


aatu
BONEホースの購入はこちらから

手作りお惣菜

毎日美味しい健康7食Aセット

・肉団子の鶏がらスープ煮×1
・ラム肉のソテー×1
・鹿肉の消化にやさしいオムおかライス×1
・野菜たっぷりエゾ鹿ソーセージスープ×1
・馬肉の麻婆豆腐×1
・鶏もも肉のクリーム煮×1
・馬肉と鶏肉の2色のミートローフ×1


aatu
毎日美味しい健康7食Aセットの購入はこちらから

毎日美味しい健康7食Bセット

・カボチャと馬肉のポタージュ×1
・高野豆腐の肉詰め×1
・サーモンのクリームパスタ×1
・ゴロゴロ馬肉のポトフ×1
・鶏と野菜のキッシュ×1
・ポキ丼風×1
・豚挽き肉の和風ロールキャベツ×1


aatu
毎日美味しい健康7食Bセットの購入はこちらから

低カロリーヘルシー7食セット

・カボチャと馬肉のポタージュ×1
・高野豆腐の肉詰め×1
・サーモンのクリームパスタ×1
・ゴロゴロ馬肉のポトフ×1
・鶏と野菜のキッシュ×1
・ポキ丼風×1
・豚挽き肉の和風ロールキャベツ×1


aatu
低カロリーヘルシー7食セットの購入はこちらから

腎臓に優しい低リン7食セット

・豆腐ハンバーグ×1
・鶏と野菜のカッテージチーズ和え×1
・鶏もも肉のクリーム煮×1
・鶏とサーモンの2色のテリーヌ×1
・豚挽き肉の和風ロールキャベツ×1
・白菜と豚バラのミルフィーユ×1
・馬肉たっぷりボロネーゼ風×1


aatu
腎臓に優しい低リン7食セットの購入はこちらから

愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

関連記事

  1. 自然治癒力
  2. 免疫力アップに!紫外線を浴びて犬の感染症を防ごう
  3. 犬の血液型って?
  4. 【簡単手作り犬ご飯】腎臓に優しい食いつき抜群ごはん【帝塚山ハウン…
  5. 【簡単手作り犬ご飯】低リンで腎臓に優しい愛犬の手作りごはん【帝塚…
  6. 【簡単手作り犬ご飯】 膵炎の愛犬にもおすすめ!お手軽手作りごはん…
  7. 獣医師がアドバイス 老犬介護食
  8. 愛犬が他の犬にすごく吠えてしまいます。
国産エゾ鹿生肉

新着記事

獣医師が解説

食事の記事

国産エゾ鹿生肉
ホリスティッククッキング
PAGE TOP