犬の多頭飼い問題支援活動について
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多頭飼育問題改善ボランティア 小林 昭夫 様 訪問レポート。
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多頭飼育問題改善ボランティア 小林 昭夫 様 を訪ねて
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2011年4月某日、山梨県の山中にある、犬・猫飼育ボランティア活動を続ける
小林 昭夫様の元を訪問させていただきました。
小林様とのお付き合いは、4〜5年前、あるお客様が小林様に救援物資として当店にご注文を下さっていたのがきっかけです。
その後、微力ながら、現在まで定期的にフードやおやつの送付を続けています。
小林様は、いつも丁寧に手書きでお礼のおハガキを下さいます。
キレイごとではすまされないであろう現場へ直接出向き、
実際の活動状況を自分自身でも確認し、その中で、一人でも多くの方々に情報発信できればとの思いで、取材依頼を申し出ました。
「支援してくれている学生ボランティアが来ている土日に来てほしい」とのご要望で、
土曜日の訪問となりました。当日は、どしゃ降りの雨。天気が良ければ、
富士山がキレイに見えるとのことで、残念な雨です。
帝京科学大学アニマルサイエンス学科在学中の、
学生サークル「動物の命の大切さを考える部 SWEET HEART」のメンバーで
代表の里村圭太 さん、
多頭問題改善部代表の青芳賢 さん
SWEETHEART 前副代表 堀内 力人 さん
同じく 前々副代表 大林 駿斗 さん
の4人が当日のボランティアとして、案内して下さいました。
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小林さんとSWEET HEARTのボランティアさん。
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左から、青芳さん、里村さん、小林さん、大林さん、堀内さん
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多頭飼育問題改善ボランティア 小林様の活動とは
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発端は、約20年前、不動産業を営むオーナーO氏の自称「犬好き」から始まった。
「犬を飼うと商売がうまくいく」などの身勝手な理由から、犬・猫を集めては、世話をせず放置。
最大6か所の土地に集められた、400頭以上の犬、60頭以上の猫が劣悪な状況に置かれてしまいました。
当時、仕事の関係でO氏と知り合いだった小林さんは、見かねて犬や猫の世話をし始めます。誰にも面倒を見てもらえず、劣悪な環境で生活していた400頭以上の犬や猫の世話をすることは、きっと想像を超えるすさましさだったと思います。
廃車になったバスやドラム缶、コンパネ板を小屋代わりにしていました。
時には雪の重みで小屋代わりの屋根がつぶれ、全部の犬が逃げてしまったとか。
それを機に行政がようやく介入しはじめたといいます。
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発端となった不動産ビル、ここに88頭もの犬が放置されていました。
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平成10年以降、本格的に、動物愛護団体の援助が始まる。
平成13年「多頭飼育対策本部」設立(保険所、市役所、愛護センター、民間団体2団体
平成14年 第1回譲渡会スタート、一斉去勢・避妊手術実施。
マルコ氏、帝京科学大ボランティアの元、サークル、小屋を設置し、
積極的に譲渡会に参加し、現在まで活動を続けておられます。
最大400頭以上の犬、60頭以上の猫がいた現場は、
現在、 計57頭の犬、里親譲渡の練習の為、家庭に預けられている犬2頭
1頭の猫 小林さんの管轄とは別で12頭の猫 となっており、
小林さんは、その犬達と同じ現場にプレハブ小屋を建て、電気・ガス・水道といった
ライフラインのない中、犬達と一緒に生活しています。
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N地区のわんちゃん達。(左から、ジーアン、ウメ、ライカ)
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4月現在の状況
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N地区 27頭
K地区 28頭
里親譲渡の練習の為、一般家庭に預けられている犬1頭
学生(SWEET HEART 2年 井川)が預かっている犬1頭
猫12頭(別の場所で廃車のバス内で保護) (別の愛護団体様が管轄)
住み込みボランティア 小林様
M 様
猫のお世話ボランティア 1名
(週末)学生ボランティア SWEETHEARTメンバー 4〜5人が交代で参加
(支援ボランティア) マルコ・ブルーノ氏
(Blogによる支援品の呼びかけ) 夏ママ様
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このように耳をたおし怖がった様子ながら、そっとこちらを覗いてくれます。(サスケ)
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この子は、しっぽをふって寄って来てくれたライアンくん。高いところが好きで、いつも小屋の上に登っているとのこと。
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小林さん
「よく、なんでこんなにたくさんの面倒をみようと思ったのか?と聞かれるけど、なんでかなんて応えはない。こうなるまでの経緯は、複雑で色々あったけど、強いて一つだけいえば、“犬が好き”なんですよ。あの状況を放っておけなかった。誰か世話をしないとと思って世話をしてきたら、今日まで来てた。
これまで、いろんな団体や人達が関わっては来たけど、結局、今まで続けて支援してくれた人はわずか。いろんな話が出て、いろんな持ちかけはあったけど、実際、現場に足を運んでくれない団体や話はうやむやになったまま。犬の譲渡も実際にこの現場を見て、犬の状況を知ってほしい。
そういう人にこの子達を託したいと思っているんです。
学生ボランティアの子達は本当にありがたい。みんなまじめに一生懸命やってくれます。
おかげさまで今は、本当に楽になりましたよ。」
と笑います。
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毎週近所のお肉屋さんに、お肉の細切れをまとめてたきだし。メタボの原因はおいしいごはん!?
