獣医師が解説

【獣医師が解説】老犬元気

「本町獣医科サポート」の獣医師 北島 崇です。

老犬の悩みをトータルサポートしてくれる老犬元気。
その中でも多くの悩みの関節に対する緑イ貝の働きをお伝えいたします。

ペットの高齢化

犬の寿命


一般社団法人ペットフード協会が実施した平成28年全国調査では、犬の平均寿命は14.36歳とのことです。
(ちなみに猫では少し長くて15.04歳)人間の年齢への換算式「(犬の年齢-1)×5+18」を用いて計算するとおよそ85歳となります。

東京農工大学農学部の林谷秀樹 氏の調査によると1981~1982年当時の犬の平均寿命は8.3歳でした(1995年)。
およそ35年をかけて犬の寿命は5~6歳延びたことになります。

人気の犬種と寿命の関係


アニコム家庭どうぶつ白書2016年度版を見ると人気犬種ベスト3はトイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドです。近年は小型犬がとても人気です。

アニコムの井上 舞 氏らが犬の体重と平均寿命との関係を報告しています(2015年)。

  • 超小型犬(13.8歳) …トイ・プードル、チワワ など
  • 小型犬(14.2歳) …ミニチュア・ダックスフンド、シー・ズー など
  • 中型犬(13.6歳)、大型犬(12.5歳)、超大型犬(10.6歳)

小型犬に比べ大型犬は寿命が短い傾向にあります。理由として大型犬は早く大きくなるため細胞の分裂サイクルが速く、その分活性酸素による損傷を受けやすくなるため、など諸説ありますが確定はされていません。

老犬に多い疾病

高齢化が進む犬では関節炎、腎臓病、糖尿病、悪性腫瘍などの疾病にかかりやすくなります。

これ以外にも歯周病や皮膚・被毛(フケ、脱毛)、消化器(軟便、便秘)などに関する問題も増えてきます。

関節痛

炎症:痛みのはじまり

ヒトもイヌも高齢化による困りごとの代表格として関節痛があげられます。
この関節痛の他にも外傷、打撲、捻挫などの患部では痛みと腫れを伴う炎症が起きています。

炎症の患部では①発赤 ②発熱 ③腫脹 ④疼痛 ⑤機能不全の5つがセットで起きます。これを「炎症の5大兆候」といいます。

痛みの原因物質:プロスタグランジン

体のどこかにダメージを受けて痛みが発生するのは、次のような一連の反応が起きているためです。
関節痛に限らず頭痛、歯痛、神経痛など痛みには共通して脂質の一種であるプロスタグランジン(PGと略)という物質が関与しています。

 
①刺激:ケガや打ち身、捻挫などのダメージを受ける
②プロスタグランジンの産生:刺激により局所でPGが産生される
③炎症の発生:PGは発赤、発熱、腫脹、疼痛、機能障害を引き起こす
④プロスタグランジンの追加産生:炎症が新しく次のPGを産生させる(これが厄介です)
⑤痛みのサイクルの作動:②~④のサイクルがグルグル回る

体の局所でプロスタグランジンが産生されると、この痛みのサイクルが動き出して継続的に痛みが発生することになります。
近頃、頭が痛くなったら(もしくは頭が痛くなりそうに感じたら)すぐに頭痛薬を飲むことが勧められています。
これは我慢しているとその間にプロスタグランジンがどんどん増えて痛みが増してゆき逆に薬の効果が弱まるためです。
プロスタグランジンは「痛みの引き金」とも呼ばれています。

関節痛対策の基本

では、関節痛などの痛み対策としてはどうしたらよいのでしょうか?基本は次の2つです。

  1. 炎症を抑える …痛みや腫れの症状を緩和する
  2. 痛みの引き金をロックする …プロスタグランジンの産生を抑える

緑イ貝

緑イ貝(ミドリイガイ)とは?

