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愛犬の夏の水分補給を上手にする方法
夏に愛犬と外出していて、そろそろ喉が渇いてるかな?
と思い水をあげたけど飲まない。
本当に喉が渇いてないのかな?
と思ったことはないでしょうか。
水をすすんで飲んでくれない愛犬は多く飼い主さんから水分補給のご質問を頂くことも多いです。
特に夏バテ気味の愛犬は体のだるさなどで水を飲みたいという欲求が起こりにくいとも言われています。
そこで本日は熱中症などにならないように水分補給についてお話をさせていただきます。
愛犬の1日に必要な水の量
愛犬には24時間で体重1kgにつき50mlから60mlを目安といわれています。
また、1日の総摂取カロリー量を目安に1日で400kcalカロリーなら同じ400mlなども目安になるそうです。
それでは愛犬は毎日、どれぐらいの水を飲む必要があるのでしょうか?
■ドライフードだけの食事の愛犬の場合、水分量が10%になりますので
成犬で体重5kgの愛犬の場合、250ml水の摂取が必要ですので食事の給与量が120gですと
300-120×0.1で288mlの水を飲まなければならないという計算になります。
■ウェットフード(手作り食 缶詰 レトルトフード)が食事の場合、水分量が約75%程度のものが多く
成犬で体重5kgの愛犬の場合、250ml水の摂取が必要ですので食事の給与量が400gですと
400×0.75で300gの水分になりますので水は飲まなくても食事だけで補える計算になります。
このように、あまり水を飲みたがらない愛犬にはウエットフードが水分補給に便利で
ドライフードに食いつきをよくするスープやヤギミルクなどで成分を損なわないように
30度程度の水分を加えてみるのもよいでしょう。
尿の役割
人間もそうですが、そもそも愛犬の尿はどのような役割をもっているのでしょうか?
○体内の水分や体液、電解質(イオン)濃度の調整
○体内の老廃物を排出
たんぱく質を体内で利用した際にできる残りカスの・尿素窒素やクレアチンリン酸を利用して筋肉の運動を行った際にできるクレアチニンなどの老廃物
○体内のPH値を弱アルカリ性に保つ
尿は体内の水分の調整と老廃物の排出と言う重要な役割を持っています。
水の種類
ペット用に販売されている軟水の水はもちろんよいのですがコスト面を考えると水道水で大丈夫です。
都道府県によって硬度(mg/L)が26.5~80程度まで幅がは大きいので注意は必要ですが100mg/Lまでは軟水とされています。
*硬水(が301mg/L以上)は尿路結石の原因になるミネラル(カルシウムやマグネシウム)を多く含むためおすすめしません。
夏の熱中症だけでなく水分補給が不足している愛犬は結石のリスクも高まりますので
食事コストは少し上がりますが一度ご検討して頂きたいのがウエットフードです。
水を飲ませる工夫
○水に香りをつける
食事以外での水分補給としては水を愛犬の好む匂いにするという方法があります。
和風だしやとんこつスープなど塩や添加物に注意して加えてみるのも良いでしょう。
○愛犬の飲みやすい容器を
あなたの愛犬にとって飲みやすい容器は?
ボウルタイプの容器や給水タイプなど色々あります。
(舌でなめると水が出てくるボトルタイプは雑菌などにも注意が必要)
○水を飲める場所を増やす
水を飲める場所は新鮮な水を常に飲めれば増やしてあげるとよいでしょう。
○容器を変えてみる
お気に入りや愛犬によって飲みやすいものがあるかもしれません。
舌で押して流れてくる(下の写真)ものなどもあります。
下記の写真のようなものや浄水器などは菌が発生しやすいので常に清潔さを保ってください。
多飲症について
飲みたがらない愛犬とは逆で水があるといくらでも飲んでしまう場合は多飲症というものが存在します。
愛犬の場合1日に体重1kg当たりで100mlを超えるようですと
暑い時やドッグランなどで激しい運動もしていないのに水を大量に飲む場合は多飲症の可能性があります。
愛犬の水を飲む容器にはメモリはついていない思うので容器がどれぐらい減れば
水を何ml飲んだのか、わかるように一度、計量カップで試してみることをオススメします。
多飲症かなと思うほど愛犬が連日、水を飲んでいたら
○味の濃いものを大量に食べたりしていないか?
○副作用があるような薬を飲んでいないか?
○犬には危険と言われている食材を与えていないか?
○結石用の療法食を与えていないか?
上記に心当たりがない場合は疾患によるものが原因かもしれません。
糖尿病
インスリンホルモンが膵臓から分泌されなくなり血液中の糖分が慢性的に多くなる病気です。
糖尿病になると腎臓が多すぎるブドウ糖を多量の水分と一緒に排出しようとし多尿になります。
そうすると体内の水分が減少し脱水の状態になりのどの渇きから大量の水を飲むことになります。
そうすると多飲多尿のサイクルが生まれてしまいます。
腎臓病
腎臓疾患になると腎臓の機能が低下し尿の濃縮機能がうまく作動しません。
そうすると薄い尿を大量に排出します。その結果、糖尿病と同じく多飲多尿となります。
内分泌疾患
ホルモンの分泌が過剰にあるような疾患の場合も尿を大量に排出します。
その他、子宮蓄膿症、クッシング症候群
尿崩症(抗利尿ホルモンの障害により水保持機構が正常に働かず、多尿となる疾患)など様々な原因が考えられます。
多飲症かなと思ったら1日に尿量が体重1kgにつき40mlを超える場合は様子を見てあげてください。
比重は水より少し重いですがmlなどではわかりにくいと思いますので重さで1kg当たり40gをいつも越えるというのも目安になると思います。
愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

代表取締役 川瀬 隆庸
- 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
- 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
- ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
- 小動物栄養管理士認定
- D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
- 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
- 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了
愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。