腎臓

おしっこは健康のパラメーター

おしっこする犬

おしっこの作られ方、
おしっこは愛犬の健康のパラメーターの一つです。ではこのおしっこは愛犬達の体の中でどのようにして作られて
行くのでしょうか?

尿を作っている臓器は腎臓です。
この腎臓は血液を取り込み、老廃物や毒素を濾過してきれいにしていきます。
この濾過する場所はネフロンと呼ばれている場所で、ここで濾過されたものは再度、尿細管と言う場所で必要な栄養素と
水分を吸収されます。ここで残った老廃物や水分などが尿となります。

つまり腎臓の機能が悪くなっていると、尿にも影響が出てくると言えます。
この尿の成分の90%以上は水分で、その他に尿素、尿酸、クラアチニン、アンモニア、ナトリウム、カリウムなどです。

おしっこの色と臭い

ゴールデンレトリバー

おしっこの色は正常な場合、薄い黄色や黄色のと言われています。
この色よりも濃い場合は、水分が足りていなかったり、病気による影響があるかもしれません。

また、赤い色の場合は膀胱炎や尿路結石、出血尿の恐れがあります。
濃いオレンジ色の尿は黄疸や肝臓病の可能性があります。

逆に、薄い場合は水分の取りすぎ、または腎不全の可能性があります。
腎臓の機能が衰え、老廃物をきちんと排泄できないと、薄い色の尿しか出てきません。

臭い

愛犬のおしっこが甘い臭いがした場合、糖尿病の可能性があります。
反対に臭いがきつくなった場合、水分不足や膀胱炎などが考えられます。

尿と関係する病気

寝そべる犬
・尿路結石
・膀胱炎
・急性腎不全
・慢性腎不全
・尿毒症
・糖尿病

等など。

尿路結石

考える犬
尿路とは尿が作られて排泄されるまでの通り道のことです。この道に石のようなものができることを
尿路結石と呼びます。この結石ができますと、尿が出にくくなったり、粘膜を痛めたりします。
結石ができるのかですが、ミネラルが集まって作られます。ミネラルは体に必要な成分ですが、過剰なミネラルは、
腎臓で処理され、尿として排泄されます。尿の中でこのミネラルが増えすぎると、お互いにくっつきいて大きくなり、
結石となります。

結石は『ストルバイト結石』と『シュウ酸カルシウム結石』の2つが多くを占めます。

ストルバイト結石

細菌の感染により膀胱炎になり、尿がアルカリ性になる事が主な原因です。
リンやマグネシウムなどはアルカリ性の尿には溶けにくく、また結合してしまうために結石になってしまいます。

シュウ酸カルシウム結石

シュウ酸にはカルシウムを結合しやすい性質があります。
このシュウ酸の量が多いと余分な物は尿に出、その中でカルシウムと結びつき結石となっていきます。

尿路結石の予防

・水分をしっかりと取る
・毎日のご飯に含まれるミネラル・タンパク質をバランス良く、適正な量を与える。
・ストレスを与えないようにする

膀胱炎

寝ている犬

膀胱の粘膜が細菌や結石によって傷つけられ炎症が起こる病気です。
再発することや、慢性化することもある。

膀胱炎の症状

・頻尿
・色や臭いが変わる
・落ち着きがない
・血尿

等など。

膀胱炎の予防

・水分をきちんと摂らせてあげる。
愛犬の中にはあまり水を飲まない仔がいると思いますが、いつも食べているフードをふやかしてあげたり、
ウェットフードへ切り替えたり、スープなどを与えてあげても良いでしょう。
尿の量を増やすことによって膀胱から細菌を排出させることができます。

・おしっこを我慢させない。
・ストレスを与えないようにする。
・栄養のバランスが取れた良質なご飯を与える。

急性腎不全

腎臓の機能が急激な低下により、正常に働くなった状態。

急性腎不全の症状

・食欲が無くなる
・嘔吐する
・動きたがらない
・おしっこをしない
・背中を丸める

等など。

急性腎不全の予防

・新鮮な水をすぐに飲めるような場所においておく
・腎毒性のある物を、愛犬が食べないように気をつける。(レーズン・ぶどう・人用のクスリなど)

慢性腎不全

徐々に腎臓の障害と症状が進んでいく病気です。

慢性腎不全の症状

・尿の色が薄くなる
・嘔吐する
・水を大量に飲む
・体重が減ってく来る
・食欲がなくなる

慢性腎不全の予防

大量の塩分やタンパク質が多い食事では、それを処理する腎臓に負担が負担が掛ります。
大切なのは良質なタンパク質を適切に与え、栄養バランスの整った食事を与えて上げるようにしましょう。

慢性腎不全は初期ではその症状がわかりにくく、気づいた時には進行している場合があります。
愛犬の健康に気をつけ、できるだけ早期に発見できるようにしましょう。

尿毒症

座っている犬

急性・慢性腎不全が進行してしまった状態です。
本来なら腎臓から排泄される老廃物などが、排泄されず体内に溜まっていき、様々な障害を
起こす状態です。

尿毒症の症状

・食欲がなくなる
・下痢
・ぐったりする
・嘔吐    等など

尿毒症の予防

尿毒症は腎不全から移行します。そのため、尿毒症になる前に、発見する必要があります。

糖尿病

糖尿病と関わりが深い臓器は膵臓です。
膵臓は血糖値をさげるホルモンであるインスリンを分泌しており、またその逆の血糖値を上げる役割を持つ
グルカゴンと言われるホルモンも分泌しています。
糖尿病はこの膵臓のインスリンを分泌する機能に支障がでると発生します。

糖尿病の症状

・多飲多尿多食
・お腹が膨れる
・体重の減少
・毛艶が悪くなる    等など

症状が進むと白内障や肝疾患、腎疾患などの合併症を引き起こします。

糖尿病の予防

栄養バランスが悪い食事、脂肪が多いおやつやフード、炭水化物が多いフードなどばかりを食べていると、
肥満になりやすく糖尿病になるリスクが高くなります。
食事の栄養バランスに気を使い、肥満にならないようにし、
適度な運動、ストレスを与えないように気をつけてあげましょう。

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愛犬に生肉を与え続けて10年の川瀬隆庸が監修

株式会社帝塚山ハウンドカム
代表取締役 川瀬 隆庸

  • 社団法人 日本獣医学会 正会員 会員No.2010172
  • 財団法人 日本動物愛護協会 賛助会員(正会員)No.1011393
  • ヒルズ小動物臨床栄養学セミナー修了
  • 小動物栄養管理士認定
  • D.I.N.G.Oプロスタッフ認定
  • 杏林予防医学研究所毛髪分析と有害ミネラル講座修了
  • 正食協会マクロビオティックセミナー全過程修了

愛犬の健康トラブル・ドッグフード・サプリメントなどアドバイスをいたします。

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