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学生サークル「SWEETHEART」のメンバーと話す小林さんはきさくで明るく、楽しそうです。ボランティア活動を続けるメンバーに話を聞いても、「小林さんだから、続けて参加できる。みんな小林さんの人柄だから支援していると思いますよ」と小林さんを支援する気持ちが強いようです。
小林さんは、悲壮感や泣き言はいわず、明るく、常に感謝の言葉を口にする方です。
今後のことを聞くと
「ここまできましたからねぇ。犬も老犬になってきたし、最後まで頑張りますよ。
ただ、私も69歳です。毎日が一期一会だと思って過ごしています。」
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現場の様子
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現在、2ヶ所、計57頭の犬が小林さん達によってお世話されています。
400頭近くいた犬は、譲渡や病気や高齢などによる死亡で57頭になりました。
平成14年の一斉去勢・避妊により、子犬が増えることはなくなりましたので、
現在、全ての子が老犬に差し掛かっています。7〜16歳の中型犬達です。
行政の監視下にある為、新しく犬を受け入れることは一切していません。
動物保護支援をしているマルコ氏が200万円(片側で100万円)以上かけて建設してくれたという大きなサークルと
選挙などの看板の廃材などを集め、学生ボランティアが一生懸命作ってくれたという犬舎に犬小屋、ドッグランもある中で犬達は生活しています。
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N地区。現在プレハブ小屋で小林さんは、犬とならんで生活しています。
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寒い冬を乗り切るための毛布や、フードやおやつも救援物資で賄っています。
現在、物資がいろんな方々から、定期的に送って頂けるのでありがたいとおっしゃていました。
平成18年11月から支援を呼びかけるHPを立ち上げ、平成23年4月末で2052件の物資が届いているそうです。
犬舎内は、きちんと清掃されて、そして、みんな、ちょっぴりメタボです。
そして、現在、ここで残って暮らす子達は、人馴れしていないせいか、みんな怖がりです。
人が近づくと、小屋に隠れてしまう子もいます。
小屋の中から、耳を倒してこちらの様子を見ている姿は、どの子も同じ心の闇を抱えているのだと痛感させられます。
尻尾を振って寄って来てくれるのは、数頭だけです。
吠えつくこともなく、噛みつこうとすることもありません。
人間の愛を知らず、劣悪な環境の中、犬だけの中、幼少期を過ごしてきた子達です。
人への恐怖心を抱いても不思議はありません
印象的だったのは、広い犬舎には、2頭ずつ入っている場合もあります。
それぞれに1つずつ、小屋を用意されているのに、
どの子もみんな、一つの小屋に一緒に入って身を寄せ合っています。
犬は元々、集団生活をする動物です。互いを助け合って、生きています。
私達は、ペットとして、家族という群れの中で、愛情いっぱいに育てられている子達が
普通のように見ていますが、この子達は、互いの犬同士が支えあいなんだと思うと
胸が痛む思いと同時に犬の愛の深さも感じました。
現在残った子達の里親探しは年々厳しくなってきます。
それでも、少しでも人に触らせてくれる子や可能性のある子を
家庭犬として迎え入れてもらえるように、散歩の練習や
学生ボランティアのよる、自宅に連れて帰り、里親譲渡会参加の為の家庭犬練習など
懸心的な活動を続けておられます。
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同じ小屋に入り寄り添うわんちゃん達。(左:こーた、右:チロル)
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牧場と呼ばれる広いサークル内で暮らす子たち。(左:シン、右:アスカ)
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学生ボランティア SWEETHEART のメンバー 大林さんは、
里親練習で預かった“セイコ”を飼い犬として迎え入れました。
そんな大林さんは、ボランティアを始めて色々な葛藤が湧いてきたといいます。
犬の幸せって何なんだろう。“セイコ”は、一緒に生活を始めて2年たった今でも、
急に触ろうとすると怖がって逃げるといいます。
それでも、“セイコ”に愛をそそぐ大林さんのお話をお聞きすると、
私達は、愛犬に求めてばかりいるんじゃないかと反省させられる思いがしました。
今回、訪問させていただいたことで、今後も継続して支援できることをしていこうと
あらためて感じた1日でした。
すぐ横を流れる清流。この上には、何もないので純粋な山水です。わんちゃん達の飲み水は、ここでくんでいます。体に良さそう♪
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現在
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○譲渡会 毎月 第3日曜日 パクス大和さん主催 神奈川県大和市役所前 参加中
5月、11月 ちばわんさん主催 八王子いぬ親会 参加中
○SWEETHEARTメンバー青芳さん達によって集められた、現在の犬達の状況一覧
■救援物資・義援金■
小林様の活動支援については、こちらをご覧ください。
■当店の支援活動■
寄付・ボランティア活動
動物再飼養支援サイト
■個体識別■
情報一覧
写真一覧
*小林昭夫様の活動は、犬猫保護施設ではありません。
現在、新たなワンちゃん・猫ちゃんを受け入れる活動はしておりません。
行政の監視下にいる為、1頭でもワンちゃんが増えると、現在のワンちゃん達が不幸な結果を迎えることになってしまいます。
「このままでは殺処分される。」などと
犬好きな小林さんを利用した言葉でワンちゃんや猫ちゃんの保護を訴えることはしないでください。
このレポートがそのような結果に結びつくことは本意ではありません。
何卒、ご理解の上、ご協力お願い申し上げます。
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学生ボランティアのメンバーによる記録ノート。手からおやつをあげたり、フードをあげたりしながら、コミュニケーションを深めていく様子がうかがえます。時々、シャンプーをするとわんちゃん達は、緊張で硬直しているそうです。
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多頭飼育問題改善ボランティア 小林 昭夫 様の元を訪問させて頂いた際の訪問レポートを紹介しております。
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