殻の部分が緑色をしている二枚貝に緑イ貝というものがあります。
漢字二文字の間にカタカナの「イ」が入ると何だか変な気がしますが、すべて漢字で書くと「緑貽貝」となります。
緑色をした貽貝(イガイ)という意味です。
身近なイガイの仲間にはムール貝やムラサキイガイ(紫貽貝)があります。

関節痛への活用

欧米において、緑イ貝がヒトの関節痛やリウマチの痛み対策として活用され始めたのは意外と古く1970年代くらいからです。
以降ニュージーランド産の緑イ貝がヒトやイヌの関節痛緩和サプリメントに広く活用され、同時にその有効成分の研究も進められてきました。
 

緑イ貝の働き:(1)炎症を抑える

海外の研究報告で「イヌの関節炎の症状緩和における緑イ貝の影響」というものがありますので概要を示します(2001年)。

  • 試験対象は関節炎の症状を示すイヌ31頭
  • 試験群には0.3%の緑イ貝粉末を6週間給与
  • 対照群と比較した結果、試験群のイヌでは関節痛および腫脹スコアの有意な改善が確認された

これ以外にも広く緑イ貝には抗炎症作用があることが確認されています。

緑イ貝の働き:(2)痛みの発生を阻止する

痛みを和らげる方法として発生した炎症を抑えるものが抗炎症物質ですが、これとは別に痛みの引き金であるプロスタグランジンの産生を抑えるという作戦があります。
市販薬の「バファリン」や「ロキソニン」はこの考え方の解熱鎮痛薬です。

海外の研究者により緑イ貝の抽出物にプロスタグランジンの産生を抑制する効果があることが報告されています(1984年)。

緑イ貝の抗炎症物質

緑イ貝には関節痛を緩和する作用があることから、その有効成分について研究が進められてきました。
現在では、緑イ貝が次のような抗炎症物質を含むことが確認されています。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸といえばDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が有名です。
ともにイワシ、サバ、マグロなどの青魚に含まれています。体内では合成できない物質ですので食品などから補給する必要があります。

オメガ3脂肪酸には次のような働きがあります。

  • 抗酸化作用 …これにより抗炎症作用を示す
  • 脂質代謝改善作用 …コレステロールの減少
  • 脳神経活性化 …アミロイドβの沈着減少(認知症予防)
  • 血流改善作用 …血液をサラサラにする

緑イ貝は抗炎症物質としてのオメガ3脂肪酸を多量に含みます。

フラン脂肪酸

あまり知られていませんが、魚類やカメなどに存在する微量脂肪酸の一つにフラン脂肪酸という物質があります。
このフラン脂肪酸は抗酸化物質ですが、炎症には活性酸素が関与しているため抗炎症作用を示します。
東京大学大学院の脇本敏幸 氏は緑イ貝の抗炎症成分としてこのフラン脂肪酸が重要な働きをしていることを明らかにしました(2011年)。

このように緑イ貝には抗炎症作用とプロスタグランジン抑制作用の両方が認められることから、「痛みの緩和」+「痛みの発生阻止」=「トータルの関節痛対策」の可能性をもつ大変魅力的な素材と考えられます。

まとめ

ペットの高齢化

  • 人間と同様にペットの高齢化が進む
  • ペットオーナーにとって老犬の関節痛ケアへの関心は大関節痛対策の考え方
  • 痛みを緩和する(抗炎症物質の活用)
  • 痛みの発生を阻止する(プロスタグランジンの産生抑制)

緑イ貝の働き

  • 抗炎症作用 …オメガ3脂肪酸、フラン脂肪酸を含有
  • プロスタグランジン抑制作用 …痛みの引き金をロックする
  • 関節痛ケア素材として有用

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執筆獣医師のご紹介

本町獣医科サポート

獣医師 北島 崇

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科 卒業
産業動物のフード、サプリメント、ワクチンなどの研究・開発で活躍後、、
高齢ペットの食事や健康、生活をサポートする「本町獣医科サポート」を開業。

本町獣医科サポートホームページ

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